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「グッと地球便」に乗りました。ちょっと裏話編 

思わぬ展開でテレビ番組に取り上げて頂きました。
いきさつと真面目な体験談はこちら↓


今日はちょっと裏話的な面白かった体験を綴っておきます。

カメラの回る時間


取材体験で一番ワクワクしたのは隠しマイク。
刑事ドラマの潜入捜査みたいでカッコいい。
上着の裏側に実はマイクを貼っつけてあってカメラが回っていると録音されていくのかな?
なんかそんな感じらしい。
ちっちゃいウエストポーチみたいのが付いててそれを腰に巻いてもらっているんだけど
「トイレの時言ってください」と言われていたのをすっかり忘れて
何回もトイレに沈しそうになった。
慣れませんねぇ〜
いや、軽すぎて慣れすぎて、忘れる、なのか。

そして初日、何よりビビったのはカメラの照明。
カメラの上に携帯サイズくらいのLEDかな、照明がパッカーンと輝いていてインパクトすごかった。照明に慣れるまで結構かかりました。オデコ、テカっちゃうよ〜。笑

が、
おかげで撮影されている作業がとても明るく見やすくて助かりまくり。
カメラのお姉さんに
「この照明欲しい!」って言ったら
欲しがったのは私が初めてではないらしい。
他にも似たような職の人がこのライトに感銘を受けた(笑)らしい。
家具の中とか暗い部分の作業用に一応ヘッドライトは持っているんだけどこのプロ仕様には劣る!
いつもと違う事を体験するといい発見がありますな。

他にもこれまで取材したいろんな職種の人のお話も伺えました。

普段、いつどんなケースで必要になるか分からないので、ほんとに小さな木辺とか古い釘、金具などなど他人から見たらゴミ相当のものもすべて保管しておく癖があるんだけど
それを見たデュレクターさんが、
以前取材した木工作家さんも同じことしてた、と。
業界あるあるを発見してこれまた嬉しきかな。

作業をしながらいろんな質問にも答えていて
当然本編ですべては使われていないのですが
職業訓練学校時代の思い出話が出てきたり
まったく覚えていない、親と電話で喧嘩した話とか。笑
新たに自分発見。笑

男の世界らしきところにいる女子の話

カメラさんがお姉さんで、(もちろん私よりずっと若いんだけど)
カメラマンの世界に女性はどのくらいですか?と聞いたら2割くらいだということでした。
意外だった。もっといるのかと思ってた。
でも作業を見ていると常に機材を運んだり常にカメラを担いでいたり、と、わりと力作業で
職業訓練学校時代の自分を思い出しました。

はい、回想シーン始まりはじまり。

当時、クラスは20人くらいだったんだけど大工コースなので女子はわたし1人。
普段は恩師ペラのサポートが手厚く、
「力がないなら知恵で勝負しろ」と
いつも➕アルファの知恵を与えてくれてました。
が、どうしてもどうにもならなかった案件が2度ほどあって
ひとつは古いジグソーを使った作業。当時の機械はそれ自体が重くて私の腕力では機械を支えるので精一杯。そこから木材を切り込むことがうまく出来ずにその日は悔し涙で終わるという情けない始末。

学校現場で作業中。卒業制作は上級クラスのデザインチームと組んでのプロトタイプ制作でした。


クラスメイトはほとんどが中卒のガキンチョでいつもヘラヘラ楽しくやっていたけれど
言葉の壁もあるし、さらにこちらは一応大人。仲間だけれど彼らのお気楽な感覚と、私は真剣に取り組みたい学業の狭間でズレを感じたりもありました。
そんな風にイマイチ理解が深まらない時というのもあって、その都度なんとか乗り越えていたんだけれど
そういうフラストレーションがチリツモってあの日溢れ出したのかもしれません。
確か一年目の終わり頃くらいだったと思うし。

翌日はなんとなく足が向かず授業をサボったのを覚えています。
当時作っていた工具箱を塗装する日で、大事な日だったんだけど、どうにも行く気にならんかった。そして女子っぽく街へショッピングに繰り出した。笑
でも翌日行ったらちゃんと私の工具箱もニス塗装されていました。

ちょっと驚いている私に、ペラは
「昨日は何かあったにちがいないと推測したからね、俺が塗っといたよ」とウィンク。
粋な気遣い。
甘やかしてくれるぜ。
こうしてペラはいつも支えてくれました。
でも私はそれに甘えたくないので引き下がらず粘る。それがまたペラの教えたい欲になってどんどん知恵をくれる。最高の恩師でした。

私の背後でハイチーズを無視してしゃべる続けているのがペラ

もうひとつは
ペアでする作業。
2年目に入るとグループ作業やペア作業が増えるんだけど
いつも私とペアを組んでた仲良しのウリは
木材の運搬作業なんかだと結局みんなより負担が多くなっちゃってて申し訳なかった。
18歳のガキンチョたちは力だけは(笑)いっちょ前なのでどんどん重たい板なんか運んじゃうんだけどウリは私と1枚を一緒にうんしょうんしょ。倍かかる。
まあその分、図面の授業とかはいっぱい私がヘルプしてるからもとは取れてるんだろうけど。笑
でも粛々と、ああ完全な男女平等はあり得ないな、と認めざるを得なかった。
平等を求めずに適材適所を考えればすべて解決する話だけれど
やはり限界と言うのがあることは知っていないといけないな、と思った事例です。

ペアのウリ。
成績は非常にいいコンビですが腕力不足は否めず。


はい。
話は戻って、カメラさん。
埃だらけの工房でしゃがんだり、あらゆる場所でカメラを構えて埃にまみれ、ほんとすいません、って思いながらだったんだけど
仕事してるとそうなんだよね。そう言うところも分かるな〜って感じたし
なんとなく親近感が湧いてしまったのでした。

違う業界を見るって面白い
私にはテレビの業界のことはさっぱり分かりません。でも何かを作って伝える仕事は楽しそうだなあと見ていて思いました。
毎日がルーティンでない職業が好きなので
こうしたプロジェクトごとに動いていくのっていいなと思う。しかもいろんな場所でいろんな人と出会いながら。

仕事は仕事。テレビの世界ってなんかとてもその辺りシュールなイメージだったんだけど実際に作業している様子を見てみたら仕事以上に思い入れをもってしている感じ、人間味が溢れていてとても素敵でした。

いろんなお仕事があるんだなぁ。
世の中はたくさんの人の仕事で成り立っているんだなぁ。

村の後日談・放送後談


数日間、ガラス張りの工房でテカテカ照明でカメラが回っていたので
予想通り、撮影が終わった次の週は工房に
「何?何か撮影してた?」と野次馬ご近所さんがいっぱい現れました。笑
スペインにも、海外在住のスペイン人をガイドにその街を観光したり暮らしぶりをリポートする番組があるので、あの番組の日本バージョンだよって言うとみんな納得して帰って行きました。
何人かは上映会を待ってます。笑
日本語だし何も分からんぞ。

取材チームの皆さま、お疲れ様でした

最終的に7時間くらい撮影してくれたようでした。これを今度は20分ちょいくらい?に編集ですって!
まあ大変!
いろんなケースを想定して撮影している感じだったので番組を見るまで私もどんなお話になっているのか知らずにおりました。
しっかりお話の筋ができててしかも時間内にまとまってて圧巻!

ふるさとの両親はグッさんに会えたし
こちらへ来たディレクターさんともやりとりをしたり訪問後に話もできてすっかり楽しんでいました。
番組を見てくれた同級生たちが
おじさんおばさん懐かしい!とか
元気そうだね!と声をかけてくれて、それもなんだか嬉しかった。
私の生態系、いや違う、生活ね。そして仕事の中身も、恐らく日本からは謎だと思うので今回最高な形で見てもらえたと思います。

グッと地球便、スタッフのみなさん
なかなかできない貴重な体験を
ありがとうございました!
これからも頑張りマッスル!



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