目標はチームの解散!? DX推進チームが見据える庁内DXの未来像とUdemyが果たす役割とは?|東京都世田谷区のUdemy活用事例【中編】
東京都世田谷区では庁内のDX化・DX人材育成にUdemy Business(以下、Udemy)をご活用いただいています。Udemyでどのように学び、実践に取り組まれているか生の声をお届けすべく、世田谷区 DX推進担当課 井上さん・金澤さんへのインタビューを全3回にわたってご紹介します。
中編では、世田谷区の全庁的なDX推進の取り組みと課題、その中でUdemyが果たす役割について伺いました。
【話し手】
世田谷区 DX推進担当部 DX推進担当課
係長 井上 翔(いのうえ・しょう)さん
主任 金澤 史也(かなざわ・ふみや)さん
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もっと職員の力を引き出したい!DX推進のため環境整備に尽力
―様々な部署のDX化を支援するDX推進担当課として、世田谷区の庁内DX推進の課題はどこにあると感じていますか。
金澤:2021年にデジタル改⾰担当課が発⾜し、2022年にはDX推進担当課となり支援を進めてきていますが、まだまだ発揮できる職員のポテンシャルがあると思っています。
なかなかうまくいかない要因の⼀つには、業務で利用する端末に関する制約の多さがあると捉えています。
これまで、バーチャルデスクトップの環境だとPCのスペックを活かせずに動作が遅くなってしまったり、使えるツールが限られているなど、職員の業務が⾮効率になっている状況がありました。
職員が使⽤する端末の更新と合わせ、Microsoft Teamsなどのツールも使えるように整備を進めています。
ツールが変わることで働き⽅が変わり、選択肢が増えることでチャレンジが⽣まれ、成功体験が徐々に積みあがって職員の⾏動やマインドが変わってくれたらよいなと思っています。
―まずは環境を整えることから着手されたのですね。他にも何か注力されている取り組みはありますか。
金澤:昨年からDX⼈材の育成に取り組み始めました。
今回のMicrosoft Power BIを学んで「保育施設の空き状況サービス」をリリースしたのが良い例ですが、様々なスキルを⾝につけることで区⺠の皆さまに提供できるサービスの選択肢が増えて、職員の能⼒がより活かせるようになると思います。現状はまだ⼀部の職員の育成に留まっていますが、対象をもう少し広げて庁内への浸透が進めば、各部署のDXも⾃然に進むと考えています。
Udemyを通して、自治体職員がビジネスや最先端のスキルに触れるきっかけをつくる
―自治体のDX推進において、Udemyにどのような価値があると思いますか。
金澤:Udemyには初⼼者向けから上級者向けまで様々なレベルの講座があるので、知識量に合わせて学べるのが良いと思います。私⾃⾝、これまで初級レベルからコアな知識を使いこなせるレベルへと徐々にステップアップしてきましたが、Udemyに助けられた場⾯は何度もありました。
また、Microsoft Power BIやMicrosoft Power Appsなどのローコードツールが⾃治体でも普及し始めており、プログラミングの知識がなくても⾊々なものが簡単に作れるようになっています。こういった内製化の動きは、よりスピード感をもった行政サービスの提供に繋がるため今後も進んでいくのではと思います。
現場の職員⼀⼈ひとりがこうした専⾨知識を⾝につければ、区⺠の皆さまにより価値のあるサービスを提供できるようになるので、ローコードツールなどの最新技術が気軽に学べるUdemyは⾃治体DXにおいて有⽤だと思います。
―とても嬉しいお言葉をありがとうございます。Udemyで学習した他の職員の皆さんはどのような感想をお持ちでしょうか。
井上:Udemyを受講した若い職員の感想で驚いたのは、「Udemyを通して、巷のビジネスマンたちの仕事に対する考え⽅や進め⽅がわかった」という声です。学校を卒業してすぐに区役所に就職した職員は、民間企業の働き方や考え方に触れてきていないので、講師として話されている方の考え方や社会の動向に触れる良い機会になったのではと感じました。
そうやって⾃治体職員が民間企業のビジネスのやり⽅を学んだり、社会に⽬を向けるきっかけになったりするのは良いことです。
最近は、各部署から選出されたDX推進リーダーを対象としていたUdemy学習の間⼝を広げて、「こういう課題を解決したいからUdemyで学びたい」という職員も受講できるようにしました。
Udemyの強みは、今まさにこれを学びたいという内容をピンポイントに選んで受講できる点です。解決したいことを職員が自ら学んで乗り越えていく力が身につくのが魅力だと思いますね。
―今後、庁内のDX推進においてUdemyをどのように活用したいと思いますか。
井上:私⾃⾝もUdemyの学習が実務に⾮常に役⽴ったと感じています。業務に直接活用できる内容の講座がたくさんある中で、学習者がコンテンツの価値にどれだけ気づけるかが重要なポイントだと思っています。
現在はDX推進リーダーたちに「この講座は必ず視聴してください」と案内していますが、業務が多忙なこともあり、指定された講座を観るだけに留まり、自分のスキルアップに活用できる講座視聴につながらないこともあり、個⼈的にはすごくもったいないと感じています。
⾃分たちが業務上使っているツールについて、もっとうまく使えたり、効率化ができたりする⽅法を紹介する講座がUdemyにはたくさんありますから、「こういう講座もおすすめですよ」という形で今後も職員向けに発信を続けていく必要があると思います。
チームの目標は自分たちが「なくてもよい状態」になること
―庁内のDX化を目指して活動するDX推進担当課ですが、今後はどのような役割を担う部署でありたいと思いますか。
金澤:私が現在担当している業務改⾰グループについては、別に解散していいよねという話をよくしています。
結局、業務に精通している各所管の職員⾃⾝の⼿で業務改善やDX推進に取り組むのが⼀番いいと思うからです。
いま私たちは種をまいている段階ですが、各職員が⾃主的にDX推進できるようになれば我々は不要になり、解散できると思っています。そういった意味で、役割がない状態があるべき姿だと考えています。
―どうすれば職員のDXに対する意識を変えられると思いますか。
金澤:楽しそうに仕事をすることを個⼈としては意識しています。
先⽇、各部署のDX推進リーダーたちと話す機会があったのですが、その時に「いつも楽しそうに仕事しているね」と⾔ってもらいました。
そういう⾵に⾃分が関わった⼈から⼀緒に仕事したら楽しい、また⼀緒に仕事したいと思ってもらえたら、DXのイメージアップにもつながるかなと思って意識しています。
―金澤さんだからこそできるとても素敵なDX推進のアプローチですね。お話ありがとうございました。
【後編】につづく