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お兄ちゃんは不登校。弟からの「行きたくない」

わが家の小2の息子は小1で不登校を選んだ。そんな彼には現在5歳、園の年中組の弟がいる。今日はその弟の話。

「なんで、にーにはずっと家にいていいの?おれもずっと家にいたい。今日行きたくない、小学校にも行きたくない」
朝の園への支度中、突然弟がそういった。

一応兄の不登校については最初から全て話してある。弟くんだって辛い時は休むことができるとも伝えてある。それでも園が楽しいからと通っていた弟のこの発言。まぁちょっとコロナで休園もありリズムが崩れていた時期ではあったのだが・・・
どう答えるかとしばし沈黙。すると兄がやってきて答える。

「おれは楽しくないからいかない。でも楽しいか楽しくないかは行ってみないとわからないから、学校はちょっとだけどんなとこか行って、それから行くか行かないか決めたらいいよ。オレはそうしたから」

なかなか言うじゃないか。先輩風ふかせおって(笑)

その場は兄に任せて、弟と二人になれたタイミングで話をする。
前提として、弟は特に集団生活でのトラブルや困難さは抱えていない。社交的で、気持ちを言葉にするのもうまい。手先も器用だし、運動もそこそこ。更に3年連続同じ先生(すてきな方)が担任で、小さなころからどういう子かどんなふうに成長してきたのか理解してもらえている。お友達もたくさん、その上モテる(笑)クラスのリーダー。ただ、偏食気味なので給食が辛い日があるのと、お昼寝が眠れなくてしんどいと訴えることあり。

「弟くんは園に行きたくないの?」
「お家に居たい」
「お家に居たいんだ。園は楽しくない?」
「ううん、楽しい。」
「楽しいんだね。でもお家がいいの?」
「園も好き。でも時々疲れてお家で休みたいなーって思うんだよ」
「そうか~。そうだよねぇ」

弟くんの言うとおりだ、どれだけ楽しくても充実してても休みたい日があるのは当たりまえだ。なるほどそれなら疲れた日は休むとして、では休むためにはどうするかという判断力をつけてみたら、将来役に立つかもしれないと思い提案してみる。

「君の気持ちがよくわかったよ、ありがとう。休みたい日は休めばいいってお母さん思うよ」
「じゃあ今日休む!」
「だけど、今日はお母さんでかけなきゃいけない。にーには一人でお留守番できるけど、君が休む日はお母さん家に居なきゃいけない。今日のところは行って欲しいかな」
「(しょぼん・・・)」
「君も、園にどうしても行きたい日もあるよね?ひなまつり会は?」
「行く!あとお別れ会も行く!おやつがゼリーの日も行く!」
「じゃあ、君の予定を確認して、お母さんの予定とうまく合わせて、いつ休むか、前から一緒に決めておくのはどう?」
「うん!そうする!」

まずは週に一日「元気休みの日」を作る事にした。弟はもともと、日付や予定を理解記憶することが得意で、カレンダーを読む力もある。そこで園から事前に知らされているイベントを弟のカレンダーに一か月分記入。更に私の予定、兄の予定も書きこんで、休みやすい日がわかりやすくなる工夫をした。
弟は園の先生に今週の活動予定を自分で確認すると言う。そのためにこの日は納得して登園していった。

帰宅後、弟は園での活動内容も考えた上で休む日を自分で決めた。今週は火曜日にするそうで、年度末のイベントごとをかいくぐって、自分にも家族にも何の予定も入っていない日だった。

そしていよいよ弟が自分で決めた休日の日。
今日は休むって決めてたんだよ!と、少し誇らしそうに休日を過ごす弟。
更ににやりと笑ってこんなことも言う。
「今日休むから、昨日のうちに今日描かなきゃな絵も、全部描いてきたの!今日はおれにはやることなんにもないんだよ!」

たいしたもんだなーと思う。担任の先生がわが家のやり方を理解してくれているからだとも言えるけど。後から先生に聞いた話では、弟くんは先生に休む予定であること、だからその日の課題は終えておきたいと自分で伝えて活動に取り組んでいたらしい。

自分の体調を考え、予定を考えて、やるべきことはできる時に終わらせて、周囲に伝え、周囲と折り合いをつけて、安心して有休を使う。そのまんま社会人でも通用するスキルだ。大人の言う事を鵜呑みにして、指示されるまま生きていた5歳の私には絶対にできなかったことだ。

自分と向き合い、学校へ行かない選択をした兄。
自分と向き合い、折り合いをつけながら園へ通う弟。
どちらも自分で考えて、自分で選択し、自分で決断できる私の自慢の息子たちだ。

兄は園も行きたくないとよく言った。週に一度の「元気休み」は兄の時にも使った手だ。だけど、休日は週の真ん中水曜日と私が勝手に決めていた。
「行きたくない」欲求から、自分で折り合いをつけて考えていく。
「行きたくない」欲求から、学べることもたくさんある。

もしもそのことに私がもっと早く気付けていたら、今の兄は何か違っただろうか?と考えてみて。いや、やっぱり同じ結論を出しただろうと思い至る。
だけど兄とのこれまでがあるから、弟へ柔軟に対応できる。
私もけっこう成長しているのかもしれないと少しだけほくそ笑んでみた。



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