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不登校を選んだ発達凸凹息子の漢字学習記録前編

小1秋に不登校を選んだ発達凸凹な息子は、この春小学3年生になった。現在はホームエデュケーションを選び、日々彼らしい毎日を送っている。
今回はわが家の机で行う学習についての記録です。

息子は書字が苦手だ。書字への苦痛は不登校を選ぶに至った一つの要因でもある。(医師によると困難さはあるが、書字障害と診断できるほどではないらしい)
本人に学習意欲はあるので家庭学習をしているが、書字に関してはとにかくゆっくり。無理はせず本人の発達にまかせて進めていくことに決めた。

書字の力がゆっくり発達している息子。学習全般を書字能力に合わせると、本人が学びたいと思う内容にたどりつけない。
そこで「書くこと」を目的としない学習に関しては、書字を重視せず進めることにしている。幸い数字を書くことは大丈夫なようで、算数はぼちぼち進み、理科や社会は書字も少ない上に、もともと興味も強いので苦痛に感じてはいない様子。書字が必須に感じる国語も、文章読解問題などでの10~20文字程度の書きであればできるようになってきており(スローステップで本当に1文字ずつ増やしてきて今がある!)本を読むことが好きだからか言葉に関する学習も何とかこなせている(書くことも少なめ)長文は書けないので、タブレットの音声入力を使って取り組んでいる。

そんな中、苦労しているのが漢字だ。息子なりに頑張ろうとする様子は見られる、しかし書くことがとにかく難しい。正確に表現すると、漢字の読みはスムーズに記憶できるが思い出しながら正確に漢字を書くことができないのだ。
当然、自分から漢字を「使う」ことも難しい(息子の名誉のために書いておくと、最近は漢数字は使えるようになってきた!)
小学校での漢字学習は基本的には漢字ノートに繰り返し「書く」という学び方をするが、書字への苦手意識の強い息子にとって書いて覚えることはかなり難しい。この件は私も悩みに悩んで、書字が苦手な子の漢字学習に良いアプローチ方法がないかと学校にも何度か相談したが、担任の先生達も補助の先生達も教頭先生も校長先生からも、口をそろえて「漢字は書いて覚えるしかない」という回答をもらった・・・


そう言われたってできないものはできないのだ。試しに無理強いして書かせることもやってみたが、泣いてわめいてキレながら、頑張って同じ漢字を10個くらい書いてもらっても、面白いほど記憶できない。
あんなにも頑張ったのに記憶できない。それならその方法は合っていないのとしか言いようがない。頑張って書けば覚えられるなんて精神論はいらない。頑張ってるよ、泣きながらキレながら書いてるんだから。無理なものは無理。合っていないものは合っていない。私自身漢字を書いて覚えるタイプではなかったので、書くしかないという意見にはどうにも納得できない部分もあった。だが、私と息子に合う方法はおそらく違う。書かずに覚えるにしてもなにかしらその人に合う方法があるのだろう。そこでまずは息子を知るしかないというわけで、息子の観察分析に力を入れてみたのだ。


息子の様子を観察してみると、本来漢字に意識を向けて欲しい学習なのに、「書く」を強制するとそれだけで力を使い果たして疲弊している。3個書かせても、1文字ずつ微妙に点が足りたり線が足らなかったりしている。
そんな状態で漢字を記憶することは無理だ。
更に初見の漢字と、過去に本などで見たことのある漢字では覚える速度が違っている。初見の漢字はもれなく苦手な漢字の仲間入りだ。
また、書き順まで意識させると見事に何を書こうとしていたのかわからなくなるし、印象に残った部分から書いていたり、横棒が多い、または少ないことも多々あった。おそらく頭の中にぼんやりと全体像のイメージはあるものの、細かい部分の認識が難しいのかもしれない。なぞり書きも挑戦したが、受動的な作業になるようで見事に記憶に残らない。

漢字学習の目的は、あくまでも漢字を知ることだ。それなら疲弊する「書く」は記憶したかどうかの確認にのみ使うことにした。
鉛筆で書くと、運筆や線の太さや濃度、間違ったときに消すことも苦手なので、その負担を省くためにタブレットに指で書くことにした。タブレットなら鉛筆を使う難しさが軽減できるうえ、消す作業も簡単。
その上サイズはタブレットいっぱいにでかでかと書く。こうすることで、細かい部分も意識せざるを得ない。(時々趣向を変えて筆ペンやマジック、水筆やホワイトボードも使い飽きさせない工夫)
↓のアプリにはお世話になりました。(どっちもandroid版もあります)

更に初見を嫌がるので、読みの単語カードを作り読みを先行して学ぶことにもした。読みだけ学ぶのなら口頭での受け答えで学べるので拒否感なし。
また、息子は小さいころからブロックが好きだ。そんな彼に漢字はブロックのように同じ部品の組み合わせでできている事が伝われば、苦手意識が大きく軽減できるだろうという確信もあった。そこで部首名をまず意識して伝えることにした。
同じ部首の漢字をまとめて目にしていくことで、部首がもつ意味合いやイメージを落とし込んでいきたかった。この工程にはくもん出版の「漢字にぐーんと強くなる」シリーズに助けられた。教科書に載っている順に並んでいる学校教材とは違い、部首ごとに漢字がグループ分けされているのでいくらかイメージに残りやすい様子だった。

そんなこんなでひたすら試行錯誤して、なんとか小学二年生まではまぁまぁ記憶できたようだ。それでも気を抜くと抜け落ちてしまうのでまだまだ気は抜けない。そしていよいよ、漢字の難易度が上がる3年生。3年生は画数の多い漢字、複雑な漢字が増えるし、個数も多い。
再び息子の漢字学習に暗雲が立ち込めてきたのだ・・・。

不登校を選んだ発達凸凹息子の漢字学習記録後編へ続く


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