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僕は難民の気持ちがわかるんですよ。

今日から、実家のある福島にきている。
カフェスローで福島のイベントをすることが決まり、広報出したり、いろいろな方と連絡を取るうちに、自分はどうしたいのかを問われていると感じている。


実家に着いて、母のそばにいると、空気が混じり合うのに少し時間がかかる。


そんな中、ふと、「この母という女性が、福島の野菜をほとんど食べないで遠いところから野菜を買ったり送ってもらってきたのは、それは母のわがままで、悪いことで、母に責任があることなんだろうか?」と、ふと心の中で向き合ってみる。もちろん、より安全と信じられる野菜を食べることを、誰にも責めることはできないし、それはもちろんわかっているんだけど。

彼女にとってのふるさとは、どこにあるんだろう?
あの街角だ。
そこで生まれて、そして福島にお嫁に来た一人の女性の人生。
壮絶な・・・人生のあんこ部分を終えて、楽しんでいるところに起きた、地震と原発事故。もっと孫たちと楽しみたいから、元気でいたいと願って、入手して来た、安全な水、安全な食べ物。すばらしい出逢い。

原発は福島のための電気は作っていない。

そうだよね。



こんなことを、もう一度感じるために。
心の真ん中で感じるために、私はきっと、この連休にここに導かれたんだ。



新幹線に乗ってから、日付をみると2月9日で、「あぁ、2月は縁深いと感じる人たちが生まれた月なんだよね。」と、幾人かの方々の顔が思い浮かぶ。
そのほとんどは、2004年までに出会った人たち。姉、熊本に住む女の子、エルサルバドルにいるクレイジーな元彼、どこかの難民キャンプのために、どこかの国際機関で活躍しているであろう、素敵な先輩。

共通して言えるのは、感性がすごい。ってこと。みんなクレイジー。

姉以外は、おめでとう、と連絡を取ることはもうしない間柄なんだけれど、それでもつながっている感覚が、ある。

***

息子と一緒に眠っていたら、夢に、その中の一人。先輩が出てきた。
国際協力なんて意味がないから、絶対に青年海外協力隊になんてならない。と決めていた私を、まさに協力隊としてエルサルバドルまで呼び出してしまった人だ。

その人のご実家に出国前に泊めていただいた夜を思い出す。
お母様がいて、少し認知症のあるおばあさまがいて、大きいお家で、がらんとしていて、寒くて。でもここなら、優秀な方が育っただろうという雰囲気が感じられた。

そこで彼が話したことを、ふと思い出す。

「僕はあまり長時間母と一緒にいない方がいいんです。」
「僕は一度行ったところには何度か通うんです。」

そして

「僕は難民の気持ちがわかる。」
国境を超えて、たくさんのところで学んだり、インターンをしたり、ボランティアをしたり、プロジェクトをしたり・・・転々としてきているから。

***

夢の中で、彼は私にプレゼントをくれた。
赤い大きな袋に緑のリボン。
開けてみると、中には二枚の大きな布。
一枚はキルトの大判のベッドカバー。
もう一枚はなんだったかな。
とにかく、会えて嬉しかった。

***

今回、福島のイベントをやることになって、「ふるさと」というキーワードがあって、それに向けて自分と向き合う中で、「自分のふるさととは、いったいどこなんだろうか?」と問うている。そして、みんなにとってのふるさと、とは、どこなんだろうか?と。

答えはこれです。と言ってしまう。提示してしまうのは、簡単かもしれないけれど、それをもう一度丁寧に洗い出す作業って、愛おしい気がする。

私もこの人生の中でたくさん惑って、たくさん引っ越して、たくさんやめて、たくさんはじめて、たくさん出会って、たくさん別れてきた。
そしてまた出会っている。

今、心には、ふるさとの原景がはっきりとある。
どんな形で、どんな温度で、どんな匂いか、ちゃんと思い出せるものだ。


それを一番思い出させてくれるのは、一緒に眠る時の、息子のぬくもりなんだ。

難民と言われる人々には、どんなふるさとが見えているんだろう。


そして、難民と言われていないけれど、誰しも、難民的要素って、あるのが現代なんじゃないかなって。私は思う。

***

そういえば、実家も、どんどん私たちの荷物が引き上げられて、とてもがらんとしていて、あの日の夜のように、寒い。


子供達が巣立った後の実家の、からっぽで、がらんどうで、ひんやりした感じ。

そんな空洞は、、、冷たさ、寂しさは、私の心の中にもあって。

それを、もう一度、笑い声や、ぬくもりや、美味しいご飯の湯気や、息の切れる感じとか、そこに流し込む冷たくてあまい水の感じとかで、いっぱいに満たしたいのかもしれない。

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