見出し画像

【映画の話】パッと思いつくオススメの映画 vol.4

とうとうvol.4まできました、このシリーズ。
というか最近これしか書いてないですね、ネタがあるから書きやすいんだと思います。

1~3はこちら、宜しければどうぞ。

書いている時に気にしている事、それはネタバレをしない。
これが結構大変なんです、だってあらすじの時点でネタバレよね。
人によってどこまで、も違うし。
なので、あんまり気にしない事にしました。
ということで今回は、1本だけ書こうと思います。

■グリーン・ブック

僕が大好きな映画の1つです、まずはあらすじを。

1962年のニューヨークから、お話は始まります。
本作の主人公、トニー・ヴァレロンガはナイトクラブで用心棒をしていました。
しかしそのナイトクラブが改装のために閉店、新しい仕事を探さなければなりません。
裕福な生活ではなく、腕時計を質に入れたりホットドッグの大食い勝負で稼いだり。
そんな中、アメリカ中西部、ディープサウスを回る8週間のコンサートツアーの運転手をやらないかと紹介を受けます。
仕事の依頼は、ドン・シャーリー、アフリカ系アメリカ人のピアニストでした。
ドンの自室で行われた面接は決して和やかな雰囲気ではなく、無茶な条件交渉をし、トニーはその場で断ってしまいます。
しかし、ドンは8週間に及ぶツアー、しかも南部での興行という危険。
トニーはトニーで、お金も真っ当な仕事のあてもない状態。
お互い背に腹は代えられない状態の2人は結局、契約をする事に。
こうして、旅が始まります。

さてここで、主人公2人の紹介を改めて。

■トニー・"リップ"・ヴァレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)
スペイン系アメリカ人の彼は粗野で短気で姑息、黒人差別主義者です。
ナイトクラブで用心棒をしている際にも、ケンカを売られ相手をボッコボコにしてしまいます。また、大食いでよく食べているシーンが流れます。
賭け事大好き、食事しながら煙草を吸う、でも家族思いで憎めない。
また、黒人差別に関してはトニーが特別なのではなく当時では普通の事。
しかしそれが理由で、ドンとは最悪の関係から付き合いが始まります。
しかし物語が進むにつれ、ドンのピアノに感銘を受けて尊敬の念を持ったり、自棄になって無茶をするドンに対して説教をしたり、熱い一面を見せてくれます。
旅を通して、当たり前だと思っていた差別に対しての考え方がドンを通して自分も経験してくことにより変わっていきます。

■ドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)
アフリカ系アメリカ人、クラシック系ピアニストで他にも様々な学問に精通し名誉博士号を持つ。
非常に常識人なのだけど、悪く言えばとんでもなく堅物。
食事はナイフとフォークを使わないとできないし、常に煙草を吸うトニーに辟易しています。
彼の職業と名声により疎遠になった兄、そして離婚も経験しています。
また他にも秘密を抱えており、結果、孤独の中で生きています。
トニーの素直で自分に忠実な様子を目の当たりにすることにより、徐々に感情を表に出すようになっていきます。
最後、黒人というだけで受ける扱いに対し毅然な態度で挑み、そして決断をトニーに委ねる。
ラストシーンの彼の行動、僕は大好きです。

■時代についてと、グリーンブックの話
先程も書いた通り、黒人差別が色濃い時代。
差別用語である「ニガー」「くろんぼ」「ナス」も出てきます。
そして劇中何度も、黒人である故に起こるトラブルがあります。
トニーも、家に来た修理業者が使ったグラスを捨てる程。
黒人に仕えるなんて!!!という思いも随所で見て取れます。
また、タイトルにもなっている「グリーンブック」これは「黒人ドライバーのためのガイドブック」の事でニューヨークで郵便配達人をしていた、ヴィクター・H・グリーンによって、自動車で旅をする黒人のために作成されたもの。
1930年から続く人種隔離政策のため、様々な制約を受けていた黒人を含む有色人種。
トイレ、ホテル、レストラン、ガソリンスタンド。
こういった一般公共施設の利用を禁止、制限された黒人が快適な旅をするために作られたのが「グリーンブック」でした。
物語の中でも、様々な場所でドンは差別を受けます。
呼ばれた屋敷でトイレを借りようとしたら、外の簡易トイレを使うよう言われたり、トニーとは違うホテルに泊まらなければいけなかったり。
夜、バーに行ったら白人に絡まれてトラブルになる事も。
極めつけは、夜間の黒人外出を禁止する方のためトニーと一緒に留置所に入れられます。
そして最後の地、バーミンガムでの公演前にもトラブルが。
トラブルになる度に今まで鬱屈して溜まっていたドンの不満が露わになり、そしてそれをトニーが説き伏せます。
結構、トニーが言っている事ってめちゃくちゃなようで的を得ているんですよね。
でも、感情的になっているドンとは衝突します。
そんな2人のやりとりが、様々な体験を通して変化していくのも見どころです。

■ドロレス・ヴァレロンガについて
トニーの妻、ドロレス。
彼女、とても美しいです。
見た目も勿論なのですが、行動も。
2ヶ月不在にするトニーを寂しがったり、送られてくる手紙に感動したり。
そして賢い女性です。
あるシーンで、トニーの変化を目の当たりにして微笑むんです。
とても印象的です。

■感想
僕は、1960年代の雰囲気が好きです。
戦争や格差、金融危機や様々な革命とも言える変革。
そんな中で自由を謳歌し、変化に惑わされながらも新しい文化が生まれていく時代。
なんて大層な事よりも、ただお洒落だし煙草自由に吸えるし楽しそう。
その裏に、たしかにあった差別を、実在したトニーとドク、2人のやり取りを通して教えてくれる今作。
黒人の中でのドクの葛藤を表すシーンもいくつかあります、正直ここは少し辛い。
また、バーミンガムからNYまでの道のり(約1,500km!!)で起きた出来事が地域での差を表していたり。
そして何より、2人のやり取りが微笑ましいです。
僕はこの作品を、とても大切な友人と映画館で観ました。
それもまた、とても思い出深いです。

■差別とかそこらへんについて
僕はあまり政治や差別、宗教の話を人とするのが好きではないです。
なので、それについてのご意見を頂いても答えられません。
思想の主義主張って、どうも苦手で。
大体、どっちが正しいとかって話になるし正しさの証明のために対する物、相手を否定するから面白くない。興味はありますけどね。
ただ、この映画の話をする際、史実としての歴史背景や差別について触れる事は避けては通れません。
そして思う事は、60年代の文化が好きとか思うし言うけど、でもやっぱりこんな時代は嫌だ。

できれば大切な人とのんびり観てほしい作品、「グリーンブック」の紹介でした。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?