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【日記】2月に終わらせたもの。

『十兵衛両断』

至上の歴史短編集。柳生十兵衛という稀代の剣士を主題にした短編が収録されており、特に表題作の「十兵衛両断」に関しては唸るしかない。

『FROSTPUNK』

心痛シミュレーター。すばらしいレベルバランスに裏打ちされた*最高に興奮する*ストーリー展開が待つ。感想レポートがいつの間にかリプレイ日記になるレベルの傑作。


『コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった』

コンテナリゼーションの歴史を紐解きながら輸送・ロジスティクスの本質について語った良書。なにより物語として面白いので業界を知らずとも手に取ってほしい。歴史のIFや脈絡が多く詰まっておりロマンにあふれた一作。

増補改訂版があります。

『漂流の島: 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う 』

有史以来、漂流者を島の恵みで救い続けた南海の孤島《鳥島》の歴史に迫る。迫るんじゃないかな。迫れるといいな。まちょっと覚悟はしておけ。という内容であり記述のほとんどは発掘申請の苦労話になっている。
網羅的に参考文献の引用と実地情報が公開されており島嶼に興味がある読者には非常に楽しめる内容だと思う
ただし、最終的に研究のための上陸許可が降りなかったことで結ばれており、本書を閉じた後は、怒りと無念さが読後感を支配するのは残念。(amazonレビューで怒ってる人がいてかなしくなった)

『胎界主』(第一部)

世界(ソロモンヘイム)を彷徨いながら、真の男とは胎界主とは、世界の真実とは、と問答をくりかえる短編集。後半は「無責任飛行」と呼ばれる窮極トーナメントが開始され主人公や脇役やインド八人衆らはそれぞれのケジメをつけることになる。

『胎界主』(第二部)

異世界(ロックヘイム)でモンスターハントをしながら、敵対勢力が「生体金庫」の解錠を試みる姿を見届けるという一大抒情詩。そして、巨大なメタ認知「象る力」を巡る壮大な最終問答という二段構えのクライマックスを迎える超巨大傑作。

『胎界主』は長編コミックながら「自サイトの独自フォーマット」で十年以上連載を続けた「凄み」が宿っている。当初に建てた方針がブレず、最後まで運ぶ力、つまり作品自体の「象る力」に思いをはせざるを得ない。

『押忍!空手部』(全42巻)漫画。

「友情努力勝利!」「タイマン張ったらダチ!」というチャンピオニズムの継承者。「Two突風!」の先祖。アウトロー不良アクションから中国拳法インフレバトル展開の発展が見もので25巻~28巻あたりに展開する関東編クライマックスは描写スケールが宇宙に達する超人バトルなので大変見ごたえがある。90年代の(長期連載)少年誌アクションは暴力残虐描写のインフレ傾向を抑えきれない傾向にあり、終盤になるほど気が滅入ってしまう構造の解消は設定多様性やソフトリセットを導入する天才・島袋光年の登場を待つ必要がある。

『金剛寺さんは面倒くさい』1~5巻(以降続刊)

1巻だけ電子版で持っていたモノを5巻まで物理書籍で買いなおした。未知の世界を切り開くフロンティアとよ田みのる先生による実験的描写満載のラブコメディ作品。結末は冒頭から明かされており「押忍!空手部の最終回」のような展開がずっと続くのに、とにかく楽しく愛らしい。何話も引っ張れるような展開でも1話完結でどんどん片づけていってしまう。2時間映画を15分でまとめていく密度がある作品。バイク旅行回はとにかくよかったナ!!

『極!男塾』

男塾シリーズ最終巻はついに宇宙へ。未知の世界からの侵略者スサノヲVS大和魂。宮下オールスターズが総登場クロスオーバー!という展開になるかと思ったらそれほど作品感の交流はなく、結局いつもの男塾展開(島に着くと敵チームがいて伊達が全部片づける)がイチバン面白いという展開になってしまう。とはいえ、後半からは男爵ディーノが大活躍したり邪鬼様が普通に巨大化したりファンサービスという名の暴力の嵐が吹き荒れて憎めない作品ではあった。やっぱり宮下先生、漫画下手だわ。

『解錠師』

少年解錠師がピッキングと金庫破りの才能を見せるという物語、だとは思うんだけど構成がいびつで進捗度90%くらいまでチュートリアルが続く。いつになったらプロローグが終わるのかなと思っていたらそのまま棚ぼた式に終わったのでスーーンとなった。設定的には「ベイビードライバー」が近い。

三月は

名誉テクノサキュバス、アロハ天狗先生に教えていただいた「深堀骨」先生を攻めていこうと思います。よろしくお願いします。



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