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「教える」技術(2)〜相手によって変化させる〜「うちのサービスは本当に顧客のためになっているんでしょうか?」と言われたらどうする

お久しぶりのnoteです。

「久しぶりってどのくらい経っていたら久しぶりって言うんだろうか?久しぶりの定義って何?」そんなことを自然発生的に考える自分はやっぱり左脳人間だなと思って調べてみたところ、よくある「両手をにぎった時、腕をくんだ時で右脳左脳を診断するテスト」では、インプット→左脳、アウトプット→右脳らしいことが判明しました。

「論理的にとらえ、感覚的に処理」
理想と現実のギャップに苦しむ自己矛盾型。転じて細かいことは気にしないタイプ

とのことでした。合っているような気がしますが、理想と現実のギャップはうめられると信じているのでめげません。

さて、前回「教え方の基本」のnoteを書いたので、続きとして「相手によって教え方を変化させる」ことについて書いてみたいと思います。

教え方を変える「切り口」

一口に「相手によって教え方を変える」と言ってもさまざまな切り口があるので、どんな切り口があるのかを思いつくだけまとめてみました。

【ソフト】
・タイプ別(性格、価値観、職業観、興味etc)
・コミュニケーションスタイル
・ソーシャルスタイル
・学習スタイル
・関係性(相互認知がどうなのかが重要)
【ハード】
・年齢(年上/年下
同い年/何歳
・経験
・役職
・新卒入社/中途入社
・性別(男or女、同性or異性)

・能力+レベル感
【TPO】
・シチュエーション(緊急時/平時)
・人数(サシ/少人数/大人数)
・対面/非対面(今までは教える・叱る時は原則対面で直接…でしたが、昨今のご事情も踏まえて追加してみた)

ざっくり「ソフト」「ハード」「TPO」の3つにわけてみました。

教え方の変化|ソフト(性格、価値観、学習スタイルetc)

「ソフト」をざっくりと「性格や価値観・学習スタイルなど、個々が持つパーソナリティ」とくくった時に、どのように教え方を変化させることができるか考えてみます。

まずはいわゆる「性格・価値観etc」です。相手の大事にしていること・好きなことなどをふまえつつ、その人がモチベーション高く動ける・学べるようにサポートすることです。

(1)「エニアグラム」で考える

性格と一口に言ってもさまざまなタイプの方がいるので、ここでは「エニアグラム」という、人間の性格を「完璧主義者」「献身家」「達成者」「芸術家」「研究者」「堅実家」「楽天家」「統率者」「調停者」の9種類に分類した性格論に基づき考えてみます。

※エニアグラムを知らない!という方はこちらをご参照ください。
※診断してみたい!という方は、詳しく見やすいので個人的にはこちらをおすすめします。
※ちなみに本はこれを読んでます。Kindle unlimitedで無料で読めるみたいなので対象の方はぜひに。

では、細かいことは気にしないということで、エニアグラムの解説は省きつつ、先に進めたいと思います。

【ケーススタディ】
とあるWEBサービスを展開する設立4年目のA社。ある日、自分の部下の営業マンから1on1でこんなことを言われました。
「うちのサービスは本当に顧客の役に立っているのでしょうか?●●の部分はイマイチだと感じるし、お客様からもどうにかしてくれと言われるし、なんだか売るのに納得感がなくなってきました…」
その部下が言う課題は会社としても認識しており、半年後に改善計画が立てられているものの、あくまでも営業目標が達成され、予算がとれることが条件です。そのためにも部下にはモチベーション高く頑張ってほしいところです。
さて、あなたは部下にどう声をかけますか?

エニアグラムのタイプ別に、どんな教え方・動機付けができるか妄想してみました。

【タイプ3:達成者】
そうか、お客様にそんなことを言われてサービスに疑問がわいてるんだね。そんな要望を聞き出せるほど顧客と親密な関係を築けていることが素晴らしい(結果をほめる)と思うよ。今すぐは改善できないけれど、売り上げが●●まで達成できたら予算がとれるから、その時には優先的に着手すべき課題だと会社としても認識している。君は今までの営業目標もずっと達成してきれくれている(結果をほめる)し、その時はその改善プロジェクトにも抜擢したい(目立つ機会につなげる)と思っているから、それを目指して一緒に乗り越えてほしい。私が動くことで君の目標達成に貢献できるならいつでも声をかけて(結果につながる手助け)くれ。期待しているよ。
【タイプ5:研究者】
なるほど。その課題に着目したのはすごいね。会社でも重要視している部分だよ。よく考えているね。(思考を褒める)ただ、この課題を解決するためには予算が●●円程度必要で、エンジニア●名を配置する必要があるし、プロジェクトにも約●ヶ月の期間をかける必要がある。(数字やデータを用いて説明する)今すぐにこの体制をつくるのは正直難しい。やるためには●月までの売り上げを達成して予算をつくる必要がある。現実をよくとらえられる君だからもうわかっていると思うが、うちはまだ設立4年目の会社だ。今はまず冷静に売り上げを伸ばさないと何も課題を解決できない。そのための準備をするフェーズであることは理解できるね?(論理的に話す・理性に訴えかける)
【タイプ6:楽天家】
聞かせてくれてありがとう。その話なんだけど、すでに会社としても課題視していて、改善に向けた計画は練っているよ。(ざっくりと、前向きな情報を与える)ただ、今すぐは予算や人員配置の都合で難しいんだ。今は●●の改善プロジェクトが走っているからね…。けど、●月まで売り上げ目標を達成できたら予算ができるから、それで新しいプロジェクトを立ち上げられる。そうしたらこの課題も解決できるよ!今は我慢の時期だけど、その時がきたらお客様にもすごく喜んでもらえて、今以上に自信をもって提供できるサービスになるから、それを考えると楽しみだね!(未来へのワクワク感を醸成)一緒に頑張ろう!

性格以外にも価値観などさまざまな要因が絡むため、「これを言えば必ずモチベーションがアップする!」なんてものはありませんが、「こういうことが●●さんにとっては大事だ・好きだ・嫌いだetcということをふまえること」と「自分が言われる・されることで動機付けられるものが相手にとってもそうだとは限らない」ということを念頭におき、相手のことを考えて考えて伝えることを意識できると良いと思っています。

また、少し話はそれますが…。ちょいちょい「褒める」という要素が入っていますが、「言いにくいことを上司である自分に相談してきてくれたことを尊重し、心から相手をリスペクトする」ということと「本音で褒める」ということは相手の気持ちを尊重するという意味ではとても大事なことかと思います。そのため、嘘をつくことは何事においても褒めることにおいてもNGです。

(2)「ソーシャルスタイル」で考える

ちなみに「エニアグラムは9タイプもあってとっつきにくい」と思われる方にはソーシャルスタイル(ハーマンモデル)がおすすめです。ざっくりお伝えすると、ソーシャルスタイルは「感情表現度合い」「自己主張度合い」を縦軸・横軸にとってコミュニケーションのとり方を4つのタイプに分類したものです。

※ソーシャルスタイルについて知りたい方や診断したい方はこちらをご覧ください。

先のケーススタディの場面で考えてみます。

【エミアブル】
聞かせてくれてありがとう。お客様のことをしっかりと考えていて、●●さんはすごく優しいし、本当に顧客思いだね。(性格をほめる)君に担当してもらえてお客様は本当に嬉しいと思うよ。その課題は解決しないといけないことだよね。すごく気持ちがわかる。(共感)今すぐは難しいけど準備をしているから安心してほしい。お客様の要望を叶えるためにも、チーム一丸となって今を頑張ろう。(仲間感)また悩んだらいつでも相談してね。(助け船を出す)
【エクスプレッシブ】
そんなことがあったんだね。会社としてもその課題は認識していて改善計画も中期的に立てているけど、君の声もあらためて、しっかりと受け止めて進めるよ。意見を言ってくれてありがとう!(当事者感を出す)今すぐは難しいけど、君の声はしっかりと反映させていくから、今はまずみんなで頑張って乗り切りたいね!(チーム感)みんなもこの課題については感じていることもあるだろうから、何か楽しく目標達成できるための取り組みとかできないかな?君はムードメーカーだし、率先して盛り上げるために何かしてほしいな。(主役感)企画してくれない?

タイプ別の指導はともすれば「操っている」みたいな感じに見えるかもしれませんが、「教える・動機付ける」はもちろんのこと「その人の強みを活かす」ということにも通ずるので、わたしは「相手を知って、教え方を変える」ということはとても素晴らしいことだと思います。

余談

これらのスキルは「教える」こと以外にも、社内コミュニケーションはもちろん営業などの場面でも活かせます。

(ちなみにうちぼりは、エニアグラムは「タイプ5(研究者)」10点中10点満点の脳内人間で、次点が「タイプ1(完璧主義者)」「タイプ3(達成者)」(だいたい8点くらい)です。ソーシャルスタイルは「ドライビング(アナリティカルより)」です。タイプ5の人はこういった性格診断とか心理学とかが好きな傾向があります)

わたしは営業マンとしてはあまり器用なタイプではなかったので、受注のためのプレゼンや相手に決断を迫る場面(営業の場面など)だけは特に気をつけるようにしてたりしました。(自分がアナよりのドライビングなのですが、R時代に長野で営業をしていた頃はエミアブル〜エクスプレッシブなタイプの担当者の方が多くて、そのままのコミュニケーションではズレてしまうなと思ったことは多々ありました)

上京してからはドライビングなところに磨きがかかって、今思うと場合によってはやや棘があるとも捉えられる自己主張・行動を繰り返していましたが、そもそも職場にドライビングタイプが多かったせいか「そういうキャラだよね」で許していただいてたのではないかと思います。今ではもう少し大人になっています。(生意気でした。ごめんなさい…)

そんな謝罪の思いと、もうちょっと自分もコミュニケーションのとり方を工夫しようと思いつつ、今回は以上とします。

読んでいただき、ありがとうございました!

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