#毎週ショートショートnote
【毎週ショートショートnote作品】涙鉛筆
休み時間、教室の後ろの棚で、僕と佐々木と高田はバトル鉛筆で遊んでいた。
「あ! バトエン!」背後から女子の声がした。
振り返ると、そこには学級委員長の藤尾美久がいた。
「みーちゃった、みーちゃった。セーンセに言っちゃお」と藤尾は歌い、「先生っー」と叫びながら教室を飛び出していった。
佐々木は舌打ちをした。「藤尾のやつ、先生にチクリに行きやがった」
三時間目の算数が始まる直前、僕ら
【毎週ショートショートnote作品】1分しまうま
一分間だけ、シマウマが局地的に大量発生する地帯がある。
それは僕が通う小学校の校庭だ。
毎日午後二時四十五分になると、決まって学校の校庭に何十頭ものシマウマの群れが突如出現するのだ。
そして午後二時四十六分になった瞬間、シマウマの群れは一頭残らず校庭から消滅する。
この現象は今日に至るまで二十八年間続いていて、我が校の伝統みたいになっている。
入学したての一年生は午後二時四十