夢が叶わない理由

｢今まで夢に付き合ってくれただけ感謝しなきゃいけないんだよね｣

余程心を抉られないと、君からこんな言葉が出ないことを知ってる僕は
胸が締め付けられる思いだった。

そうだよね。今回は、そのレベルの事件だ。
こんな君をみるのは、本当に久しぶりだった。
もう見ることなどないだろうな、と勝手に思ってた僕も僕だけど。

そうだね、と言いかけたけど、ふっ、と微笑むだけで止めておいた。

僕は、君に諦めてほしくなかったから。
僕のエゴだとしても、君はそういう人じゃないし
それは本心じゃないと思うから。君が後悔するだろうことも知ってるから。

活発なチームを創ると言ってよ。
楽しい空間を創ると言ってよ。
みんなが過ごしやすい居場所にするんだって、言おうよ。

僕思うんだよ、
"夢"だから叶わないんじゃないかなって。

珍しく弱気な君の発言に、僕は言いかけたけど

今じゃないな、とも察した。
君の気持ちも痛いほど分かるから、時間をおいて伝えることにした。

でも、夢なら、見るのやめようよ。
夢は所詮、夢でしかなくて、夢で終わるよ。

同じベクトルを持つ仲間と、活発な組織を。
たまにぶつかっても、嘘なく、逃げず、目的を達成するために本音をぶつけ合えるチームを。
僕も一緒だから、創ろうよ。

正論じゃないかもしれないけど、僕思ったんだ。
僕は、君のいう夢を、夢レベルのものでは終わらせるつもりはない。

君が本気で実現に踏み出すなら、僕も本気で走り続ける。
君が諦めそうになるなら、正面切って真意を問いただす。

君がそう簡単に諦める人間じゃないって、僕は知ってるから。
今までだってそうだったじゃないか。

僕は、そんな君のことが好きで、尊敬できて、
絶対裏切らないと決めて、今日まで一緒に歩いてきたんだ。

僕を甘くみるなよ。

君が僕を救い出してくれたように、僕が君を、高みへと連れてく。

敢えて言おう、僕には夢がない。
でも、人生を賭けて実現すべきことはある。
君が持つその"夢"を、必ず現実にすることだ。