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身体を大きくしたい選手への「増量バイブル」 ~どうしても増えない人へ~

皆さん、こんにちは。
スポーツ栄養を専門に活動している管理栄養士の吉村俊亮です。

前回に引き続き、増量について書いていきたいと思います。
前回の記事は下記からお読みいただけます↓↓


食べる量が少ない人へ

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食べる量自体は胃の大きさによっても異なりますが、基本的には身体が大きければ胃の容量も多いと考えられます。
一度に食べる量が少ない人は、3食だけでは増量に必要なエネルギー量を賄うことができません。
改善策としては、単純に食事回数を増やすこと。
きちんとした食事の回数を増やさなくても、間食の回数を増やすだけでも大丈夫です。
また、日々の食事で少しずつ食べる量を増やしていけば、ある程度までは一度に食べる量を増やすことができます。
ただ、ここで注意をしていただきたいのは選手が限界に達しているのに、無理に食べさせるようなことはしないということです。
トレーニングでいうオーバーワークそのものです。
一度に食べられる量を増やしたいのであれば、長い目で見ていくことが大切です。


食べているが増えない人へ

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食事量は食べているのに、体重が増えていかないという方はまず運動量も再確認してください。
朝~夜までの長時間の練習を週に何日もされている場合や長距離の走り込みをよくするような選手は摂取カロリーよりも消費カロリーが上回っていることも多々あります。
僕自身サポートしていた選手の中には、1日の消費エネルギー量が5,000kcalを超える選手もいました。
まずはそこから見返し、計算上摂取カロリーの方が上回っているのに体重が増えない場合に、食事方法を考え直してみて下さい。
また、一度にたくさん食べているのに増えないということは、消化吸収がうまくできていない可能性が考えられます。
これを解決するには、一回の食事量を少し減らしてでも食事回数を増やすこと、または間食の回数を増やすことです。
間食の回数を増やすと言っても、1日に1回や2回ではなく、朝・昼・晩・就寝時の各間に1~2回程度入れていくような感じです。
就寝前は食べ過ぎると身体にはあまり良いことはありませんので、200kcal程度の摂取を心がけて下さい。
たまにいる痩せの大食いという方は、特にこの方法を取り入れるとよいかと思います。
実際に、食べてもなかなか体重が増えないという選手に、夕食時の食べ方として、ご飯中お腹に溜まってきたなぁと感じたら、一度食事を中断して、30分ほど間を空けてから再度残りの食事を食べるということをしていくと体重が増え始めたという選手もいました。


増えてはいるものの、筋量・筋力につながっているか不安な人へ

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体重が増えていても、それが筋肉で増えているのか体脂肪で増えているのかが気になる方は大勢いるかと思います。
家庭やチームで体脂肪を簡単に測定できる機械と言えば、体脂肪計です。
体脂肪計はものによって精度が大きく異なるので、複数の体脂肪計で同じときに測っても数値に差が出てしまいます。
しかし、精度が低いからといって使えないかと言うとそうでもありません。
増量の場合は、体重の増加が筋肉なのか体脂肪なのかが分かれば問題ありませんの、同じ体脂肪計同じ時間帯同じ環境で継続的に測定を行えば、どちらで増量しているのかを知ることができます。
例えば、体脂肪計A、B、Cがあるとして、今日はAで測定して、明日はBで測定して、明後日はCで測定してではなく、今日から増量期間が終わるまではAでしか測定しないというような感じです。
また、体脂肪計はインピーダンス法をという身体に微弱な電気を流して、その流れる速度で筋肉や体脂肪の量を把握する方法をとっています。
身体に水分が多く、電気の流れる速度が速くなると筋肉が多いと評価され、その逆であれば体脂肪が多いと評価されます。
体水分は時間帯によっても変動するため、測定条件をある程度一定に保つために同じ時間帯に測定することが大切です。
測定条件でいうと、朝起きて測定するのか、朝起きてトイレを済まして測定するのか、はたまた朝食後なのか、部活の前なのか、夕食後、寝る前など様々なタイミングがありますので、これも統一することが大切です。

これらのポイントを知っていることで、数字に振り回されることがなくなりますので、是非お試しください。