青春ミステリー小説『放課後の冒険』 エピローグ「仕掛け人の正体」
翌朝、拓実は席に着いて、頬杖をつきながら窓の外を眺めていた。
外にはどんよりとした曇り空が垂れ込み、いかにも雨が降り出しそうな雰囲気だ。
実際、天気予報では、今日は午後から雨が降ると伝えていた。
確か、降水確率は90パーセントを超えていたっけ、、、。
それに、明日も明後日も降るらしい。
また憂鬱な梅雨の日々の逆戻りだな、と拓実は欠伸をしながら思った。
時刻は午前8時20分を過ぎている。
しかし拓実の隣の席の葵は、まだ教室に来ていな
かった。
珍しいな、と拓実