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地域活性化のためにイベント開催する落とし穴

無責任なイベント主催者の存在

「地域活性化のためにイベントをやりたい」
「イベントで地域活性化を図る」

よく聞く話です。

そういう私も同じことを言っていたひとりでした(笑)

この考え方そのものは間違っていないと思います。
イベントと言われてイメージするのは、楽しんでいる人、笑顔の人がたくさんいる景色。この賑やかな景色を地域のあちこちで実現できれば、その地域は活性化したように見えることでしょう。

しかしながら、言うはやすし行うは難しでありまして。

笑顔が溢れるイベントの裏側には、その空間を作るためにどれだけの苦労と涙があるのかということ。
これが想像できていない人ほど、イベント開催による地域活性化という言葉を軽々しく口にします。

イベント主催者としての責任とリスクを理解していない人が開催する企画の未来に笑顔はありません。

イベント主催者に必要な熱意

私自身も数多くのイベント主催者として様々なイベント開催に携わってきました。その都度、めまいで倒れそうなほどの(倒れてしまうこともありましたけど)プレッシャーを感じていたことを思い出します。

過去に何度か、大学生が鼻息荒く地域活性化をテーマにしたイベント開催をしたいという相談をしてきたことがあります。私がその大学生たちに対して一番最初にしたのは「質問攻め」でした。そして、その段階では実現不可能な現実を、ぐうの音も出ないほど突きつけるという役回りをすることになります。

もちろん、地域にとって良いと思ったことを自分たちで実現したいという想いや熱意はとても素晴らしいものですが、若気の至りという言葉で表されるように、そのイベントは分別が伴っているのかという確認作業が必要になります。

私自身が20代の頃、やってみたいと思ったことを実際に行動に移すとき、相談した相手から質問攻めをされて、ことごとく論破されてしまい、意気消沈したことは何度もあります。でも諦めずに、その論破された部分に対しての解決策を考え、納得して協力をしてもらえるまで、何度でもぶつかっていくことで、少しずつ応援してくれる人たちが増えて、様々なイベントが実現しました。

本当にやってみたいと思っていれば、一度意気消沈したくらいで諦めたりはしません。実現するためにあらゆる手を考え、イメージして、成功の道を探し続けるものだと思います。
たかが質問攻めにあったくらいで諦めるのであれば、そんなイベントはそもそも成功しないのでさっさと没にした方が身のためです。

イベント主催者に必要な覚悟

イベントと一口に言っても、仲間内が楽しむ規模から地域を巻き込む規模まで様々ですが、今回は「地域活性化のためにイベント開催する」という規模で話を続けていきたいと思います。

地域をどの程度の範囲で設定しているのかにもよりますが、巻き込む人が増えれば増えるほど、主催者にかかる責任と負担は倍々ゲームのように増えていきます。

ここで重要になるのが、主催者の責任感です。

失敗した時の責任を自分で取れるのか。その責任を一緒になって担ってくれる人がどれだけいるのか。

主催者がこの責任に対する覚悟を持っているのかどうかを確認できなければ、そのイベントに協力する仲間は増えていかないものです。

事前にこの確認を怠ったイベントの多くは、思い通りの結果が出せず、巻き込んだ人が多ければ多いほど事後処理が大変になるというのがイベントの相場です。そして、一番の損失は主催者本人が周囲からの信用を失うということです。

まとめ

想いだけで地域活性化を掲げたイベント企画をして突っ走っている皆さん。
一度立ち止まって、しっかりと足元を確認してみてください。

そのイベントは誰に望まれて開催されるイベントなのでしょうか?
そのイベントを支えてくれる仲間と地域の未来を共有していますか?
そのイベントが思い通りにならなかった時、助けてくれる仲間は誰ですか?
どんな結果であれ、声をかけた人たちに対してあなたは責任を持った対応をすることができますか?

地域活性化を掲げて成功したように見えているイベントは、様々な苦難を乗り越えて理想を実現することが出来た氷山の一角です。その水面下には無数の失敗したイベントが存在しています。

イベント開催自体が地域を活性化するのではありません。
地域を活性化させるために必要なイベントの企画を通して、地域の未来を共有する仲間の輪を広げていくことが、地域活性化の本質的な部分です。

あなたの理想のイベントに賛同してくれる人の輪が広がっていきますように。

それではまた。

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