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ハイブリッド車とガソリン車のコスト差

【はじめに】

ハイブリッド車は燃費が良いです。
このため経済的に優れていると思われていますが、正しく検証している例がなかなかありません。

ハイブリッドカーを買うと損する?
ハイブリッドカーを買わないと損する?

どちら側にもイメージが先行しています。

詳しく検証して確認したいと思います。


【比較方法】

車は車両本体も高いですが、ランニングコストも高いです。

購入してから売却するまでの全ての費用を合算することで違いが見えてきます。


【比較車両の選定】

本来はハイブリッド車の代名詞プリウスで比較を行いたいところですが、ハイブリッド専用車のため別の車両を使います。

コンベンショナルな非ハイブリッド車(以下コンベ車)との比較が行えないため、似た車格の同社オーリスで比較を行います。

オーリスのパワートレインラインナップは以下です。
1.8リッターハイブリッド FF
1.2リッターターボCVT FF
1.8リッターNA MT FF
1.8リッターNA CVT FF
1.5リッターNA CVT 4WD

ハイブリッド車との比較をどれにするか?ですが、ハイブリッドが1.8リッターのモデルしかないので1.8リッターCVTとします。

ホイールなどの装備面でも近いです。


【前提】

〈使用年数〉

近年の平均使用年数13年で試算します。

この平均使用年数ぶんだけ税金を払いますし、走行もします。

昔は10年が相場だったんですが、近年は経済の落ち込みや自動車の耐久性の向上で13年が平均です。

平均ということは事故などで天寿を全うできなかった車も含むので、トラブルが無ければもっと長いはずです。

出典 自動車検査登録情報協会 主な車種の平均使用年数
https://www.airia.or.jp/publish/statistics/ao1lkc00000000z4-att/03_siyonensu.pdf


〈年間走行距離〉

10,000km/年が昔から言われています。

特に根拠も無いですが、否定する根拠も無いのでこのまま10,000km/年とします。


【購入時の費用】

ハイブリッドの価格は2,620,473円
180Sの価格は2,376,000円

その価格差は約24万円ほど。


【エコカー減税】

ハイブリッド車は補助金(エコカー減税)が付きます。

購入時の自動車取得税、自動車重量税が免税(0円)
翌年度の自動車税が75%減税(10,000円)
初回車検時の自動車重量税が免税(0円)
2回目の車検時の自動車重量税が本則税率(15,000円)

合計で約12万円ほど差額が埋まります。


【税金】

自動車税と重量税がかかってきます。

自動車の税金についてはこちら

自動車税は排気量は同じ区分のため同額の39,500円/年です。

重量税も同じ区分で同額の24,600円/2年です。


【燃費】

ランニングコストの代表は燃費です。

メーカーの試算ではJC08モードでの試算になる場合が多いので正直言って当てになりません。

実燃費で見ると、
ハイブリッドが20.81km/L
コンベ車が14.05km/L

出典:e燃費 オーリス実燃費
https://e-nenpi.com/enenpi/carname/1166

燃料は双方ともレギュラーガソリンで¥122.7で見積もります。

出典:e燃費 ガソリン価格
https://e-nenpi.com/?utm_source=gnav

年間1万キロ走行で
ハイブリッド車が¥58,962
コンべ車が¥87,331
差額は約¥28,000


【自賠責保険料】

自賠責保険料は更新されますが、将来のことは分からないので、今年の前提です。

ハイブリッド車もコンべ車も乗用車という枠で変わりません。

購入時 ¥36,780
車検時 ¥27,840


【自動車保険料】

自動車保険もオーリスという車のくくりでは変わりません。

価格.comで出てきた適当なもの(¥48,900)を試算に使います。

出典:価格.com オーリス 30代女性ゴールド免許(18等級)車両保険一般
http://kakaku.com/item/70100110608/hoken/


【メンテナンス費用】

今はメンテナンスパックを各社用意しているので、メンテナンス費用の試算がやりやすいです。

オイル交換も車検のための整備費用も含まれています。
(税金などは別)

オーリスはコンパクトカー区分で安いです。

初回3年 ¥78,000
車検ごと2年 ¥64,000

出典:ネッツトヨタ愛知
https://www.netzaichi.co.jp/afterservice/maintenance.html


〈タイヤ代〉

重量の違いはタイヤ代に変わります。

ハイブリッド車が約1390kg、同じクラスのコンベ車が1280kgと約100kgほど違います。

タイヤに関しては100kgぶんの増加した負荷がかかります。

しかし、ブレーキに関してはハイブリッド車のほうが回生ブレーキがの分だけ、ブレーキパッドの寿命が長い傾向です。

試算には相殺される前提で、同じ銘柄のタイヤを5年交換とします。

ハイブリッド車もコンベ車も205/55R16の同サイズ

価格.comで出てきたミシュランパイロットプライマシーが9700円/本だったのでこれで試算します。

出典:価格.com 205/55/R16
http://kakaku.com/car_goods/tire/itemlist.aspx?pdf_Spec201=16&pdf_Spec202=205&pdf_Spec203=55


〈ハイブリッド車の電池について〉

ハイブリッド車の電池にも寿命があります。

初代プリウスが出たときには数年で寿命を迎えたそうですが、最近の車はバッテリーマネジメントが優れているので車体と同じくらいの寿命があるようです。

よって、無交換を前提にします。


〈補機用バッテリー代〉

ハイブリッド車とコンべ車で積んでいるバッテリーに違いがあります。

3年交換前提で試算します。

ハイブリッド車 S34B20L ¥27,538
コンベ車 46B24L ¥7,990

出典:オートバックス
https://www.autobacs.com/shop/g/g4905388208481
https://www.autobacs.com/shop/g/g4562180587949


【リセールバリュー】

10年10万キロを超える試算なので、値段はほとんどつきません。


【コンベ車のコスト】


【ハイブリッド車のコスト】


【総合比較】

5年目で逆転することが分かります。


【あとがき】

5年目での逆転は想像より早いですね。

やはりエコカー減税が効いていると思います。

ハイブリッドカーも進化してきていて、コストも安くなり、重量も軽くなり、バッテリーの持ちが良いのも要因ですね。


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