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わたしたちはいつでも成長できる

自分が悩んでいても、人に悩みを相談されたら聞く。

そして静かに心を痛めるのだ。人の聞いてる場合じゃないのに。胃も痛いのに。

むやみやたらに励ますことも、大丈夫だよなんとかなるよと無責任なことを言うのも、叱咤することも、わたしにはできない。

自分がしてきたこと、客観的な視点で思うことを伝えたりはするけれど。

人生の岐路に立つ人がいる。今の会社で経営の手伝いをしながら学ぶか、移住して他社で新しい仕事をするか。そりゃあ悩むだろう、仕事のことは。男性ならではの考えももちろんあるだろう。

お金のために働くのもいい。後々の夢のために「やらなきゃ」と働くのもいい。好きなことをするのもいい。のらりくらり働くのもいい。答えはいつだって自分が決める。今すぐに出なくとも。

わたしは迷ったときや悩んだとき、いつも思い出すことがある。闘将、星野仙一さんのことである。

迷ったら、前に出ろ。

前に進むのは、どちらの選択肢だろう?と思う。そしてまた同時に、大変な方はどちらだろう?とも。

安定しても楽でも、迷う時点でそこに満足はしていない。果たして満足しなくとも安定や楽を望むのか、満足すべく苦労しても違う道を選ぶのか。前に進むのは、どちらだろう?

そうして今まで人生を歩んできた。野球選手でもアスリートでもないわたしが、星野さんの考えに毎回救われてきた。

迷ったら、前へ進め。

今回もそうだ。迷ったから、前へ進むことを決めた。相談してきた人もまた同じとは限らない。でも、わたしの考えは伝えた。

「わたしはそうやって決めてきた。自分はどうしたいの?安定して収入も落ち着いた環境で働きたいの?苦労してももっと学んで夢を実現したいの?どっちが楽しいの?」

彼は今にも泣きそうに、考え込んだ。手元のお酒も飲まずに。

アドバイスなんて偉そうなことはできないけれど、気持ちを引き出すことはできる。ひとつひとつ聞きながら、気持ちを受けとめ、理解を示す。

彼は結論を出したいわけじゃない。吐き出して、なにかきっかけを手にしたいのだ。1人ではもう、葛藤を抱えきれなくなっているから。

いろんな方法がある。そんな話をした。自分が一番どうしたいのかを考えてみたら、と。きちんと悩んで決めたいのなら、しっかり悩んでみたらいい。ロジック的に考えたいのなら、子どもたちにやっている方法で手伝うよ。自分だけでおさまらないなら、また話を聞くから。

好きは知っているに勝るし、楽しいは好きにも勝る。結局のところ、楽しいに勝るものはない。前に進むのは、楽しい。不安もあるだろうけれど、道を切り開くのに、希望がないわけがない。希望があるから、前に進める。

一緒に話していたもう1人が、わたしのこれからについて話したあと、笑って言った。

「楽しそうだね」

楽しいよ。だってこれから、どんどん前に進むから。立ち上げの苦しみと辛さと悲しさと、それの何百倍もの喜びを知ってしまったから。

自分が、楽しいと思えるかどうか。決断にはその気持ちを忘れない。

悩んだら、前に進むのだ。星野さんに口説かれて、金本が広島から阪神へ行ったみたいにね。

#日記 #エッセイ #コラム #仕事 #働く

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