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『ミッドサマー』(2020年の映画)

注意:当アカウントでは本作については安易な鑑賞をオススメしていません。


(あらすじ)
白夜の季節にスウェーデンの共同体(コミューン)を訪れた来訪者たちは90年に一度のミッドサマー祭が開催中のミッドサマー村で歓待を受ける。それは驚くべき異文化交流の始まりだった。

世間の声

本作に対する鑑賞前のイメージについてアンケートをしたところ以下の回答があった。

30%■なんかホラー映画らしい
10%■大学生がひとりずつ村の因習に従い殺されていくがヒロインにはある秘密があったので優勝した。
00%■ホルガ村には恐るべき残酷ブラックメタリスト的な生贄の儀式があったりしてアーマード村人に追われるが白夜なので夜の暗闇に紛れることができない。生贄が逃げ出したことで村人は発狂して手斧をもって追い回してくる。アブナイ!だがヒロインに眠るニンジャの血が覚醒し豚の臓物をひっくり返したような状況になる。反撃だ。
60%■なんかいやな気分になる映画らしい

(新橋SL広場前で1名を対象に聞き取り)

前作「ヘレディタリー/継承」のイメージを受け継いでいたり、不自然な画面の明るさからいやな気持にさせられることを予期するような予測がされていたようだ。

実際はどうだったかアンケートを取ってみた。

30%■なんか祝祭で楽しかったね。
40%■老若男女で抱く感想が異なりそう。
00%■ホルガ村には恐るべき残酷ブラックメタリスト的な生贄の儀式があったりしてアーマード村人に追われるが白夜なので夜の暗闇に紛れることができない。生贄が逃げ出したことで村人は発狂して手斧をもって追い回してくる。アブナイ!だがヒロインに眠るニンジャの血が覚醒し豚の臓物をひっくり返したような状況になる。反撃だ。じゃなくてガッカリした。
30%■どっかで見たような話だった。

(新橋SL広場前で1名を対象に聞き取り)

どっかで見たような話だった

共同体が維持のために新しい血を欲し捧げられた生贄が命を散らしていく物語の類型は古くから存在し「ゴリラ女房」等の類話にも事欠かない。今回はそれにバイキング式純潔性も含まれているので大変おぞましい。

別のレイヤーでは「生命の樹(妖怪ハンターの一節)」や「楢山節考(アリアスター監督が直接言及していますね)」との関連性も挙げられている。

色々とあるが私は単なる興味本位で村に入り込む人レベルなので、超シネフィルであるアリアスター監督やNOTE読者諸氏に対して語る言葉を持たない。(ゆえにわかる言葉でアホに語るしかない)

結末へ

そして、ヒロインであるダニーの目線からは新たな共同体価値観との共感、哀しみとの別離が語られているとされている。

家族の死を「拒絶された(置いて行かれた)」と嘆く冬は終わり、永遠の夏休み(ミッド・サマー)を経て、季節に殉じるダニーの姿で物語は幕を下ろす。ミッドサマー村では、二十歳そこそこは夏の季節。やがて秋が訪れ冬が来る前にダニーは村で受け入れた儀式を終えるのだろう。ミッド・サマー。美しい異界の園を味わいながら、どこか懐かしい価値観を味わえる異星の味噌汁のような腹落ちをする映画であった。オススメしません。

生々しい感想メモ



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