【自分11/100】10歳、社会の教科書の中に僕がいる
社会の教科書の中に僕がいた。
戦時中、貧しい暮らしをしている子供たちを写した写真。
3人写っている子供の中の1人が僕にすごく似ている。
そこのページの授業が来る前に僕は気づいた。
その写真を見て、友達の誰かが気付いたらどうしよう。小学4年生、間違いなくいじられる。
ちびまる子ちゃんでいうはまじとか、関口とか、あの手のキャラのヤツにいじられる。そこから貧乏に関わる変なあだ名をつけられるかもしれない。
その日までそわそわしていた。
その日が来た。学校休んじゃおうと思ったが、僕のいない所でこの話題があがるのは嫌だ。
僕は覚悟した。
3時間目の社会の授業、とうとうみんながそのページを見た。
「どうか気づかないでくれ」
僕より前に座っているヨシ君が振り替えって僕を見た。いや、僕を見たかはわからないが。
全力で「えっ?なに?」みたいな表情をした。
とにかく気が気でなかった。
先生、
早く次のページへいってくれ、
誰かがいじりだしたら止めてよ、
と願っていると先生が、
「この写真を見て下さい、この男の子大根をそのままかじっていますねー、、、」
と、
こらー!その写真にフォーカスするんじゃねぇと思っていると続けて、
「あれこの男の子〇〇(僕の名前)にちょっと似ていないかー?」
お前が言うんかーーーーい!!
ちょっと朝井リョウのエッセイのようなテイストで作ってみました。
オチがいまいちなのは重々承知しております。
ちなみにその後、先生は発言から1秒程度で
「さて、次のページ、、、」
とあっという間にその話題を終わらせ、これといって何もおきないという結果で終わった。
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