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トレーニングによってAT値、AeT値は変化する!

以前のnoteで、有酸素性作業閾値(Aerobic Threshold:AeT値)のフィールドテストについて書きました。

そもそもAeT値とは「ここからがいわゆる有酸素運動ですよ!」という運動強度の境界線のようなものです。

対して、無酸素性作業閾値(Anaerobic Threshold:AT値)は「ここからが無酸素運動ですよ!」という運動強度の境界線。

AeT値を把握しておくことで、今走っている強度が有酸素運動なのか、強度が低すぎなのかが分かるわけです。簡単に言うと。

特にダイエット目的で走っている人には、大事な指標ですよね。

運動中に脂肪を沢山使いたい(燃焼させたい)わけですから。

もちろん、マラソンやトレイルランニングなどのレースに参加しているランナーも見逃してはならない重要指標であり、特にウルトラマラソンやウルトラトレイルを走るランナーは押さえておくと良いのではないかと!

なぜなら、AeT値を境に、主に糖質をエネルギー源として使うか、脂質を使うかが変わってくるからです。

糖質は体内に限られた量しか蓄えておくことができませんが、脂質はある程度豊富に体内にため込むことができます。

特に超長距離を走る場合は、糖質よりも脂質をエネルギーとして使った方がエネルギー補給の観点からも良いわけです。

理論上はAeT値〜AT値の強度で走ると糖質よりも脂質をメインのエネルギー源として走ることができます。

で、たまたまAeT値を判定するためのフィールドテストプロトコルを見つけたので、試しにやってみた!という流れです。

仮にフィールドテストの結果で判断すると、AeT値相当の心拍数は156bpm。

ラボテストで得たAT値相当の心拍数は172bpm。

有酸素能力が高いランナー程、AeT値、AT値に相当する心拍数は高いそうです。

さらに、AeT値、AT値はトレーニングによって変化します。

例えば、1つの実験結果を紹介すると、

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この実験結果の被験者のAeT値は約120bpm、ランニングペースは6:12分/km。LT値(乳酸性作業閾値)は160bpm、この時のペースが5:10分/km。
※ひとまずAT値とLT値は同じようなものだと思ってください。改めて解説する機会を作ります。

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同じ被験者が5ヶ月間のトレーニングによって(写真の文中にはトレーニング期間の記載はありませんが)、AeT値が約120bpm→約150bpm、6:12分/km→5:09分/kmに向上。

LT値は160bpm→165bpm、5:10分/km→4:40分/kmとなっています。

AeT値判定のためのフィールドテスト結果が今の体力レベルとマッチしているかは今のところ分かりませんが、ラボテストを含めてみていきたいなと思います!

○○閾値って、沢山あって分かりづらいと思うので、一度全て体系的にまとめる予定です。

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