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『三行で撃つ』を読んで
誠実という言葉の意義を、考える機会が増えた。
それは年齢的なものかもしれないし、社会に出たから感じるものかもしれない。
でもそれ以上に、今世の中が「心」を必要としているのかなと。
ちょうど都知事選を控えた今、石丸伸二さんがネットで話題になっている。
京都大学経済学部を卒業後、三菱東京UFJ銀行の為替アナリストとして勤めていた。
最後の4年半は、銀行として初のニューヨーク駐在で活躍していたという。
「あのときに感じた気持ちは、愛国心の言葉以外にはないですね。」
遠い日本を思いながら、米国でともに働く日本の方々との絆があった。
その後、故郷である安芸高田市に戻り、市長となった。
激しい言葉を使う姿が印象に残る。
しかしその議場には、「心」があった。
市民の声が、市長の声に重なって聞こえた。
そして今、彼は東京にいる。
私が個人的に思っているのは、彼は今も「故郷を救おうとしている」。
日本を良くしたい。
生まれ育ったまちが、このまま感情がなくなるのが、耐えられない。
その思いが一人ひとりの「心」に芽生えつつあるのは、私だけの感覚ではないだろう。
都知事選も重大ではあると思う。
しかしその重大さよりも、この事実が、ひたすらに尊いと思う。
政治の話を外でしてはいけない。
敵味方は争いを生むだけだと、両親によく教えられた。
その常識さえも、常識ではなくなるのではないか。
「みんなが団結して、みんなで日本を救う」
そんな気持ちにさせてくれたのは、石丸伸二さんの「誠実」が語りかけてくれたからだと思う。
『三行で撃つ』を読んで学んだことは、ライターに限った話ではない。
世の中に目を向け、触れ、感じ、それを心に留め、世の中に送り返す。
生を味わうことは、それ以外の何物でもないのではないか。
しかしながら、味わうことが気づけば自他ともに傷つけることに変わるのは自然の流れだ。
米国の心理学者、ジョーダン・ピーターソンの言葉を借りると、「人間にはbeingの悪が生まれつき備わっている」。
不安、怒り、欺瞞、どんな言葉でも当てはまる、負の感情。それがbeingの悪だ。
「我々は、それに打ち勝っていかなければならない。そこに、幸せに生き抜く術がある。」そのように語っていた。
文章は、刃物にも、お金にもなる。
しかし文章は、人の「心」を豊かにもしてくれる。
あなたは、どんな文章の使い方をしますか?
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