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「街 13」城下町の良さを教えてくれた街


川越


県庁所在地ではないが、気になっていた街だ。

大正ロマン通り、なんて名前が洒落てる。
いつものように、一箇所行く場所と、食を調べて出かけた。
都内からは一本の電車で行け、1時間くらいだ。

1時間くらいの電車の旅では、本がお供になる。電子書籍を一冊スマホに入れて、読んでいたら、感動で涙がボロボロと出てきて困った・・・
電車内は人が少なかったので、よかったが、(みんなあまり人のことは見てないけど)電車で読む本は選ばないといけないと思った。

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食プラスアルファ


到著後すぐに、川越名物と書いていた「うなぎ屋」さんへ・・・
1月2日に行ったのだが、それはそれは満席。
久しぶりに再開した友人との会話を楽しむ男子たちが後ろの席に座っていたので、話が面白くて聞き入ってしまった。

2人は社会人なのだが、1人は今の自分の仕事をもっと頑張りたい、なんなら転職したい気持ちもある、向上心いっぱいの男子。
次から次へと、そこにはいない高校の同級生の名前を出して、近況をもう1人の男子に伝える。
その話が「あいつは何の仕事をしていて、結婚していて、子供がいる」
とか

「あいつは最近転職を視野に入れて、○○の勉強を始めたらしい」

など、人のことが少々気になる人。

一方の男子は、のんびりやなのか、今の仕事には満足をしているようで、
もっぱら関心は「結婚」と「女子にモテるかどうか」

そしてこの男子は大学時代に「モテ期」があった、という自慢話もしていた。
お顔ははっきりとは見ていないが、本人がそういうのだからきっとそうなのだろう。

こうして全く興味の方向が違う2人の会話は、噛み合ってない。
興味があることには、質問をするものの、そうでない話には「ふーん、そうなんだ」で終わる。

地元の同級生の情報交換に、お正月は良いタイミングなのだろう。
私が若かったら、どちらのタイプがいいのか?を考えてみたが、どちらも遠慮したいと思った(私が言えることじゃないけど)


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目的地


川越到著後すぐに、川越男子の会話を聞けて得した気分で、「大正ロマン通り」を目指す。
駅から徒歩で行けると思うが、一応バスに乗った。
帰りは歩いて戻ったけど。

お正月だからなのか、人混みが凄かった。
それも若い人が多い多い。
カップルが目立ったな。デートに行くにはちょうどいい場所なのだろう。

私も、歩きながらウキウキする。
それは通りの店がいろんなお店があるからだ。
気になった、そして混雑していない(これは重要、福岡の人間は並ぶのが実は嫌い)店をえらんでふらっと入れるからだ。


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和菓子屋で思いがけない学び

老舗らしいお菓子やに入る。
品物を見ていたら、二階に「展示」されているものがあると知って、上がって行った。
そこには、創業当初からの歴史が物語ふうに書かれていた。
創業当初は商売が順調に行っても、必ず良い時と悪い時がある。
その一つが、戦争。
物資はない、男手がない、という最悪の環境の中でも、決して看板を下ろさず、別のものを売ってでも、商売を一時的に変えてでも、その看板を守り抜く、その商人の心が伝わってきた。

「そうだよね。どんな仕事だって大変な時はある。今コロナで大変なところはたくさんあるけど、(私も含む)それは何の仕事だって同じ。でもその時を知恵を絞って、できることは全てやって乗り越えていくから、長く続くんだ」

と、無料の展示を見て、とても勇気をもらって得した気分だ。

商売って「あきない」って言うからな。

今風に言えば「ビジネス」。一緒じゃん、って思った。

一階に降りて、せめてものお礼にお土産のお菓子を数種類買う。
全てが美味しかった。
こうしたそれぞれの店の歴史を知ることができるのは、面白い。


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(これが本当に美味しかった)

さらに歩いて歩いていくと、「豆や」さんが多いことに気づく。
ファッショナブルなお店は人が多いので、通りから離れたおじさんが1人でやっているお店に「北海道産小豆」を発見して、鏡開きの時のぜんざいに使おうと思って買う。
商品を入れる袋持ってますので、というと、「うちは袋無料だから。これに入れた方がなんか気持ちいいでしょ」
とおじさんが言う。

こうした会話ができるのも、混雑してない、1人できっと長くやっているお店に限る。
それも五百円くらいだった。
(お得2)


鏡開きで作ったぜんざい

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もう一つの目的地


実はそこから「川越城本丸御殿」を目指して、Google マップを見ながら歩いていたのだ。
途中「太田道灌」にあやかった「道灌饅頭」のお店を見つけ、一つ買って店の外にあるベンチで食べる。とてもお天気が良い日で、気持ちがいい。

本丸御殿が近くにつれて、歴史ある場所が増えていく。
一つ一つ確認しながら、「城下町ってやっぱりいいな」と思う。

何が良いのか?

何となく街が整備されている。
街の様子に品がある。
土地の気が良い気がする。

そこに住んでいる人たちが品がある気がする。

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今まで城下町、というと、高松、水戸を紹介したが、同じように感じている。

「城下町に住む」っていうのはいいよな、とふと思う。
日本全国の城下町に住みながら仕事する、というのもいいなーと、思った。

一定の場所に住むのもいいのだが、時々違う景色が見たくなる。
好奇心旺盛というのか、飽き性なのかわからないが、城下町の印象はグーンと上がった。
本丸御殿にもまあまあ人がいて、神社もある。
調べてみるとここから駅まで歩けなくはない。
じゃあ、天気もいいし歩こうかな、と思ってまたGoogle マップを頼りに歩く。

途中「新勝寺」で有名な「成田山川越別院」を発見する。
お正月だということもあって、参拝するのに人が並んでいた。

「むやみやたらと神社仏閣には参らない方がいい」

とある方にアドバイスを受けていたので、外から眺めて通り過ぎる。

歩きやすい歩道もあって、ちょうど良い散歩になった。


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旅が好きな理由


ここまででも十分なプチ旅。
気分も変わる。
歴史も少し学ぶ。
地元の人の話も聞けるし、美味しいものも食べられる。

旅っていいことばっかり、だと思うのは私だけだろうか?

またふらっと行きたいな、と思う街にランクインした。
うなぎ大好きだし。
(本当はセイロむしが好き 福岡柳川名物)


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上野 博美

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