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デジタル時代に生きる若者たちへ 〜『3年A組 ー今から皆さんは、人質ですー』〜

   主演は菅田将暉。学校の先生を演じる菅田将暉を観るだけでも一見の価値があるぐらいだ。とても楽しそうに演じているのがとっても良い。相変わらず菅田将暉の演技力の高さには圧倒されてしまった。本当に何をやらしてもピカイチな俳優であるなあ。さすがは菅田将暉である。

   放送当時は『告白』、『悪の教典』のような話になっていくのか?と予想されていたが、その予想は見事に覆され、先が読めない展開にハラハラドキドキさせられる作品になっていったのが面白い。

   はじめはストーリーにまったく期待していなかったのだが、観ているうちに予想外の展開の連続にだんだんと面白くなってきたのだ。いつの間にか自分の中で見逃せないドラマの1つになっていき、存分に楽しませてもらった。

『3年A組 ー今から皆さんは、人質ですー』(2019)

                     脚本 : 武藤将吾

                     「Let’s think!」

本作の魅力

   本作は展開を予想することが難しい作品であった。放送当時、ダークホース的存在のドラマだったんじゃないか。こんなに面白いストーリー展開になるとは思ってもみなかった。非常に後を引く展開が毎回秀逸であったのだ。次回が毎回とても気になる終わり方に仕上がっていたのである。毎回変わるエンディングの写真も見所の一つであった。

   突拍子もない設定に最初は驚くかもしれない。
だが、柊先生による「俺の授業」を受けていくうちに、観ている者はこの作品に対する捉え方が徐々に変わっていくはずだ。

   また本作は、菅田将暉がかつて出演していた仮面ライダーのオマージュ的なシーンもあり、その頃からのファンにとってはニヤリとする展開が待っている。特撮好きは、テンションが上がること間違いない。特撮好きからすると、かなり熱い展開が待ち受けているのだ。私も小さい頃から特撮を見ておけば良かったなあと思ってしまったほど羨ましい展開であった。

私の1番印象に残っている場面

   私が本作で1番印象に残っているのは、ネット民に向けての柊先生からの熱いメッセージだ。この場面での菅田将暉の演技は、最終回に相応しいほどの熱演であり、ダイレクトに視聴者の心に響く。

   警察も裁くことができないネットでの匿名の書き込み。この書き込みが悪意に満ちたナイフとなって、人々の心を傷つけてしまうことが実際にある。

   本作を観た人の中で、SNSでコメントする前に「この言葉は誰かを傷つけてはいないか?」と確認する人たちが少しでも増えればいいなあ。

   「自分で考える力」。この力は義務教育や学校教育では教えてくれない力だ。この力を学校の先生が、本作のように生徒に向けて教える。こういった教育環境を整えていくのが今の時代必要になってくるのではないか。社会に出てから身につけるにはあまりにも遅すぎるはずだ。

最後に

   人はそう簡単には変わらない。だからこそ、良い習慣というものを若いときから身につけておくといい。

   いやあ、この作品は実写ドラマの中でも斬新な作品であった。まさかネット民に向かって熱い祈りを送る現代の金八先生の姿を見ることができるなんて。

   なんと3年A組の授業内容は、金八先生と同じジャンルであったのだ。この展開を一体誰が予想できたであろうか。最初から最後まで楽しませてもらった。賛否両論を劇中でも現実でも巻き起こした本作には、賞賛を送りたい。

   本当に楽しませてもらった。ありがとう!

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