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ドラえもんを倒したら世界が滅亡した[ドラえもん ギガゾンビの逆襲(FC)]

ある時、君のもとにブルーメタル装甲の対爆スーツめいたフォルムの未来ロボットが訪れたとしよう。どうするどうするどうする? 君ならどうする?

「助けてくれ少年!! このままでは地球が滅亡する!!」

にア いいえ

「そんなヒドい! 君の協力に」

にア いいえ

「そんなヒドい! 君は有機生命体らしからぬ」

にア いいえ

「そ」

にア いいえ

「そうか......よくわかったよ」

「よくわかった」

「さよならだ、永遠に......!!」

こうして君はドラえもんを倒し、世界は滅亡した。

ドラえもん ギガゾンビの逆襲(おわり)

RPGブームが訪れたころに乱発されたキャラクターRPGのひとつである。
それほど他のゲームをプレイしたわけではないが、RPGへの向き合い方やシナリオの再解釈、『ひみつどうぐ』という「まほう」「ひっさつわざ」「どうぐ」を兼ねた便利な設定が功を奏して、近似類の中ではかなりの良作だったと思う。

冒頭の殺鼠ブルーメタルアイアンマンとのやり取りについてが本作の白眉であり、数回の選択キャンセルでゲームをクリアすることができてしまう。一種のギャグ描写であるが本作への製作陣の姿勢が明らかにされている。卓についても悪ふざけするようなら帰ってくれと。

劇場版エンディングの再解釈

新生ギガゾンビに敗北し時空乱流(べんり!)によって世界の各地にばらまかれた友人たちとひみつどうぐを取り戻すべく、君とドラえもんとのび太は劇場版世界を巡る旅へ出発する。舞台となるのは、空き地、魔界、海底、地底、古代日本、そして謎の異空間だ。それぞれの世界は、一度劇場版をクリアした後の時期設定となっているので劇場版で分かれた彼らのその後が明らかになる。特に本筋に当たる古代日本シナリオでは、卑弥呼(アマテラス)伝説の再解釈が行われ「古代の巫女は未来人であった」というシナリオとギガゾンビテラ(なんと気が利いたネーミングだ!)の親子関係を軸に劇場版とは違ったもうひとつの結末を迎えることになる。

画期的なひみつどうぐ

ドラえもんのひみつどうぐをゲームシステムに落とし込もうした結果、様々な画期的な能力が搭載されている。この作品で始まった属性も多い。(ここで知っただけですでに他のゲームに導入されていたとしても真の海の男は今知ったことは今知ったように語るだけだ)ジョジョのRPGとかがあれば似たような形にできるんじゃあないかなあ。

・ネズミ系モンスターに出会うと死ぬ(アンサガの恐怖症に相当)
・HPダメージを吸収する(とかす系に相当)
・被弾ダメージを反転する(テトラカーンに相当)
・こうげき対象にならない(隠れるあたりか?)
・ヘイスト行動または遅延行動(ファストトリック系)

いざドラえもんシネマティックユニバースへ

この作品はドラえもんシネマティックユニバース総登場のアベンジャーズ的な存在であり、ひみつどうぐの兵器利用は禁止するべき、漆黒の殺意を得たのび太の戦闘力、スネ夫のイマジネーションと器用さ、ジャイアンの腕力体力歌唱力、しずかはファイト小槌振ってろ等々、ややうがったタイプのファン層にも満足感のあるシナリオが含まれている。

問題は通貨兼MPとしてどら焼きが流通しており、キャラクターの血中アンコがやばいことになっているだろうというくらいだ。22世紀の技術であればリー先生のようにアンコを抜いて透析するくらいはできるだろうか。

アンコはヤバイ。

オハギ、ダメ絶対。

持たない、持ち込ませない、くりまんじゅう。

例によって、このゲームをクリアした後の後世の評価とか攻略については調べていないのでよく知らない。でも、冒頭の世界滅亡エンディングを真っ先に選択した自分にとっては、特別な「オレのためのゲーム」のひとつだ。

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