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街 15 物語を感じる街



北の街に、夏にいくと言うのは、本来の街の魅力がわからないのかも
しれないが、寒さが苦手な私にとってはベストタイミングだったと思う。

夏の北海道


昨年7月。
Gotoトラベルキャンペーンが始まる前に、飛行機、ホテル別々に予約して、
且つレンタカーを予約して、道央から道東まで行くことにした。

客室乗務員時代に、北海道は一部の空港を除いてほぼ全て行った。

千歳 帯広 旭川 女満別 釧路

道内のフライトも当時はあったので、同じ道内を飛行機で行くなんて、
やっぱり北海道は広いなーといつも思っていた。


ただ、宿泊先としては千歳のみで、それ以外の場所には空港に降り立ったことしかなかったため、どうしても行って見たいと思ったのだ。

同期や先輩たちは、流氷の時期に女満別に行って、ラーメン食べて流氷を見て
と言うのが流行っていたのだが、何せ寒いのが苦手なため「いつか行こう」と
思っているうちに、退職してしまった。

1日目


まず帯広空港に到着。
レンタカーを借りて、目指すはラベンダー畑。
時期的にはベストで、途中帯広ラーメンをいただく。
レンタカーはこういうとき便利だ。
と言うより北海道はレンタカーなしでは、観光は難しいだろう。

そして到着した富良野の「ファーム富田」
日曜日だったからなのか、とても人が多かった。
カップルとファミリー。
そして一面に広がるラベンダー畑。
もう美しいという言葉も出ないほど、圧巻。

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ただこの畑を維持するための苦労が、看板に書いてあったが、
なんでもそうだが、人は出来上がったものを見て感動はするが、
その陰にある努力、苦労についてはほとんど目をむけない。

なんでもそうだが、美しいものには必ず陰の努力がある。

なんでもそうだが、なんの苦労もなしにうまく行くことなんて
あり得ないのだ。


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この美しい畑を守ってくくださっていることに感謝して、
ラベンダーソフトクリームをいただく。
こうしてお金を使うことが、このファームのためになるのだから。

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その後旭川市内へ移動。

あの星のリゾート系列のホテルへ。
ビジネスホテルだからお手軽に泊まれるが、お部屋やロビーには
と工夫されている。


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このロビーにライブラリーがあり、ここでは本を読めるようになっていた。そこで見つけた「三浦綾子さんの本」

旭川出身で、結核の療養後に執筆活動を始められた有名な作家。「氷点」はドラマ化もされたので、知っている方は多いかもしれない。

三浦さんのことは知っていたものの、旭川出身とは知らず、でもこのロビーフロアで三浦さんの本を少し読んで当然のことだが、旭川の土地の空気感が文章から感じられる気がした。

すると、旭川自体がとてもロマンチックで、物語を持つ街に見えてきたのだから不思議だ。
千歳や札幌ではない、決して派手さはないが、どこかおしゃれな、どこか洗練された感じの街だったと思うのは、変なのだろうか。
確か、玉置浩二さんも旭川の出身だったと思う。

街が素敵で、街に物語がいっぱいありそうで、旭川を好きになってしまった。


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2日目

そして訪れた旭山動物園。ここまできて行かないわけには行かない。

ペンギンに癒された。

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本当に大きな動物園で、全国的に有名になったのはわかる。
なんでもそうだけど、人と同じことをやってたら意味がないってこと。
専門家が専門家の視点で、独自のことをやるから、そして顧客目線で
やるからうまく行くんだ、と言う事例だったなと思う。

だって、他に何もない土地なのに、全国的に動物園が有名になるって
すごいこと。
地方活性化を考えてる自治体は、このモデルケースから学ぶことは
いっぱいあるはず。


名残惜しかったが、この後なんとレンタカーでオホーツクを目指した。
走行距離はおそらく400キロくらい?

オホーツク海を見たくて、その近くにあるたくさんの湖の一つ、
野取湖へ。
旅館は古いが、夕食はさすが北海道、なんでも美味しい。
そして旅館から徒歩で野取湖へ。

それはそれは広く、オホーツクと境目がないくらいに大きな湖で、
吸い込まれそう。


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歩けるところまで歩いて、その空気を感じる。

とにかく、広い、大きい。

私も福岡出身で、九州は全て行ったことがあるが、やはり北海道は
スケールが違う。
どこまでも続く、地平線、水平線が大きい。

北海道の人は、きっと心が広い人が多いんだろうな、と思う。

3日目

そして翌日はまた帯広空港まで戻る旅。
その距離500キロくらい?


ひたすら走って、空港も近くなってきた頃、
「幸福駅」と言う看板が。。。

「え?あの幸福駅?」


私と同年代の人は、きっとわかると思うが、駅の名前が幸福駅だと
言うことで一気に有名になり、廃線となった時はテレビでも紹介されていた駅。
ここのチケットを買うことが、御神籤のようになっていた時代があった。


ちょっと行ってみよう、と言うことでいってみたら、

本当に、幸福駅跡だった。


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それでも観光客がちらほらといて、ブームの凄さを知った。

観光地は、本当にたった一つ話題になれば全国各地、全世界から
人がやってくる。

コロナでそれがなくなってしまっているのは、観光地の人にとって本当に
苦しいと思う。


もちろん切符を買って帰った。

レンタカーの返却時間が迫っていたが、電話をすると
「大丈夫ですよー」とこれまたおおらかな返事。


広い大地、広い心に癒された旅だった。


旭川だけでなく、道東について書いたものとなったが、道東は北海道らしさを感じられる街。

旭川はちょっと悲しい、物語とロマンがある街、と私の心に刻まれた。
旭川は夏の避暑地として訪れて、暫し滞在したい街だった。


上野 博美


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