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蚕のさなぎを頂いたので


信州からのお土産に、
蚕のさなぎを頂いたでござる。

蚕といえばいくつか書きたいことがあるので、
お時間があればひつまぶし

じゃなかった
ひまつぶしに読んでくださったら嬉しいです。


桑の名のつく地名は

古くから養蚕が盛んだった場所
と聞いたことがあるかもしれません。

桑の葉は、蚕様のお食事であるからでございます。

山奥の農村地帯。

大きな茅葺屋根のお家で、
家族みんな、または親戚や雇った人と共に生活をしながら
蚕様を育てるそうです。

幼虫の間は、

お家の一階にも二階にも、

壁一面床一面に蚕棚と呼ばれる木枠が広がって、

足の踏み場もなく。

隙間に布団を引いて寝るような感じだったと。

昼間のうちに桑の葉をみんなで採ってきて、
蚕棚に配るのは子供の仕事だったそう。

蚕の幼虫の食欲は旺盛で、

夜中になって寝静まると、

桑の葉をかじる音が

パリパリ、パリパリ

と、絶え間なく聴こえてくる。

それがとても心地よかった。

という、
子供の時の思い出話を聞いたことがありまして。

70代の女性の方です。

とても美しいエピソードだとおもいました。


モフモフの体と、
まっしろで綺麗な羽を持ちながらも、

家畜化されて食べることも飛ぶこともできない
蚕の成虫。
交尾も人間がかりだし、
卵を産んだら、あとは死んでしまう。

丹念に丁寧に巻かれた楕円の繭は

大人になることもなく、
サナギのまま茹でられて絹糸となる。

その儚さが、弱さや不自由さが、

古くからの女性や子供の運命を物語っているようで

美しいけれど物悲しいすなぁ。。

しかし、
一本では目立たないその糸も、

何本もかさねて折り合わせばキレイなシルクの布になり、
元の何倍もの価値がつく。

一人の力は弱くても、
協力して繋がり合ったときの女たちは、
とても強い。
マジで強い。

っていうことなのかもしれぬ。

この時代に生まれてきたことに感謝して、
蚕と近い仲間の、
ヤママユガのようにたくましく
大きく空を飛べたらいいなと思いましたです。

今日もおつかれさまでした🥰

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