過剰適応の高校時代

高校は中学校の知り合いが少ない高校を選び、次こそは同じ失敗を繰り返すまいと気をつけました。(詳しくは前回の中学校編で。)

私が行った高校は小学校からの知り合いが一人だけいるところでした。

そこだけ気がかりだったのですが、無事に違うクラスになり、新しい出会いもあり友達も作ることができました。同じクラスだったらまた違っていたと思います。

また、部活にも参加していたため(中学は緘黙症が辛く途中でやめてしまったが)そこでも友達が増えました。 

知り合いがいない状態で入った高校でしたが、それが逆に好都合で身軽に動くことができました。中学自体からは想像ができないくらいしっかり話せたことは自分でも感動するほどでした。

ですが小学校からずっと緘黙症だった私は友達を作ることは愚か、人と喋ることすらほぼはじめての経験だったため、友達と話してても何を言えばいいのかわからないのと、絶対に嫌われたくない、一人になりたくないという思いで生活することになります。

高校は部活中心で過ごすことになったのですが、部活のメンバーは大半がいわゆるオタクでした。私は無趣味で大体のことに興味が持てなかったのですが、ついていくために周りが好きな音楽や漫画を見て知識をつけました。ですがそれは私に合わなかったのでした。

部活仲間は、一緒に過ごしてくれたし部活が終わっても先輩含めみんなで一緒に帰る仲でした。そこはとても感動したし、中学校時代からは想像もできないくらい充実してるなと感じていました。

ですが休み時間や帰り道、休みの日など一緒にいるようになってとてつもない居心地の悪さを感じるようになったのです。

そもそもオタクではない私が無理やり話を合わせるのに好きではないものを見ることや(私も同じであればよかったのですが)、もともと様々なものに興味がないため、友人の話してることに何も感じず、話を聞いているのが退屈で仕方がないことや(興味がない分野の話だったから尚更)、ASD気質から雑談ができないのに空き時間で一緒に過ごすということがとても苦痛でした。それでも他に好きなものもないし、会話についていけなくなったらどう関わればいいのかわからないのと、とにかく一人が嫌だったことから、合わないノリを割り切ることができず無理をしてついていってしまいました。楽しくないのに笑う、要求を断らない、自分の気持ちを麻痺させて周りの人に合わせる。そもそも人に興味が持てないし何を話したらいいのかわからない中で人と無理に一緒にいる等。

人に興味がないという状態がとても足枷になったのを覚えています。私はとてもみんなといることが辛いのに皆は誰一人として音を上げない。むしろ私がいなくても盛り上がっている。いつまでみんなといればいいのか、話せばいいのか、そういう思いでいっぱいでした。私一人だけ我慢比べをやっているような感覚でした。とにかく興味がない話で盛り上がっている部活仲間を見て、疎外感や孤独感でいっぱいだったのをよく覚えています。

一見仲良くしていたように見えますが、私はみんなと会わなくても、連絡を取らなくても平気(むしろ取らなくていい状況のほうが快適)でした。でも私ができないこと(コミュニケーション)をみんな私の知らないところでやっているから、私も絶対にやらなきゃと思っていました。、

ある時私は辛くなってしまい、みんなといっしょにいる休み時間にトイレに逃げました。なんでかわからないけど一人になると安心するという状態でした。それから時々一緒にいるのを避けるためにトイレに行ったり、用事があると嘘ついて一人で帰るようになっていました。自分自身の居心地の悪さに気付いておらず、自分みたいな人も他にいなかった為、ひたすら周りの行動パターンにあわせていました。少しでも人と同じ行動を取って、少しでも他の人と過ごす時間を多くしないと嫌われたり忘れられるという気持ちが常にありました。

みんなが自分と同じようにコミュニケーションが希薄であればいいのにと強く思っていました。挨拶だけ交わして態度を良くしていればそれ以上かかわらなくて良いと言う状態を渇望していました。

そういう脅迫的な気持ちで周囲と付き合っていたため、一見すると部活に打ち込んで常に一緒にいて、楽しいようだけども結構苦痛な高校生活でした。とにかく自分は異質という印象です。また、先輩とはより雑談が出来ず、2年生になるくらいまで、はいかいいえしか言えませんでした。そもそも同期が先輩と会話してることすら知らなくて、言葉をかわしていたときは焦りや居心地の悪さを感じていました。周りは普通に話しているけど私だけが会話をできない状況が不思議でたまらなかったのを覚えています。

この居心地の悪さや生きづらさ、違和感を誰にも少しも話せなかったために自分自身で自分の添削をしているイメージで生きていました。私の言動はおかしくないか。愛想笑いも上手くできているか、興味がないことに興味を持てているか。毎朝目が覚めると、自分が誰なのか、どういう存在なのか、私の言動や表情は合っているのか本当にわからなくて自分ではない感覚でした。

とにかくいろんな人と会話を続けなければいけない状況や、自分をアピールしていく能力が皆無だった為、楽しいとはまた違う感覚でした。また、部活の内容も主体的のなさから理解ができず、同期がやっていることをひたすらコピーして行うという方法で乗り切っていました。

説明はできないけれど周りに合わせないと生きづらくなるのがわかっている為適応することに全神経を注いでいる高校生活でした。

一見何も問題がない状況で私だけが感じるストレスの正体がわからず言葉にもできない状態でした。

とても励みになります😌