糖質制限ダイエットからリバウンド無く通常の食事に戻すために
皆さん、こんにちは。
スポーツ栄養を専門に活動している管理栄養士の吉村俊亮です。
前回から全2回で糖質制限を用いたダイエットについて書いております。
前回の記事は下記からお読みいただけます。
ご興味のある方は是非読み進めていただけると幸いです。
糖質制限を長期でおこなうデメリット
糖質制限を長期でおこなうと、前回の記事でも書いた通り体重がだんだん落ちにくくなる傾向にあります。
1つの原因として、TCA回路(エネルギーを生み出すための中間過程)の始まりの物質であるオキサロ酢酸(糖質を原料として作られる)の量が低下することで、TCA回路が上手く回らなくなり、ATP(身体を動かすためのエネルギー源)の生合成がされにくくなることです。
また、TCA回路では、代謝の過程でH⁺が発生し、この水素が電子伝達系(エネルギーを生み出すための最終過程)へと運ばれ、段階的に代謝されることで、多くのATPが生合成されます。
TCA回路が上手く回らないということは、電子伝達系で代謝されるH⁺が少なくなってしまうため、上手くATPの生合成ができません。
この結果、体重が落ちにくくなります。
長期で糖質制限をしていた人への食事改善案
長期で糖質制限をしていた人は、体内のグリコーゲン量が少なくなっている状態で、糖質を材料に作られる物質の量も少なくなっていると考えられます。
そのため、糖質を多く含む食品を食べてもらうようにしなければいけませんが、急激に糖質の摂取量を増やすと高確率でリバウンドをします。
リバウンドをさせずに、正常な状態にするためには、長期的に少しずつ糖質量を増やすことです。
例えば、最初の1週間はいつもよりもごはんを1口多く食べる。2週目はごはんを2口多く食べる。3週目は3口多く食べるといった感じです。
糖質制限を長期でやってしまうと、リバウンドせずに食事を正常に戻そうとしたときに時間と根性が必要になります。
糖質制限ダイエットについて、今回は体重に関するデメリットしか伝えていませんが、他にも多くのデメリットが存在します。
糖質制限ダイエットをする場合は、それらのことを考慮したうえで、本当に実行すべきかをよく考えたうえでおこないましょう。