コトバノクズカゴ:はじめに

 片田舎の本屋さんで出会った月刊「言語生活」(筑摩書房刊)。
 見坊豪紀さんの「ことばのくずかご」を読んで、今目の前でダイナミックに変化し続ける言葉の面白さに惹きこまれました。

 その「言語生活」休刊から一世代分の時間が過ぎました。言葉は移ろい、言葉を扱う編集の現場も随分変わりました。

 出版社で編集の仕事に就いたときは、既刊本は活版印刷、新刊はオフセットで、という印刷方式の転換期でした。校正の仕方、書籍作りの工程も新しい環境に対応するため、現場ではいろいろ試行錯誤していた記憶があります。

 今、仕事の現場は紙とWEBの二つ。クライアントも出版社だけでなく、編集や校正校閲とは無縁だった事業会社が増えています。そうした企業の社員さんたちからは、漢字の書き分けや文章表現について、よく質問を受けます。回答では文法的な根拠を示すこともあれば、言葉の変化や世代間の使い方の違いなど説明をすることがあります。

 そんなとき、「ことばのくずかご」をよく思い出します。

 校正の仕事をしながら、本や新聞を読みながら、気になる言葉の今を「コトバノクズカゴ」に拾い集めてみました。

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