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おばあちゃん集会でロッキングチェア

嬉しい再会がありました。
かわいい憧れのおばあちゃん・ウルスラがまた工房に来てくれました。

ジブリ実写版なおばあちゃんとの出会いはこちら⤵︎

今回は
ロッキングチェアを探していると言う問い合わせ。

この仕事をしていると時々こんなことが起こるんですが、
実はこの日の午前中、
要らなくなったので家具の引き取り手を探していると言う男性が来たところで、
その家具の中にロッキングチェアがあったのです!!
これはまさに縁ですね。

さっそくその話をして写真を見せたら気に入って、
家具引き取りの方を手配する事になりました。
こう言うふうに物事が起こる時ってたいていいい感じにまとまります。



お客様が提供してくれてたロッキングチェア。
肘掛けに続くラインがとても綺麗だけどちょっとへたっちゃってる。

ロッキングチェア、今年のスター家具です。
意外とニーズがあってここ2年半で多分10脚弱扱っています。
新しい家具市場では意外に売られていない上に
どちらかと言うとアンティークやミッドセンチュリースタイル、北欧スタイルが好まれる物なので、自然とアンティーク市場で探す人が多いようです。
特にトーネットスタイルは人気。今年に入ってもう5脚くらい扱ってます。

読書をするのに疲れないからロッキングチェアがいい、と。
「ソファーは結構疲れるの、それにソファーは人を怠け者にするのよ」
82歳のお言葉。ごもっとも。
素晴らしいでございますね。

数日後、
ロッキングチェアを引き取りに行って
ダメージのリペア、椅子の張り替えの見積もりを送ると
その日の午後、お友達を連れて見に来ました。
見にくるというか座りに。おしゃべりに。笑

そしてそのお友達も実は工房のお客様で
以前ミニサイドテーブルを買ってくれたドイツ人のおばあちゃん。
2人揃って歩行器を押し押し
そして2人とも自分のチェア(歩行器椅子 笑)に座って
またも工房はマダムのサロンと化し。

「これでコーヒーが出てきたら最高よ。
あなたカフェもしたら?」

心地いいマイペースっぷり。笑

そして2人は突然ドイツ語で喋りはじめました。
なんと、ウルスラ、ドイツ人だった。
スペイン語が完璧にスムーズなので当然スペイン人だと思ってました。
お友達のエディスはスペイン語はボチボチという感じで、むしろウルスラが訳してる感じ。
その後知ったんですけどエディスは92歳!
全然見えない・・・。
やる気のあるマダムは歳を取らないらしい。

ロッキングチェアを気に入って、翌日また別のお友達を連れて
「これなのよ、素敵でしょ〜」って彼女に見せてました。
「やあね、あなたの工房なのにいっぱいお邪魔しちゃってごめんなさい」
お茶目なので大歓迎です。

そしてそのまま、ロッキングチェアに合わせるクッションを買いに行くのよ、
と、勇んで去っていきました。
30分くらいして
「完璧なの見つけたわ!」って試しに来た。
背の部分に結べるタイプでまさにサイズも完璧。
「最後の一個でセール品だったの。ふふふ」
だって。

キャッキャとはしゃいで、という言葉がぴったりのウキウキムードで
「じゃあできたら連絡してね♡」
可愛い。

こちらもすっかりやる気になったので気合い入れて5日で仕上げました。
ニスを落として再塗装。ちょこっと喰ってた虫喰いを処理して座面張り。
クッションにぴったりな色の生地が手に入ったのですぐに張れました。

優しいベージュを張りました。木の色とコントラストをつけて引き締まった感じ。

仕上がりの連絡を入れるとその日のうちに飛んできて「最高よ!まさに思ってた通りになったわ!」って言う、彼女の言い回しが魔女宅のおばあちゃんそのもの。
「これで日向ぼっこしながら読書するのよ、ああ楽しみ♡」

多分、日常生活にウキウキを提供できてるんだなと思えて嬉しくなります。
翌々日に納品で初めてお宅にお邪魔しました。
まさに、
”小さいけれど必要なものがちゃんとあって
わたし好みのお城“
でした。

これこそがウベコ工房的
いい仕事できた〜
っていう案件でした😊


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