勝敗データを集めて何になる?
データの扱いは難しい
「データを知りたい」という知的好奇心を満たすだけなら、ただデータを集めれば良い。しかし、データをもとに改善したいなら、かなり工夫する必要がある。
まず何を改善するか考える。たとえば勝率を改善したいとする。
その上で、改善策前後の勝率を比較する。もし偶然のバラツキ以上の差がでたら、改善策に効果があったことになる。
(厳密には改善策の有無以外は全く同じ状況を比較しないといけない。ゲームのバージョンはもちろん、ブキ編成も、「改善策を行った」という自覚の有無も、全て揃えないといけない。しかしそれは実現不能だ。ある程度妥協しないといけない)
そのような背景があり、知的好奇心を満たす以上のデータ活用はハードルが高い。(統計の知識が必要になる)
しかも厄介なことに、データさえあれば正しいと勘違いしやすい。たとえばデータは書かれているが、適切に比較されていないことが多い。
それでもデータ集めは楽しい
それでも、データをみて色々と考えるのは面白い。考える材料がないよりはマシだ。
ikawidget3という非公式アプリがあった。公式アプリでは直近50戦のデータまでしか閲覧できないが、ikawidget3には無制限にデータを貯めることができた。私のようにデータを眺めて悦に入りたいプレイヤーにとっては、必須アプリだった。
非公式アプリだったということもあり、2023/5/26にサービス終了となってしまった。今後は簡単にはデータを集めることができなくなった。そこで今一度、データを集める意味を見直そうと思って、記事を書いている。
自分のデータを眺めてみる
ikawidget3を利用できた最後のシーズンである、2023春 Fresh Seasonについて、記念に分析してみる。
勝利数/敗北数/勝率(%)をステージ・ルールごとに並べた。青は勝率が良く、赤が勝率が悪い。色が濃いほど平均から離れている。
同じステージでもルールによって得意/苦手が逆になるケースがある
→ ステージ・ルールの組み合わせで考えるべきごく少数、勝率30%前後の極端に苦手なステージ・ルールの組み合わせがある
→ 勝負にならないレベルなので避けるべきそれ以外のほとんどの場合は勝率40%-70%
→ 勝負になるレベルなので避けなくて良いそもそもルール・ステージの組み合わせが多いため、1000試合近く収集してもサンプル不足感がある
単純に考えるなら、特定の苦手ステージ・ルールを回避すると勝率が上がるという仮説が立つ。
仮説の検証方法は上述した通り。ステージ・ルールを厳選した場合/しない場合の勝率を比較するのだ。この検証が難しい。結局は仮説の域を出ない。
(そもそも、ゲームを遊ぶ目的が勝率を高めることなのか、ということも考えるべきだ。勝率が上がらなくても楽しめれば良いはずなのだから)
データ収集の落としどころ
いかにデータをとったとしても、相当な工夫をしなければ仮説を立てるだけしかできない。
逆にいうと、仮説を立てるだけならばデータはアイディアを与えてくれる。厳密な正しさよりも、アイディアを得るための道具としてデータ収集するのが妥当なように思う。
データが収集できなくなったからといって、そこまで気にする必要はないのだろう。上達には大した関与をしていないのだから。
しかし、ずっとデータを記録してきたので、急にその習慣がなくなるのは、どうも落ち着かないものだ。
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