不登校中に学校や先生に求めることは何ですか?
先日、Instagramの方でリクエストを募集したところ、不登校中に小学校や先生に求めていることは何ですか?というなかなか難しい質問をいただきました。しばらく真面目に考えてみて、なんだか長文になりそうだったのでnoteで答えることにしてみました。興味があれば、どうぞ読んでやってください。
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「不登校中に学校や先生に求めることは何ですか?」この質問の答えはきっと、不登校の子一人一人違うのはもちろん、子どもと親であっても異なるのだろうと思います。だから、私はむっくんの母として自分の気持ちをお話してみます。
息子は何か大きなきっかけがあって不登校を選んだわけではなく、息子にとって毎日集団生活を送ることが苦痛を伴うため、集団生活重視の学校ではなく、別の道を自分の意志で選んだのだと私は思っています。
行きたいのに、行けないわけではない、ただ学校というシステムが現在の息子に合わないだけで、学校が悪いわけでも、息子が悪いわけでもありません。そういうものだっただけ、という認識を私は持っています。
もし、今後息子のような選択をする子どものために、変化が必要だとしたら、現在の学校システムとは違う、様々なシステムを取り入れた教育の場が作られ、それを自分の意志で選べるようになることで、それは現在の学校が行わねばならないことではないと考えています。
息子には合いませんでしたが、その一方で現在の集団生活のシステムが合う子もたくさんいて、それが必要な子どもたちも居ます。だから学校は持っている力をそれを必要とする子ども達のために使って下されば、それでよいと私は思っています。息子が望みさえすれば、いつでも選ぶことが出来る学校という場所が、変わらずそこにあるだけで私には十分です。
次に、行かないからと言って縁が切れるわけではない担任の先生方との関わりを考えてみた時、私には先生にしてほしいことも、してほしくないことも、具体的には何とも言えないというのが正直なところです。だから、先生は先生の思うように息子と関わって下されば、それでいいのかなと思っています。
息子が自分で選んだ不登校ですが、不登校初期は息子なりに色々な思いを抱えていて、周囲の大人が足並みをそろえ心の傷口に塩を塗らないような関わりが必要な時期もありました。しかし今では、傷もある程度癒えて、心も体も健康に日々生き生きと息子らしく過ごしています。
そんな今、私は息子が様々な大人を見て、様々な生き方があることを知り、様々な経験をして、様々な気持ちを感じ、様々な価値観に触れ、様々な事に興味を持ち、目の前にあるたくさんの選択肢を知ることを大切にしたいと思っています。
そのためには息子に関わるたくさんの大人たちが、それぞれ思うように自由に関わりを持つことが必要だと考えています。仮に私の意図しない関わりであったとしても、息子が傷つくことがあったとしても、そこからの学びが将来本人の糧になることだってあるかもしれません。
私は親なので、どうしても息子を守ろう、守ろうと考えてしまいます。だけど、それが必ずしも正解だとは言えないとも思うのです。ああしてほしい、こうしてほしいと周囲の人に思いを託すという事は、所詮私のフィルターを通した世界しか息子に見せてやれないという事です。
息子は敏感で傷つきやすい子ですので、私のフィルターを通さない世界では今はまだ傷を負うこともあるかもしれません。
だけど、その時は私が本人の安全基地として機能したいと思っています。本人の心のバランスが崩れたら、周囲の協力を仰ぎその都度調整していこうとも思っています。先生の対応に困ったときは困ったと、無理なものは無理だと、はっきりお伝えしますので、どうか安心して思うように関わっていただけたら私は嬉しく思います。
そしてその前提として、私の想いをひとつ伝えさせてください。
息子には自閉スペクトラム症という診断がおりています。わかりやすく言い換えると、他者と関係を築く力が生まれ持って弱いという特性です。
息子はこの課題とこの先も向き合いながら生きていくことになるでしょう。
だけど今、息子は人が好きです。他者が好きです。他者と関わることが好きです。苦手だけど、好きなのです。
どうあっても人は一人では生きていけません。一人で生きているつもりでも、必ずいつも誰かと繋がり、誰かが作り出したものを使い、誰かを助け、助けられ、誰かと関わりながら生きています。
その中で、「他者を好きでいること」さえ出来れば、関係を築くことが苦手でも何らかの道が開かれるような。そんな気がするのです。
だから、先生には一人の魅力的な他者として息子の前に存在してもらえたら嬉しいなぁと思っています。不登校中であっても、先生は息子が深くかかわる事の出来る数少ない大人だから、一人の人間として魅力ある姿を息子に見せてやってください。
だけど、先生と息子が関わっていられる時間は息子の人生の中のほんの一瞬でとても短い。その間に先生の努力に対するわかりやすい「結果」が見えることはないと思います。やりがいを得られるかもわかりません。不完全燃焼なまま「縁」が切れることもあるでしょう。
そうだとしても、この先息子が人生に大きな影響を与える「誰か」に出会える日が来るまで。息子が他者を好きだと思えるバトンを絶やさず次の方に渡し続けて欲しいと思っています。それは親の私だけではできないことなのです。
息子はいつか、かけがえのない誰かに出会い、刺激を受け、学び、自分の人生を歩んでいきます。その誰かに出会えた時、息子が何の憂いもなく、相手を愛し、信頼できることを、私は心から望んでいます。
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