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起業を考えるきっかけになった既視感と違和感

こんにちは。ようた@英語コーチ&フィンテック(Fintech)アドバイザー& FP (Financial Planner)です。

このブログの読者の方ならご存知だと思うのですが、私は現在、外資系企業に勤めながら、起業準備をおこなっています。
今回の記事では、起業を考えるきっかけになった仕事をしていて、最近感じるようになった既視感と違和感について少し紹介させていただきたいと多います。

既視感(と違和感)の正体

最近仕事をしていると、その仕事の課題や結論、うまく行きそうなのか、そうではないのか、現状維持の方がいいのか、などが(短期的な結論として)見えてしまう既視感のようなものを感じることが多くなりました。しかし会社という組織の中で、これを「感覚」として通すことは出来ず、(不必要と思われる分析など)に非常に時間をかけることを求められる違和感を感じています。

私は、この違和感を感じる状況の正体は、「全く新しいと言えること」に挑戦していない(できていない)から、「組織と自分の中にある経験値の差があるから」、「私の状況察知、推測能力が相対的に優れているから」、だと考えています。

現在の毎日の仕事において、新しいことがないことはないのですが、大きな視点(英語で言うと、10,000 foot viewとかと言います)で見ると、(転職は何度かしましたが)ここ10年ほどやっている仕事はそれほど劇的には変わっていない(ラーニングすることが徐々に少なくなってきている)のかなと思います。キーワードで言うと、フィンテック、テクノロジー、プロダクトマネジメントといった感じです。

結果として、多くのプロジェクトや日々業務において、おおよその結論が見えてしまうことが往々にして増えてきた気がしています。上司や他の部門からすると、もっと分析して詳細をまとめてから結論を出してほしいということも、私からすると、(いろいろ細かく分析したとしても、少なくとも短期的には)こういう結論になるんだろうなというのが最初から見えてしまうのです。

また外資あるあるなのですが、本国やリージョナルのリーダーのローカルマーケットに対する知識が私のような人材との間で大きく乖離しているため、「まあわかるよね」「まあそうだよね」的な呼吸で進めることが非常に難しい状況が多く発生しています。

さらに、これらの察知能力は、大部分が経験値(経験の量や知識)からくる先読み能力のようなものである一方、他社と比べて相対的に私の強みの一つであるような気もしています。特に「短期的な結論や落とし所となる箇所を推測する能力」は、人よりも優れているのではないかと考えています。ただ、(後ほどもう少し詳しく記載しますが)組織にいるとこのような能力は、(私の職位では)なかなか必要とされていないのかもしれないと最近強く感じています。

経営者に求められる資質

誤解を避けるためにあえて言いますが、細かい分析や洞察が必要ではないとは一切思わないです。むしろ、ロジカルな分析や理詰めの戦略の方が成功確率が高いことには100%賛成します。(私と仕事をしたことがある人は、私が比較的ロジカルに話す人間であることには納得いただけるかと思います)

ここでのポイントは、どのような時にロジカルな判断が必要で、どのような時は経験値や結論察知(推測)能力による判断をすべきか、(もしくは第3、第4の選択肢を取るべきか)の判断を誰が行うのかということかもしれません。少なくとも、今の私の立場、職位では、(正しいと思われる判断を)個人的な推測能力などで行う権限も信頼もなさそうです😂。

一方、経営者の視点で求められる資質を考えてみると、3年後や5年後にどのような社会課題が存在していて、どのようなトレンドが発生していて、どのような社会(消費者)ニーズが台頭しているのかなどを適切に察知(推測)する能力が必須だと考えています。日々の業務における察知能力と、世の中のトレンドの察知能力には少しレベルの差はあるかもしれませんが、よりハイレベル(複雑)な判断を行うことは、「自分で考えて自分で判断して、自分で軌道修正するということの延長でしか鍛えられない」のではないかと思います。つまり、私が、「自分には、結論の察知(推測)能力」があると思うのであれば、その判断をしてみて、リスクを取り、結果どうなったのか、必要に応じて(小さい)失敗を積み上げていくしかないとかと考えています。

(現実に、私がこれまで、「短期的に」推測した結論を、数ヶ月かけて議論、分析した結果、結論が全く変わらないという事例=私の推察能力が正しかったという事例は数多くあります)

例えば、ソフトバンクの孫さんは、スマホが世の中の携帯電話を置き換えることを15年ほど前に予見し実際その通りになりました。当時の消費者の声も各種資料などもスマホでこれほど多くの人がインターネットにつながることを推測できていませんでしたが、経営者には(取り扱う事象のレベルの差こそあれ)このような世の中のトレンドや結論を適切に読み切る力が必要とされていると信じています。

このような経験から、答えが既に見えている「既視感」に対して、(余計と思われる)分析を長々と行い、結論が同じになることに「違和感」を非常に感じる結果となっています。

(外資系)企業でのキャリア形成の難しさ

外資系企業では、多くの場合、スペシャリストとなるキャリアが一般的です。そのため、例えば、プロダクトマネジメントというような領域で一流になることで報酬を得るのですが、そこから先のキャリアについては難しさを感じています。(自分のキャリアなんだから自分で作るべきという正論は一旦置いておきます😄)

特定の職種で一流になった先には、以下の二つの選択肢が大きく用意されています。

1)それらの専門領域をさらに極める
2)それらの専門領域において部門を統括するマネージャーになる

1)それらの専門領域をさらに極める

私のこれまでのキャリアはどちらかというとこちらでした。専門領域を更に極めていくという選択肢はもちろんあるのですが、上述した「既視感」と「違和感」にどう対処していくのかについて答えを出す必要があります。

2)それらの専門領域において部門を統括するマネージャーになる

日本企業においては、この延長が経営(人材)につながるのだと思います。課長になり、部長になり、部下を統括しながら、結果を出すことできれば、役員までの道も開かれるかもしれません。ただ、これができる人は外資系企業においては、ものすごい競争を勝ち抜かなければいけません。相手は、アメリカ人、インド人、中国人をはじめ、世界のスーパーエリートたちです。残念ながら、私には(現時点で)彼らと英語を駆使して競争をする能力は十分にないのかなと思っています。

外資系(一流)企業の報酬や福利厚生は非常に高いです。日本企業のように部長にならなくても、プレーヤーとして専門領域を磨いていけば、(数千万レベルの)高い報酬を得ることは十分に可能です。ただ、報酬という魅力的な点を一旦考慮から外すと、経営(人材)につながるキャリアを構築することは非常に難しいのかなと感じます。

経営をやりたいなら。

このような「違和感」を感じる状況で、経営を行いたいなら、残された選択肢は二つしかありません。

A)スタートアップに役員に近いレベルで転職する
B)起業する

私は、年齢、貯蓄、何より「自分の人生において、より多くの判断をして自分の人生を生きたい」欲求にかられており、現時点ではB)を選択しています。(Aも創業者に寄り添い、切磋琢磨できる環境次第では検討するべきと思いますが、これはすぐには見つかるものではないですよね。。)

(私が自己評価している)私の強みである「物事の結論を(短期的に)察知、推測する能力」を自己評価ではなく、結果としてデリバーする(もしくはリスクテイクしてリターンを得る)のに最適な方法が現時点では「起業ではないか」と考え、起業準備をしている次第です。

まとめ

今回の記事では、現在の会社の中で感じている「既視感」と「違和感」についてまとめてみました。転職を考えているときなどに感じる違和感に近い部分もあるかと思いますが、人生のステージ(年齢など)によっては、起業を考えるきっかけにもなる可能性があるかと思います。(私のように)外資系企業においては、一定の人生のステージを越えると、報酬以外の「働きがい」を見つけることも難しくなることもあるでしょう。

皆さんのキャリアの選択肢を考える一つの参考になれば幸いです。


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