見出し画像

アスリートの食事管理~スポーツ栄養ってなに??~

皆さん、こんにちは。
スポーツ栄養専門の管理栄養士として活動している吉村俊亮です。


今までの投稿では、選手のサポートに関しての内容や料理紹介についての内容を書いていましたが、今回はそもそも『スポーツ栄養』とは何?ということについて書いていきたいと思います。

スポーツ栄養とは

『スポーツ栄養』とは、簡単に言うと『スポーツをおこなっている人のための栄養』のことですが、もう少しきちんと言うと『活動量が通常よりも多くなっている人のための栄養』のことを指しています。

つまり、スポーツをしている人達だけではなく、仕事や趣味などでよく身体を動かし、エネルギー・栄養素の消費が通常状態よりも多くなっている全ての人が該当します。

活動量が多くなって、身体の疲労感などを感じている方は、スポーツ栄養を疲労回復に関する食事のアプローチをすると、疲労感なども感じにくくなってきます。
今回の記事では、その内容は割愛させていただきます。

アスリートの食事管理で大切なこと

画像1

前回までの記事でもアスリートの食事管理で大切なことについては書いてきましたが、今回はスポーツ栄養学的な内容になります。

アスリートの食事が一般の方の食事と違う点は、1日に摂取するエネルギー・栄養素の量が多いという点です。
アスリートによっては、一般の方の2倍、3倍のエネルギー・栄養素を摂取するケースも少なくありません。

スポーツ栄養というと、試合前日の食事や当日の食事、試合後や練習後の食事に注目されがちですが、アスリートの食事で大切なのは日々のコンディション維持・向上です。
日々の食事でしっかりとエネルギー・栄養素の摂取ができていれば、選手のコンディションが良くなります。
日々のコンディションが良いと、日々の練習の質が良くなります(練習の質が良くなるというのは、練習中のパフォーマンスが良い状態で臨めるため、その日の練習の質が良くなるということです。)。
質の良い練習を日々おこなうことによって、結果的に試合で高いパフォーマンスを出すことができます。

画像2


食事が基となり、練習やトレーニングの質が自然と上がり、試合で高いパフォーマンスを発揮できるということになります。

栄養バランスの良い食事とは

アスリートの食事は、一般の方の食事と比べてエネルギー・栄養素が多くなります。
しかし、アスリートの食事とはいえ、ベースは一般の方の食事と同じになります。
例えば、PFC比と呼ばれるもので、エネルギーに対して三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)をどれぐらいの割合摂取しているかをみるものがあります。
このPFC比を見て、三大栄養素の栄養バランスが良いかどうかを見ます。
理想的な数値は・・・

PFC比
P(たんぱく質) : 13%以上
F(脂質)    : 20~30%
C(糖質)    : 50~65%

上記を実際にエネルギーで考えると、

1,000kcalの食事の場合
たんぱく質から摂るエネルギー : 130kcal~
脂質から摂るエネルギー    : 200kcal~300kcal
糖質から摂るエネルギー    : 500kcal~650kcal

となります。
この範囲から外れてくると、三大栄養素の過不足になります。
もちろん、特別な調整方法や考えなどにより、上記のバランスからわざと変えることもありますが、基本的には上記の栄養バランスに則った食事を提供しています。

今回の内容は少し専門的な話になってしまいましたが、アスリートサポートで日々提供している食事には、美味しいだけではなく、その時アスリートに必要なエネルギー・栄養素を考えた組み合わせ・量が工夫されて盛り込まれています。
そういった目で、選手が自宅で食べている食事に注目していただけると、選手の身体の情報が食事から得られるかもしれませんよ。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。