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第三回逆噴射小説大賞ふりかえり会を行いました。(次回は最終選考発表後)

次回の振り返り会は最終選考発表後に開催予定です。ぜひご参加ください。

※本記事は約12,000文字あります。

2020年11月29日に「第三回逆噴射小説大賞ふりかえり会」を行いました。二次通過作品の読書会をしたり、持ち寄った作品の読書会をしたり……楽しい一夜でした。このスイングドアを抜けたら、また撃ちあうことになる。そんなインクスリンガーの小さな休日でした。今回の読書会の様子を振り返りたいと思います。

参加者からの感想も届いているよ。えへへ。
多角的に感想を述べるとエンタメ性が高まってたのしいよね。

今回は主に逆噴射小説大賞二次選考通過作品を対象に読みました。挙げられた感想をピックアップしていきます。「よくわからなかった」作品に新たな視点が当てられて気付きを得る体験は非常に良いものですね。作品の味が分かるようになった瞬間が初恋。

★メインステージ(二次選考通過作品)★

錆血戦域 -ショウケツセンイキ-

これはバールさんにしか書けないやつですね。荒々しく残酷なんですけど、確かな筆致でしっかり読ませる!
文章自体のコシがしっかりしてて読み味が「これは歯ごたえあるぞ!」って思わせてくれる
800字にこれが収まるの、スゴイ
ちゃんとギャングの極悪非道も、十の掟の守ってたものも800字に含まれてるのはスゴイ

最近は、群体(複合)型って流行なんですか?
おのごろ。
復讐者は有象無象の象徴であるってのは確かなのでファンタジー復讐者はそういう形状になりやすいのはあるかもですね。
復讐対象が組織だったりすると、群体の方がドラマになるというのもありますかね
復讐ものにつきものの「被害者は復讐なんて望んでない」ってブルシットへ明確にNOを叩きつけることが出来ますからね。
ナラク(物理)。※作者註
黙示紋(オメルタ)、執行者(アスカリ)。ルビがかっこいい。
世界観描写と設定描写の文字数圧縮がすごいですね
出だしに固有の用語を置いて「何?」と思わせてタブーを破るで「知らない掟が破られた!」ってなるの上手いですよね

さよならだけを人生にしたい!

復讐劇でありコメディでありシスロマンスでもある
これは完全にバンディッツですよね。偉人バンディッツ
こんな痛快な展開ある?
ものすごく乾いた中に独特の爽快感がありますね……
この「女が自由になるには妖怪になるしか無い」は笑い話に似た悲劇なんですよね
「恋愛をする」じゃなくて「髪を剃ってやる」なのがまたいいんですよ
タイトルも強いですね
最初に凄いぼんくらなセリフが入ってくるのでその辺の重さがあっさりになっているのも良い 
初めて読みましたが、一気に読まされました
軽妙だが、はしゃいでいるわけではない文体
今初めて読んだんですけど、凄いな。
※主催者註:最終日投稿のため読めている人が少なめでした。
5本通過作家
やっぱ毎年複数通るような人は、そもそも800字で起こってる事件が多いですよね
自分が同じ題材でやっても絶対文章が笑ってしまう気がします。
やってることは毛狩り隊ですからね

あなたに捧げる物語

これは、ちょっとわかりませんでした
何を言わされているのかわからないが、クライアントが満足してるのが怖い
本作、自分は焦点が合わなかったので、みんなの解説を聞くと読書会の価値があったなという気持ちです。
不穏があまりに上手い
声優に対する解像度が高い
去年のコメンタリーにもあった覚えがありますが、800字でホラーはハードルが高いように思います。それを、ここまで不穏に……
うっかり考察してしまうタイプの作品だ
「この空間は調和が取れている。」 そうだろうか?
語ると野暮かもしれませんが、役者としての「自分の演技が客に影響をどう及ぼしているか」っていうのがわかりやすいので、役者である主人公がヤバい仕事にズルズルはまる様子がめちゃくちゃわかりやすい。
復路鵜さんは「奨励会を抜けてアヴァロンへ 」もそうですけど、いい感じに淡々と、主人公が壊れてる。
「主人公は旨味のある仕事を倫理観を度外視してやる」というラインがビチっと見えますもんね
これ読んでなんとなくひらめいたんですけど、常識、ってのが多分鍵じゃないかと思うんですよね。
「無駄も予算も一つもない!」っていう多分この次のアクション作で出世する監督の低予算ホラーデビュー作

インバネス・レイヴンは剣を抜かない

インバネス・レイヴン、逆噴射版の時点で完成度が高いですけど、最後まで書かれた完成版がめちゃくちゃ素晴らしくて好きです。 
※本作は完全版が公開されていますので、ぜひ。
メッチャクチャ丁寧に書くので好き
全然完璧にかっこいいですよね
レイヴンというワードに対する共通幻覚をタフな文体で表現していてとても味わい深いですね
世界観をまずグっと嗅がせるタイプは出滑りしかねないんですが、これは外しの開示がいい塩梅なんですよね。「産業革命」をビっと出して、そこの煤けた汚らしさ、そして猥雑になっていく都市
これは最初読んでて、カラスが光るのとかハンガーとかを集めるのは巣作りなんだよなあ、というのが絡んでくるかな、と思った記憶。
レイヴンとクロウの違いがあるという、おっちゃん師の読み込みもよかったな。
あとまあ仮面ライダーなんだよな
敵と味方が同じ能力の定番ですからね!
能力が複数あるとごちゃごちゃするので出どころを一つにして原因も一つにすればスッキリ事件が片付くという技法
これが出来てないと無法図に物語力が広がりすぎて収集がつかなくなる
そういう点でライダー方式は極めて物語を整理しつつ強度をあげれる

セツナの久遠

この特殊描写のやつが通ったかーと唸りましたね
イカしてるなぁ
NG集…ではない
書いた本人が「これは通らんやろ」と思っていたのは内緒です。 ※作者註
とりあえずクライマックスで互いの名を絶叫してくれるだろうな感があり、続きが読みたい。
殺す時に相手の名前を叫んでいるので「あ、激重感情だな」って読者もピーンと来る
お互いに名前を叫びながら殺し合いをする(メガ盛り)
互名叫殺合
アセットから決着シーンを連ねて、常識を提示しつつ後半でひっくり返して続きに持っていっているのでワザマエなとこ
でもこれちゃんと前提を出した上で「ここから別のルートに行くぞ」が出来てるので良いと思います
ループモノの美味しくない所であるループしてる所は全部カットできたのでこっからは美味しいところだけです
何百万通り分の1を通す物語であろう、ことは想像できますね。
ループ全カットしたループモノは絶対面白いですから
ループものであることを提示しつつ、おいしいところだけを抽出する匠の業

うたかたの消えてはかなき多元宇宙

これはどうなんでしょうね(いきなりヒヨる)
いや、これは普通書けないですよ。
これは一度読みましたが、パルプとはまた違うような気がして置いちゃいました。改めて、なんかの冒頭として読むとこれはこれで良いですね。
コーヒーの泡と宇宙の大規模構造の重ね合わせにはセンスオブワンダーを感じる
うかつにお湯も沸かせない
日常からファンタジーに落ちる生活幻想文学短編集の表題作っていう感じがします
我々が「うぎゃー(死)」みたいな文章で喜んでいる間にも、世界は進んでいく
実は続きを連載していて、めちゃくちゃ面白かったのに全部非公開にされてしまった……。
マジのか
そりゃもったいない
なんというかこう、すごい読ませる話というか、話がどんどん進行していく速すぎず遅すぎずなスピード感がいいですね……
単純な地力だけでブンまわされても凡百パルプは勝てないというところでしょうね 本人の強さ
やっぱ「あの、勝手に話を進めないでもらえますか」のタイミングはマジで完璧だと思うんですよ
会話文のテンポってセンス9割なところあるので真似出来ない
これは真似しても真似できない文でしょうね
噛めば噛むほどよさが出る......
論ずるにすべがござらん(徐栄)
大した事ない文を完璧なタイミングで出されてる感じ
これはいま読みましたがすごいですね。呼吸とリズムが絶妙です

スペースうそチンチラ アンデスへの旅

全てが好き
これは完全に僕が好きだったので推薦しました。
これは、技術と文章が凄いとかじゃなくてシンプルに「好き」枠です
これはもう好きでいいっすね
チンチラカワイイネェー
ぷうと鳴いた。って表現も良いですね
好きなんですが通ったのは意外でした(スゴイシツレイ)
通ったのは意外
正直、文章とか怪しいところはあると思うんですけど
カイカイなさい!は無理でしょ。カイカイしますわ
文章のあやしさも含めてこの人の魅力とパワーという気がします。
わからんけど、しっかり構築されているなという印象で、もっと文字数くれよ!!ってなる。
カニはなんかつよい
チンチラは自由です!とかカニばさみ尋問とか、奇妙奇天烈でどこか可愛らしいのがクセになりますね
「カニばさまれたいか」も相当にキてますよ。
これ、語り自体はハードボイルドなんですね。
語り自体はハードボイルド! しっくり来ました
出す方も出す方だが見い出す方も見い出す方だ
スペースうそチンチラ、自分は大賞の可能性がないと言い切れないと思います

死んでくれ松五郎

死んでくれ松五郎!
松五郎、ピックアップや感想文で解像度がけた違いに上がって、勝手に優勝してる。
これ読んだ時一番負けたと思ったやつ!
松五郎はやばい

まあまず最悪なんですよね
精神寄生体松五郎……!
本当に死んでくれとなりますからね
本当に心の中にいるやつがあるか!ってなった
幼少期の思い出を殺すっていう意外性の気持ちよさだ……
このホラーへの転換ぶりは藤田和日郎っぽい
タイトル回収で大盛り上がりするやつ
これもベースフォーマットとして動物物を提示してからの反転なのが構造としてビシッと決まってる
本当タイトルからはじめのワンセンテンス、心にいるという暖かいワードに邪悪さを含ませるセンスがスゴいんですよね。
僕らのプリインストールを理解してるラインの引き方ですよ
みんなが褒めるので読み直して、おおーってなりました
松竹梅
松竹梅も最初ぜんぜん気付かなくて、なっるっほっどっーってなりました。
松五郎、竹林、梅田
松竹梅は気付かなかった
今気づいたよ…
スゲー、言われるまでわからんかった

ロケット

異常家族!!
「ロケット」、象印賞です。
優勝候補ですよ。
ヒィーッ犬!
これはもう終わりです
しゃべるチンチラ、しゃべる犬、しゃべる犬!!
ロケットっていう題、何?好き
「ロケット」ってなんだろう?→これはロケットですわ……

スピード感が気持ちいいんですよね
逆噴射小説大賞自体をおわらせに来てます
《「智ちゃん!」 僕を呼びながら、柴犬のメリーが走ってきた。》
もうダメだ
パルプとは何か?って聞かれたら『ロケット』出していいと思います
「なにいっ」が連発するのにここは殺し屋一家かな? と匂わせる手つきもすごい。
今読んだんですが、顔面がボコボコです
ぶっちゃけ先は気にならないんですよ。ただそういうのを気にする間もなく次のページをめくっている。
完全にドラッギーで病みつきのおふくろの味。大麻入り玉子焼き。
ババア、殺伐家族、しゃべる犬、完全にパルプ。
一言で言うと「潔い」ですね。なんか挟んでおこうみたいなスケベ心がない。
ヘッダーも著者ご自身の絵だそうです(かわいい)
インバネス・レイヴン完全版のイラストも描いていただきました
四方八方からわからん殺しされており、降参!
こうなった

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ゴジラ対横綱

完全版が執筆されています。圧巻の横綱相撲。横綱がいて土俵があればそこは神事となる!!

実はめちゃくちゃ渋いやつ。
選考通ったのが一番嬉しかったやつです
ゴジ横、メチャクチャ好きです。
ゴジラ(固有名詞?)良く通ったな!が驚き。
ゴジラは古典判定っぽいです ※作者註
むしろラジオの実況がまんま初代ゴジラなのがNGで通らないと思ったですよ。
タイトルの機能性が凄い‥

マックの下り大好きなんだよな…
マックシェイクのくだりが最高に好きです。
「マックシェイク、買っていきますか?」
「馬鹿野郎、マックやってるわけないだろ。」
もう大好きだよゆめくらげ親方。

視点は付き人
「ラジオ、いいすか。」「ん。」これだけで二人の関係性が十全にわかる。100パーセントだ。
これの一番いいところは「マックやってるわけないだろ」ですね。あ、正気なんだ、というのが一番。
横綱の視点は描かれるのか
横綱は神だからなあ。神は拝むものだ。
ゴジラと相対することで生まれる自己の逡巡とか迷い、横綱とはなにか?を問いかけるための作品だと思ってます ※作者註
全人類を代表して、ゴジラと戦えるのは俺くらいしかいないじゃないか。俺は横綱だからな。みたいな。
映画の冒頭5分なんですよこれら、しかもかなり手練れの監督脚本の
いや本当にマジで描写が好きなんですけど、いい会話してても話って進まないんですよね。
神々の山嶺とかそういうジャンルだよ。
確かに少し「ズルい」んですが、それが許される太さと重さと威厳がある。ハッ、まさに横綱……

フランドルの獅子たち

おーーー これ読んでなかった 面白い
(人が死なないことに新鮮味を覚えてしまう身体になってしまった)
最終日にこの解像度の自転車は、めちゃくちゃ涼しかった。
スポーツモノのパワがありますね
レースものが強いのはライディングホッパーでも証明されているが、実現するには確かな文章力が必要とされる…
文章がうまくなるには、どこが『焦点』か理解しなくてはならないっていう
ビックリするくらい真っ当なスポーツモノ。スキなんだろうなってのも分かる。
ひねりがなくても面白いという好例ですね……
題材選びが上手い
死や胡乱がなくてもつよいものはつよい
こういう焦点絞ったスポーツモノは強い
自転車は茄子での知識しかないんですが、これ、最後のは「コースアウトで失格」ではないんです?
中央分離帯突破のアタック自体はかつてオスカル・フレイレという選手が実戦で実行していましてそれが元ネタで、(youtubeなどで検索すれば出てくるはずです)、一応ルール的にも許容範囲内ですかね。 ※作者註
ヤッター!!解説だーーー!!!完全に骨の入った小説じゃん。
”お仕事もの”と並んで専門知識・深い知識があるほど有利な感じっすねスポーツもの
掘れば出てくる史実をさらっと組み込むと解像度が急激に高まるのだなあ
マジの歴史モノとスポーツモノとお仕事モノはREALな知識で出されるとマネできなくて強い
まさか二次まで抜けるとは+こういう場でピックアップされるとは……。逆噴射環境でこの題材ならこれくらい真面目にやったほうが抜けるかなという計算はありましたが、色々と想定超えでした。ロードレースそのものがドラマチックで面白いスポーツなので、見ていて面白いところ・熱い場面をそのまま丁寧に書いた、という部分はあります。逆噴射センセイの講座を読み返して「REAL」をやるならこの方針だなと。 ※作者註

竜とロックダウン

マツキヨさんは純粋に強い。
マツキヨさんは一方的にリスペクト捧げてます
文章力と発想、捻り方の巧みさ。
マツキヨさんはパワです
2020年らしいロックダウンネタで、時事ネタを拾ってこれが生まれるんだから、なんだろう小説人間。
マツモトキヨシさんは殿堂入りとかして、はやく胸像を建てたほうがいいと思う
マツキヨさんは上手いなぁすげぇなぁ、と去年も思ったですよ。地力ってやつですよ。
おおお、これはすごい

州政府が水晶みたいに叩き割った基底時間軸。SF生まれのSF育ちの文ですよ
オープニングが完全にそういう映画。台車で運んできた金塊を交差点のド真ん中にぶちまける。山と積まれた金塊の上に腰を降ろしてライフルを構える。
同じ時代同じ情勢を通っているのに、同じワードをベースに考えてもこんな出力は絶対にできないと確信できる内容……カラテの差……
ロックダウンして個人レベルのパラレルワールドに滞在する大きな話を、小さい欲望で描く。
マツキヨさんは初回から「こいつパルプじゃなくてSFやろ」界の重鎮でした。マツキヨさんのデビューの障害はSF界の売れてないくせに異様に層が厚い事以上に名前ですからね。量子相撲に寄り切られたのはいい思い出です。
去年のマツキヨさんも異常でしたが今年も異常で嬉しくなった

長谷川家の決闘

完全版が公開中です。無茶苦茶おもしろいから、ぜひ読んでね。

誰悪さん、マツキヨさんと並んで強いなと思ってました。
完璧な作品のひとつでしょう。
誰悪さんの文章もマネができない。培ったものがグッと屹立している。
誰悪さんはミステリ畑の人なんですがミステリはほば送ってないという
読書狂は書いても強いとしか言いようがない
エンタメ偏差値が高すぎ。
効きますよ内申点に。
この台詞の妙はミステリ畑かぁ
心地いい悪意のある台詞回し
これだけ異様な世界観にしておきながら文章が完全に地に足着いているのがすごい
これは、続きが出たのに一番びっくりしましたね。
「完結編」をニヤニヤしつつ読んだら「クソッやられた!」となりました。
完結編の楽器ケースの回収で爆笑したのにサポートボタンがなくて血の涙を流した。
そうなんですよ! サポート開放してない!
誰悪さんはなんでスカウト来ないのか不思議な枠
誰悪さんスカウトする側枠疑惑を持っている。

メルヒェンの獣

内容がいまいちわかんなかったんですよね
これは完全に海外ドラマ冒頭なんですよ。
そう!映画の冒頭ではなく海外ドラマの冒頭なんですよね
状況が分かりにくいのはあるんですよね
映像で見たらスッと入るものなんだろなーとは思う。文章となるとハードルクソ高くなるんすよね
たぶん「わかりにくい」と感じさせるのは例の「視点」の問題かなとは思います。
ジョン久作さんは可読性はちょっと低いけど「映像」がバッチリ浮かぶ使い手ですよね
そうなんですよ。ジョン久作さんはめちゃくちゃディテールにこだわる。冒頭の病院のシーンなんて、逆噴射なのであそこまで書かなくていいじゃん、なんですけど、それでも書く! (edited)
青い瞳、赤い目、赤いフードとグレーな雰囲気の話に差し色が映える感じ好きですね。
「ああ、男の子よ。予定日を待てず御免なさいね」ここアクションが見えるんですよね
こういう映像の力は中々芳醇にはならない
ガチ医療
ババアが出る。
赤フードの少女
よくよく読むと最後に風下から狙撃しているのが静かにハードボイルドで痺れますね。狼男の嗅覚対策なのか……
海外ドラマ、なるほど想像しやすい。海外ドラマも1話目は伏線撒きますよね
誕生って物語の間違いないスタートで、そこに異常事態を混ぜる事でこれはそういう物語だってインプットしてる。
続けて、父親が人狼姿で暴れることで場作りをかためると

今年の初日0時組の火力異常でしたね
ジョン久作さんは、長編を完結・連載させていて地力もあるので、スカウトされたりジョン・キューザックに改名訴訟に巻き込まれたりしてほしい。
改名訴訟に巻き込まれそうなパルプ書き多くない???
江戸川乱歩がセーフだからマツキヨさん以外はセーフ
マツキヨさん以外はセーフでしょ。

自由参加枠(隠しトラック)
「オナホ長屋」(特別枠)

アンコール! オナホール!
まあさすがにだめよねと
イヤアアアアアーーー!!!
はい優勝
禁止カード パワー9
優勝か怒られるかどっちかだと思いました。
無冠の伝説ですよ
800字のスケール感じゃないんですよね
下ネタなんですけど嫌らしさは無いんですよね
まあ本当落語にある下ネタのノリなんでカラっとしている
ふつうに真っ当でクラシックな落語。
これは深夜の下ネタ談義から派生したやつです。別の方が投擲したタイトルをナツメさんがうっかり拾ってこうなりました。 ※関係者
落語の陽気な語り口が嫌らしさを脱臭しているスゲーバランスの小説
全てが噛み合って全部卑怯なんですよ
ド直球かつ特殊な下ネタを落語にしてバランスを取る感覚がすさまじい、導入一発で一気に落語の土俵に持ち込むのもズルい
落ちても全員笑顔で「やっぱりな」としか言ってなかったのは語り継いでいきたいですね
今年の裏番長ですね。昨年のYYYYYに近い感触です
オナホ長屋、落選のコメントを聞きたいですね。なんかロックなことになりそう。
「落選したのはそれはそうだろうが、それはそれとして悔しい」みたいなことはおっしゃってました。 ※関係者
悔しいんだ…むしろ落選で完成したまである。
みんなの心のなかにあるからいいんじゃないかな「ウッ!松五郎!」

★サブステージ(自薦作品)★

自薦作品とメイン渋滞時の二次選考通過作品を語ったチャンネルのログです。(収集ログからの転記は少なめ)

子守(ナニー)・マリーのDIYな日々

なんかコマンドーの導入ですよね。
朽ち果てた土地のサイボーク子守ロボって、もう属性が盛り盛り。
カメラが上空に上がっていくと周りに血溜まりができてるやつ
木を伐ってるおばちゃんが実は吸血鬼の杭を作ってました! みたいな話を最初考えてたんですがそれだとだいぶ平坦な感じがあったので色々詰めた感じです。結果サイボーグ子守ロボが最後の人類を守る話に。FPSのオープニングみたいな内容になりました。 ※作者註

ジゴクダイバー 懲役100兆キロメートル

実験的な文体の作品ですね。
縦にスクロールするウェブ形式だからこそやりやすい表現ではある
文章で実験するのは難しいと思いますが、これはやられたと思いました。お見事。
主人公の意識と文構成を一致させるワザマエよ
会敵、のとこの演出がキマってていいですよね
変身バンクみたいな「定番」になってるというか
ジゴクダイバーはこのまま徹底して進めてもらいたいですよね。全然ありだと思います。
設定と文構成がうますぎる。
これはサウナで降りてきた霊感なのでいけるかなとおもったのですが、Note芸判定と「続きが本当にできてんの?」判定が入って落選しちゃったんだと思います ※作者註  続きが出たのでチェックしてみよう!

奇跡は砂になりて

これは読みました 自分は好きな部類です
大穴もの、何作かありましたね。
穴の底には何かがあるから話を作りやすいのかな。おーい出てこいとかメイドインアビスとか。
話の動きが結構遅いと言うか、もう1つ動きがあったら良いかもしれないな―とか。
世界観説明で800字の多くを割かれてしまっていると思います
世界観コントロールは悠長しているとドライブ型アグロに轢かれるから
上手い人はその風呂を溢れさせるデブで作品に引きずり込んでくるから怖い

漢の花道オンステージ

めちゃくちゃ好きなやつ
体を売るのがダメと出して来た後で、目玉売ったは最高によかった
ゴドーさんくすぐりがうまい。
これを見逃していたとは不覚の至り!
書き出しから引きまで最高なのでぜひ完結させてほしい
実は応募作でこれだけが最後まで書けそうな気がしているのです。 ※作者註

黒糖

黒糖というタイトルと犯罪モノの組み合わせで黒〇〇的な香港ノワールの趣がある。
ノワール(黒糖)ですよね
タイトル、導入、ひねりからのタイトル二度見で合わせ技イポン!
滋養管理局、調味料販売法違反、砂糖マフィア、ワードだけでワクワクする。
麻薬を砂糖に置き換えるだけで全部面白くなっている作品、色々な世界背景が気になりますね

英雄の証明

ちょっとわからなかった。
精神科隔離病院で妄執をパワにする事が出来た患者なのかな、と読み取りました。混乱の中から脱出を行おうとしたところ、もう一段凄いやつとバッティングしてしまって
おそらく、頭蓋内ワールドの展開が現実と置換・交差しているのではないかなと。
妄想と現実が入り交じる混乱が伝わる文で好きです
テンポのビルドは良いかんじです、俺は好き。
しんじつが明らかになるのは大体後半の構築だから冒頭で汲み取れなくてもいいとおもいます
実は妄想病の患者なのだが、それを病院着や院長というワードから推測させるつもりが伝わりづらかったようで無念  ※作者註

機械仕掛けの女神 -dea ex machina-

これはね、どこかで見た気がします
展開速度がやや不安定な気もしないでもない。
とはいえ「義手に意思があるのを最後に持ってくる」だけだとありがちになるジレンマは、九十九神モノとしてはあるあるなんすよね
設定は好み。主人公の目的が弱いかもしれないです
1999年だったかにニフティサーヴに投稿されたシャドウランの小説でかなり似た設定があったのを思い出しました
そっちはオチが"義手に意志があると分かる"というものでしたが
右腕の性格次第では全くコミュニケーションが噛み合わなくて、面白いコメディにもシリアスものにもできるのはうまい。
内容とタイトルが10割一致しているので、満足感があります。
掛け合いシーンを増やすためにできるだけ喋らせるための工夫ですかね

仇統のアステリズム

仇統の〜は通って初日のが落ちると思ってたので個人的に意外でした #作者註
圧倒的な文章力に裏打ちされたSF×ファンタジーなのでちょーつよい。ただ裏切り者の開示は後にしてバディとの接触を真ん中に持ってきてからもう一個事件起こすと良かったかも
昨年のやつと世界観が共通なので、もう仕上げるしかないじゃないですか!
ドライブ感さらにマシマシにするなら、狂王の悪事/目的みたいのも全部省いてしまうのもありかなーとは思いますね>アステリズム
毎年最終選考で、ここまでできてるなら逆噴射に出さずに長編書いたほうが良いよ、っていうアドバイスが出ているので居石さんはその枠ではないか。

真夏のひゅるひゅると、ぐちゃぐちゃ人類

椎名誠と吉村萬壱リスペクト作です ※作者註
今回の「このタイトルがやばい」部門の一角ですな
生活感に椎名誠臭がするとおもったらやはりか
語彙消失してるせいで、ひゅるひゅる呼ばわりされてる「なにか」がたのしい。
すきなタイプだが逆噴射的には厳しいやもしれませぬ
パニックホラー的な雰囲気が溢れているので、ひゅるひゅるやゴマが何であるかを描かなくてもすごい"わかる"のが好き
「ひゅるひゅる」って呼び方がこう、適度に不気味で好き
解像度がうまいんだよね。
クーラーの伏線回収も上手い
あだ名しかわからなくてそう呼んでいるのはスパロボとかSFの侵略でも定番の表現であり強度が強い
本名とか知りようがないしどうでもいい、アレだ
ひゅるぐちゃを、二次通過させた選考チームは偉い。

ローグ、ローグ、ローグ

白蔵主ドンはホントベースの語り口調がめっちゃつよい。二十四時間やっているだけのことがある
もうかっこよさにあふれている
これは数少ないキャラクター描写で勝ってるやつ
ハクゾースさんは名誉優勝
天狗族は基礎パラメータが強すぎるんだよ!!!

「泥棒だけはやっちゃいけねえ」→「勝手に取ったら泥棒になっちまうぞ」
このつながりは見事です
この論理の転がり方の気持ちよさったら無い
天狗族は基礎パラメータが強すぎるんだよ!!!
「ダラダラ地の文でしゃべるな」っていう不文律が吹っ飛ぶ地の文の楽しさ
キャラのセリフだけでカッコいい
さっさと賞に応募してください
まとまったモノを書いてどこかに応募したら賞がとれる文章ですよ。
句読点の一つ一つがキモチイイんですよねこれ
文章を読んでるだけで気持ち良い作家。
タイトルから読めるのが良い。そして3代目のローグが生まれる
あら、褒められて嬉しい! ※作者註

陶磁迷宮都市笠間~不動の階層管理者~

陶磁、まじで陶磁器の陶磁とは最初思ってなくて3回くらい読んだ
陶器五輪
笠間といえば焼き物なので ※作者註
セラミカル、ファンタジーでいうところのクリスタル的ポジションに据えてSF構築するのは発想の勝利かと
土偶?ビスクドールのイメージでよいのかしら。

牙に生え変わるとき

すげえ転がし方するな。と思いました
好きですね
摩部さんの作品から漂うダーティさ、とても好きなんですよね…
映画の冒頭としたらすごくいい
タイトルはよくわかんなかったんですが、内容は割とぐっときました。
これ、タイトルが「牙に」なあたりはやっぱ主人公が牙となるってことなんすかねぇ
臆病な女がひじょうに強い女になる感じですね ※作者註
骨ごとチキンを食らう女になるかどうか、そして生え変わりつつあるというのがフックですね。
場面の展開がちょっと性急だったのかなーと
ただ、ばっちいオッサンが勝手に乗ってきてチキンで車汚したことにキレないのか、というところが個人的に気になって…
冒頭で通帳と指輪投げ捨ててるので伝わるかと思ったら弱かった…
主人公から提案してる時点で一言注意したが面白かったですわ…
展開も詰めてたのがアレでした ※作者註

花嫁は兵器に、そして世界は異世界に

1行目の「つまるところ」で「いやわからんわっっ」って思ったらそのままぶち抜かれて死んだ これはパワー型の勝利
ジャイアント花嫁、共同作業、同衾
そういうものだと読者をねじ伏せて読ませるタイプ
巨大ロボはあまり詳しくないんですが、弍号機がなぜかマント着ててカッコいい、とかを正当に継いでる気がします。
自分だったら「なになになに!?」とかってあれこれやりとり入れちゃうと思うんすよねこれ
わからんうちにガンガンドライブさせるのは日々のカラテの賜物
「ちょいちょいちょいちょい……」と言葉にする間もなく走っていく
感想あるがとうごぜえますだ…こいつはかかとさんからも続き聞かれたので連載までなんとかこぎつけます ※作者註
オービタルフレームみたいにコックなピットやも
コックピットやからね
本当に同じエサ食ってんなーwww
初夜はある意味済んでる、inしてるから! ※作者註

天の光は全てカニ

カニ ※作者註
カニ、なんで通ったか、読み返すとなんとなくわかる。
カニ、まじで数時間でこれ書き上げたの笑った
パルプ四聖獣の一角、カニ
でもなんで通した感もある。パルプ四聖獣め!!
カニばさまれてしまう
あれが全部カニだという絶望感がすごい。夜空を知るものなら、誰でもわかる悪夢
やっぱりタイトルが超秀逸だと思うんですよ、この突き放し方
PULPはいきおい。
これがエビだとこうはいかない
ハサミがあるからね ※作者註
シャコでもこわい
2018年、シャコがブームだったんですよ。あと吸血わかめ。
は?
シャコが登場するパルプが何作か登場したんですよね。
シャコはまあわかるとして ワカメ?
吸血ワカメが2件かぶってて、へるまさんが驚愕してた。
シャコパルプあったんですか
なんで被るんだよ!!(乾燥ワカメが血を吸うイメージか)

おまけ:恐怖のワカメかぶり 2018

未来へ

約1万2千文字のまとめになりました。ふう。
みんなよく語るね!!わしもじゃ、わしもじゃみんな!!
こうやって集い争いあい別れ共に手を携える。まさに創作にドラマあり。

次回もこの調子で最終選考作品を語っていこうと思います。昨年は1月の発表でしたが、今年はいつ頃になるでしょうか。楽しみですね。

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