【自分8/100】10歳、ん?これが初恋ってやつか
僕が好きなる人にはある特徴がある。
「あれ?この娘、もしかしたら僕のコト好きなんじゃないか」と思うと、僕はその娘のことが気になり出し好きになっていく。
大人になってもそう。
おそらく、その1番最初の出来事。
習字の授業中、半紙を途中きらしてしまい、後ろの孝之にもらおうと振り返ったその時、すっと横から半紙を持った手が伸びてきた。
隣の席のさゆりちゃんだ。
ありがとう、と受け取るとさゆりちゃんは特に何も言わなかった。
僕が孝之に半紙が欲しいと伝える前に、その手は伸びてきた。
僕が半紙をきらして、どうしようか考えている瞬間を見ていたに違いない。
いや、瞬間を見ていたのではない。きっと僕のことをずっと見ていたのだ。
そうやって、いつでも僕の気をひこうとチャンスを伺って僕のことをずっと見ていた。
さゆりちゃんは僕のことが好きなんだ。
そんな健気なさゆりちゃん、好き。
あっ、これが初恋ってやつかも。
勘違いかどうかはわからないよ、だって確かめてないから。
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