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県庁DXに向け7つの重点項目を設定~全職員を網羅したDX人材育成研修を実施~

全国に先駆けてCDO(最高デジタル責任者)を公募により採用するとともに、行政のDXと社会全体のDXの両面を部局横断的に推進する組織としてデジタル社会推進局を設置した三重県。

昨年度からデジタル社会推進局が主導し、DX推進スペシャリストの養成など庁内におけるDX人材の育成やDX基盤の整備などに取り組んでいます。

今回は、三重県における「県庁DXの推進」についてデジタル社会推進局の三宅恒之局長にお伺いしました。

三重県の現状と課題

自然災害や地球温暖化、人口減少・高齢化、組織のDX担い手不足など、県職員が対応すべき課題は多様化・複雑化しています。
一方、自治体における 経営資源が大きく制約を受けることも念頭に置かなければなりません。

このため、デジタル技術を活用することで、生産性のさらなる向上を図り、社会の変化や県民のニーズに対応した、より良い行政サービスを安定的に提供する必要があると考えています。

三重県の県庁DX推進の取組

三重県が県庁DXを推進するための「めざす姿」と、それを実現するための「7つの重点項目」を2022年4月に取りまとめました。
めざす姿としては、以下の3つを掲げています。

  1. 県民サービスが変わる!

  2. 仕事の進め方が変わる!

  3. 職員の働き方が変わる!

三重県の3つの変化

これらの実現に向けて、デジタルコミュニケーションを促進するなど、県庁の仕事の進め方と職員の働き方の変革を進め、県民に対してより効果的で使いやすいサービスの提供をめざしています。

県庁DXの7つの重点項目

三重県では、2022年度から2026年度までに取り組む重点テーマとして、7つの項目を設定しています。

まず県庁DXの前提となる「人材の確保・育成」と「DX推進基盤の整備」を両輪としてしっかり取り組んでいきます。
これらに取り組みつつ「サービスのDX」と「組織のDX」の両面から県庁DXを推進していこうと考えています。

「サービスのDX」としては、「行政手続のデジタル化」と「データ連携・利活用」に取り組んでいきます。
特に、行政手続のデジタル化は「県民にデジタル の恩恵を実感してもらう」という意味で重要であると考えています。
「組織のDX」としては「デジタルコミュニケーションの推進」、「業務プロセス改革の推進」、「働き方改革の推進」に取り組んでいます。

7つの重点項目

これらの中でも、2022年度に特に力を入れているのは「DX推進基盤の整備」と「行政手続のデジタル化」、そして「人材の育成」の3つです。

DX推進基盤の整備」は2022年度から着手しています。
インターネット接続環境の見直しを行うとともに、コミュニケーション基盤、データ活用基盤、そしてそれらを支えるセキュリティ基盤の導入を図り、仕事の進め方や職員の働き方を変え、県民サービスの向上をめざしています。

行政手続のデジタル化」は県民の負担を軽減し、行政サービスの向上につながる取組であるとともに、事務の効率化に資する取組でもあります。
県民の皆さんにデジタル化の恩恵をできるだけ早く実感してもらえるように着実に取り組んでいきたいと考えています。

三重県のDX人材育成について

人材の育成」については、昨年度まで各部局のDXを牽引して いくDX推進スペシャリストの養成や、各所属のデジタルツール活用全般のサポートを行うデジタル活用推進員向けの研修、全職員向けに実施する職場内DX研修等を行ってきました。

これら従来から実施している研修の内容を充実させるとともに、2022年度は新規採用職員から新任所属長までを対象とした「階層別研修」を必須研修として新たにスタートさせています。

DX人材育成研修を提供する手法については、職員の学習ニーズの多様化や新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応の観点から、e-ラーニングを充実させることとし、Udemy Businessを昨年度から利用しています。

今後は職員の人材育成とともに「DX人材が活躍できる環境の整備」の議論を進め、DX人材がより活躍する県庁をめざしていきたいと考えています。

【三重県の取り組みについての動画事例はこちら】

※こちらの記事は2022年9月に発刊した行政DX通信vol.4を基に、一部内容を補足した記事になります。