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ジャズはパンクだったんだ。映画「BLUE GIANT」を見てきました。

きっと皆さんわかっている人が多いかと思いますが、僕ははっきりロックな志向を持っている人間です。それもパンクロック的な。エモいもの好きというか。

1. 「ジャズって刺激がない」と思っていた僕が、驚くほどハマってしまった理由とは?

繰り返しますが、どうも血の中にはロックの方が濃く流れているようで、これまでジャズには演奏はうまいと思いつつ、それほど引き込まれなかった自分がいました。
血が沸き立たないというか。
今さらそれを「食わず嫌いだった」と思わせてくれたのがこの「BLUE GIANT」でした。

2. ジャズ×パンクの世界へようこそ!エモい旅が始まる。

僕は、全ての刺激的な新しい音楽は「カウンターカルチャー」からだと思っています。

保守的な価値観やそれを体現するソフィスティケートされたポップスやその時代のジャズなどに対するカウンターであったロックンロール。

中道ポップス化したロックンロールに対するカウンターであったブリティッシュインベイジョン。

テクニック至上になった既存のロックに対するカウンターであったパンクロック。

白人の拝金主義的な盛り上がりを見せたディスコサウンド、経済的・社会的な不平等や差別、貧困などに対するカウンターだったHip Hop。

当時のメインストリームの、MTV時代が呼び込んだ、派手でキャッチーなポップミュージックやメタルロックなどのカウンターとしてとして、暗くて荒々しく、シンプルで直接的な音楽を提供したグランジ。

すべて、経済的・社会的な不平等や差別、貧困などに対する反発が自己表現の自由や、社会的な問題に対する批判的なスタンスとしてあらわされたものが、その時代の若者に受け入れられ、メインストリームを凌駕していったものです。

そう考えればジャズも20世紀初頭成り立ちは、オペラなどのメインストリームに対し、アフリカ系アメリカ人を中心に生まれた音楽として、社会的な解放や平等、自由などを象徴するカウンターカルチャーの一つだったもの。
のちに芸術性を高め、エスタブリッシュメントに受け入れられたとはいえ、スタートはパンクと変わらぬものだったわけです。

3. 私がBLUE GIANTにハマった理由。一度観たら、あなたも虜になるかもしれない!

この映画のサウンドトラックはメジャーアーティストである上原ひろみさん。

これが、いいんです。さらに映画で主人公の宮本大の魂が吹き込まれると僕にはとても初期衝動のパンクに聴こえたのです。

僕みたいに食わず嫌いだった若者たちも引き込まれる可能性があります。ジャズは、この映画を通して、多くの人々にとって、新たな魅力を持つ音楽として再発見される可能性があります。

僕もこの歳になって「ジャズを巡る旅」の一歩を踏み出したのかもしれません。

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