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2022年に観たなかで、心に残った映画5選〈イラストで紹介〉

 こんなタイトルをつけておきながら、実は本数自体はそんなに観ていない。
 去年の2分の1以下だ。

 でも、去年に観た以上に、今年は自分の心に深い影響を与えてくれた作品と巡り会えた気がする。
 そのなかから5つの作品を選出して、拙いイラストつきで(ネタバレなしで)紹介しようと思う。

 ちなみに、自分は決して〈映画好き〉でもなければ〈映画マニア〉でもない。
 映画と読書、どちらが好きかと問われれば、迷わず読書を選ぶ自信がある。

 だから、これから紹介する作品は、映画をよく観る方からしたらミーハーっぽい選出だと思われるかもしれない。
 そして、感想文を書くことも得意な方ではないことも、ここに断っておきたい。
 得意ではないけれど、無性に書きたかったのだ。


グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(公開年:1997)

 マサチューセッツ工科大学の学生でも解けない数学の難問を、いとも簡単に解いてしまうほどの天才的な頭脳を持つ、アルバイト清掃員の青年、ウィル。
 しかしウィルは精神面に問題を抱えており、心理学者であるショーンとの交流を通して、彼が人間的に成長していく過程を描いたヒューマン・ドラマ。

 本作は主演のマット・デイモンが脚本を執筆しており(共演者のベン・アフレックと共同で)、ジェイソン・ボーンシリーズが好きな自分としては、以前から気になっていた作品だった。

 そして観た。そして感激した。
 ヒューマンドラマなんてあまり観る方ではないけど、この作品は自分の心に深く突き刺さるものがあった。
 特に、ウィルが今まで隠していた自分の気持ちをさらけ出し、ショーンと打ち解けるあの瞬間は。

チョコレートドーナツ(公開年:2012)

 1970年代のカリフォルニア。同性愛者のカップル、ルディとポールはダウン症の少年、マルコを引き取り、幸せな日々を送っていた。
 だが、周囲は3人の関係に対して決して好意的ではなかった。
 差別や偏見に苦しみながらも、希望を忘れずにもがいていくカップルとその子供の生活が美しく描かれている。

 個人的に、この作品の感想を書くことはかなり難しい。もちろん、素晴らしい作品であることに間違いはない。
 だけど、簡単で簡潔な感想を書くことを躊躇わせるような何かが、この映画には秘められている気がする。

 多分、面白かった、観てよかった、という一言では済ませられないような作品なんだと思う。
 原題は『Any Day Now』らしいのだけど、『チョコレートドーナツ』というこのタイトル、洒落ていて、マルコの大切な物を象徴している気がして、自分は合っていると思った。

レミニセンス(公開年:2021)

 水没した近未来のマイアミを舞台にした、SFサスペンス映画。
 主人公のニックは、顧客が求めるその人の記憶を追体験させるという、特殊な職業に就いており、ある女性との出会いがきっかけで、壮絶な事件に巻き込まれていく。

 予告を観た時にはクリストファー・ノーランの新作かと思ったし、本編を観ている間もずっとその雰囲気を感じていた。
 実際、彼の弟のジョナサン・ノーランが製作に関わっていると知った時には、なるほどと合点がいった。

 この作品、興行的には失敗で、評価も散々らしいのだが、自分は充分に楽しめたし、芸術的なショットが豊富にあって、とても印象深い作品だった。

 水没した近未来の都市は神秘的でワクワクするような景観だったし、人の記憶を360度のホログラムで再現するという装置のアイデアも魅力的だった。
 もちろん、1人の女性の足跡と真実を追う男のストーリーも。

 世間の評価と自分の評価は必ずしも一致しない、ということを教えてくれた作品でもあった。

オアシス:ネブワース1996(公開年:2021)

 1996年8月、2日間で25万人の観客を動員した、オアシスのネブワース公演のドキュメンタリー映画。
 当時、260万人以上の人間がこのライブのチケットを求めたらしい。

 この映画の特徴は、高画質な映像で伝説的なライブを楽しめるだけでなく、ライブに行ったファンたちの視点を通した実体験を描いていることだと思う。
 彼ら、彼女たちの青春時代のドラマを、90年代のイギリスの空気感と共に味わうことができる。

 また、チケットの取得方法もそれぞれで、めちゃくちゃ苦労して手に入れた人もいれば、友達と行ったレコード店で幸運にも2枚だけ余っていたのが手に入った人もいたりと、チケットにまつわる色々なエピソードも面白かった。

 労働者階級出身で、デビューからたったの2年でこんな大規模なライブを開催したオアシスって、当時のティーンエイジャーたちの希望だったのかなって思ったりもした。

リンダ リンダ リンダ(公開年:2005)

 文化祭のライブのため、軽音楽部に所属する3人の女子高校生は、ひょんなことから韓国からの留学生ソンをボーカルに引き入れる。
 THE BLUE HEARTSの曲をカバーすることになった彼女たちは、練習を重ねながら、徐々に仲を深めていく。
 そして、迎える本番当日。

 今回選んだ唯一の日本映画。
 自分自身、特別ブルーハーツというバンドに興味があるわけではなかったのだが、本番で披露された『リンダリンダ』は、息を呑むくらい心に響いた覚えがある。

 とにかく、本番のラストシーンに全てが込められた作品だと思う。


映画って

 以前、メタルギアシリーズの生みの親、小島秀夫が「映画は当たりが1割で、残りの9割は外れである」と言っていたのを思い出した。

 自分も全くその通りだと思ったし、できることなら外れの映画を引いて2時間を浪費したくはないとも思う。
 もちろん、ここで紹介した映画は『当たり』に該当する。

 まあ、何が『当たり』かは人それぞれなんだけど。

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