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春に蕾む3月23日

卒業おめでとう!
1年前といえばすぐそこなのに、卒業式と思うととても遠い。卒業おめでとうと言い合った、友だちには中々会えない距離に引っ越してしまった人もいる。

卒業おめでとう、今日はこの言葉を彼氏さんと自分に向けて。
大学を卒業した彼氏さんに会いに大学へ。ネクタイにスーツ、かっこいい。友だちの前でリラックスしているけどいつも違う姿を見るのはくすぐったくて、にやけてしまう。
写真を撮ってもらった。
かわいい〜ってちびっ子の撮影会くらい言われながら写真を撮ってもらう。面白くて、笑顔というか笑ってるところを撮られた。いい写真。

いちばん、卒業が寂しかったのは高校生だ。14年間通った校舎と友だち。同じく幼稚園から一緒だった友人が答辞をよんだ。泣き出して言葉に詰まっても、すみませんと謝ることなく、ただ涙を流したまま真っ直ぐに前を向いている姿が格好良くて凛々しかった。
一個上の中学の先輩が卒業するとき、わたしは在校生代表としてお祝いの言葉をよんだ。壇上にあがると、思ったより真顔の真剣な顔が並んでいて、ぎゅっとなったのを覚えている。
小学校はどうだっただろうか。これからも一緒にいられる女子と、違う校舎に通うことになる男子でそわそわしていた。懇親会で仲良かった女の子が告白されていて、真っ赤なほっぺたと大きい目だけがすごい印象的だった。
幼稚園までいくと、もう覚えていないかな。

誰もやってくれないから、自分でと思うけど、私も今の部署を卒業することになった。一年でやってきた異動。4月、新生活。3月、別れの季節。
新しいことは期待と不安が入り混じる。離れると思うと名残惜しさもある。けど、卒業。そういうものだ。
式は、多少の煩わしさがあるけど無理やり区切られる気もするから必要なのかな。自分の中でいい洋服を着て、しゃんと背筋をのばす瞬間は必要だ。

桜が咲きそうに蕾がピンク色になっている。

「春だからかと思っていました。君の輪郭がふるふると震えているのは」
うろ覚えだけれど、この一節がとても好き。

新しい生活は怖い、けれど卒業はやってくる。蕾んでいたい。動きたくない。
でも始まったらきっと楽しいってすぐ言うんだきっと。

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