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プライドで仕事を選ぶ人、 好きで仕事を選ぶ人

好きで仕事を選ぶ人

あるブランドのアパレルショップでのこと。

2ヶ月ほど前に行った都内のデパートのショップ店員さん。

私がセール品をみているのに、全く気にすることなく商品説明をしてくれた。
(プライドが高いブランドショップの人は、セール品をみているお客さんなんて
相手にしないところも多い)


試着したら、案外似合っていたので(自分でもそう思った)買うことにした。

すると、商品を包みながら「うちのブランドはよくいらっしゃるのですか」
とそれまでは、決して雑談をせず商品に対して愛着を感じる説明していたのに
初めて気さくに話してくれた。

たぶん、商品説明が大事、と思って一生懸命だったのだろう。

「実はかなり若い頃に買ったことがあります」


というと、「え、じゃあ久しぶりに思い出してくださってご来店いただいたのですね!」
とすごく嬉しそうに言ってくれた。

このブランドの商品が好き、このブランドを思い出してくれた私への感謝に満ち溢れていた。

「このお姉さんは、このブランドが本当に好きなんだな」

と感じたくらいだ。

プライドで仕事を選ぶ人


そして、先日同じブランドショップに行きたかったのだが、緊急事態宣言で都内の
デパートはクローズ中。

どうしても見に行きたくて、近県のデパートに行った。

そこには、スタイルの良い店長らしき人がいた。

第一印象は決して愛想は良くなく、笑顔もほぼない。
私は今回はセール品ではなく、通常の値段のものを見ていた。

ただ、勝手に見られるのが嫌なのか、一つ一つ見せては、すぐに綺麗にたたみ始める。決して感じよくはない。

私は気づいていたが、あえて空気を読まずに、あらゆるものを手に取ってみていた。
(きっと嫌な客でしょうね)

でも、鏡で見る時は、「見てもいいですか」
と許可を取り、試着は勧めてくれないので、試着なしでTシャツを買うことにした。

Tシャツとは思えないほどのお値段だったが、それ以外にかなり高めの他の商品は少し力を入れて勧めてきた。

でも、あまりに高額のためそれは買わなかった。
すると、また機嫌が悪くなる。

なんで同じブランドのショップなのに、こんなに接客態度が違うのか、考えてみた。

わたしの態度も悪かったのかな、と思うが、
どちらのお姉さんも、このブランドは好きなのだと思う。

ただ、ブランドが好きなのと、そのブランドで働いている自分が好きなのは全く違う。

「好きな仕事をしている」のと「ブランドが与えてくれるプライドが好きな人」
の違いではないか、と思った。

他にお客さんは誰もいなかったので、他のお客さんにどのように接するのかを見ることはできなかったが、このショップにはもう行かないだろう。

この「プライドで仕事を選ぶ人」は、どの業界にもいる。

残念ながら、客室乗務員の世界にもいる。

ただ、お客様からすればすぐにわかることで、やっぱりお客様に接することが好きで、お客様、つまり人に興味関心がある人でなければ、決してお客様は心から喜んでは下さらないだろう。

お客の立場として、良い勉強にもなった。

そして都内のデパートのお姉さんが恋しくなった。
緊急事態宣言が解除されたら、ぶらっと行ってみようかなと思う。


好きで仕事をしている人は、やっぱり気持ちがいいから。

上野 博美


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