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イタリア旅行記(その2)

イタリア旅行記(その1)の内容
・海外旅行決定&準備
・髪型をコーンロウにして出発

出発&到着(12/29~30)

キンキンに冷え込んだ大晦日前の12月早朝。

コーンロウの怪しげな東洋人が一人、高速バスで最寄りの国際空港に向かう。

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これだけ見るとどことなく犯罪の臭いがするが、観光旅行だ。

利用する飛行機は中国東方航空。

当時は聞いたことも無い会社だったため、大丈夫なのかかなり不安だった。
(※その後の海外旅行でかなり利用することになる)

上海で乗り継ぎ、一路ローマへ。
到着は現地時間で日没後だ。

狭い座席に数時間座りっぱなしのため、腰痛とエコノミー症候群で死ぬんじゃないかという恐怖に怯えながらも無事寝落ちしていた。

そんな中、機内アナウンスがローマへの到着を告げる。

ウィンドウシールドを上げてみると、眼下にローマの灯かりがキラキラと輝いていた。

初めて見るローマの灯かりは日本のそれとは違い、街灯の関係もあってか街全体がオレンジ色なのだ。

ボンヤリというかフワフワというか、まだ夢から醒めていないんじゃないかと思うような浮遊感のある景色だった。

と、男二人で景色に見とれているうちに機体は無事にフィウミチーノ空港へ着陸した。


実践イタリア語

ロストバゲージに合わないかとビビりながらも無事にトランジットを終え、空港往来線のレオナルドエクスプレスでローマ市内のテルミニ駅(中心駅)へ向かうことに。

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と、ここで初のイタリア語会話。

出国の時にライターを没収されたので、空港内タバッキ(=簡易コンビニ)で購入する必要がある。

なぜ”必要がある”と言い切るかと言えば、僕が自分に課している「現地民との会話は可能な限り現地語。酒&タバコも現地のものを味わう。」という勝手な信条を貫くためだ。

さてタバッキは…と、あったあった。

いやぁー、店員のお姉さん、冬なのに胸元の空いたタンクトップ一枚(おそらくノーブラ)で超セクスィーなんすけど。

とりあえずライターと現地のタバコを買おう。

僕:Buongiorno. Uno accendisigaro e uno tabacco, per favore.
  (こんちは。ライターとタバコ一つください。)

店員:Sì. Quale sigaretta vorresti?
  (はいよ。タバコはどれにする?)

僕:Qual è popolare?
  (どれが人気?)

店員:Questo.
  (これよ。)

僕:D'accordo. Quanto costa?
  (了解。いくら?)

店員:〇〇€.

僕:Grazzie.
  (あんがとー)

2012年当時の記憶で間違いもあるかも知れないが、初のイタリア語会話はセクスィーなお姉さんとの実践だった。(マジメな意味で)

タバコはイタリア産ブランドMS Rossoを購入。
当時のレシートを見てみると4.3€(≒490円)だったから、やはり日本に比べて割高。

よしよし、滑り出しは上々だ。

※ファーストステップが上手くいったもんだから、自信が付いてその後の市内観光や駅の窓口でも臆することなく話すことができた。成功体験って、かなり大事だ。

ライターとタバコを手に入れ、鉄道でローマ入り。


初めてのローマ


汚ねぇ!
これが首都!?
というか閑散としてる!


テルミニ駅を出て抱いた第一印象はこれだ。


その後の海外旅行で段々とわかってきたが、ヨーロッパの主要駅は日本の駅のようにショッピングモールが併設していたり駅に連なって大きなビルが立ち並んでいることは稀なことが多い。


ローマのテルミニ駅(2012年時点)はその代表格のような佇まいで、一見するとスラム街の中に突然駅舎が現れたようないで立ちだ。


それに加えて驚いたのは、路上駐車の多さと雑多さ。


スクーター&バイクが所狭しと並べられており「奥の人、絶対出れないんじゃないの?」というレベルだ。


路上駐車の車は前後ギチギチの状態で縦列駐車している。
出る時に絶対コスるやつ。というかぶつけるやつ。


そしてそれらすべてが砂埃でメチャクチャ汚い。
ツーっと指でなぞったら文字が書けるレベルで汚れている。


バイクや車がこんなにも雑多な環境なのに、人がまばらなのだ。


「夜だし、商業施設もないし、こんなもんか」と思ったが、テルミニ駅周辺は連日そんなもんだった。


ホテル到着


今回はテルミニ駅にほど近い中国人街に隣接するホテルを確保。
今回の旅の拠点だ。


ネットの情報に「二つ星」とあったが、若干小汚い感じ。
…いや、安全が確保できて暖かく寝れれば、それで良いんだ。


部屋はワンルームで、風呂はシャワーのみ。
ロの字型の建物のため、窓を開けると中庭が見える。
イメージとしてはヒッチコックの『裏窓』の舞台となるアパートのような感じ。


友人と互いの部屋の位置を確認し、夕食を求めて市内散策に出ることにした。


イタリア初の食事は

カルボナーラ
ピザ
ワイン
チーズ等

を友人とシェア。
もちろん〆にカプチーノ。


やっとありつけたご馳走というだけでもかなり満足感が高かったが「イタリアの下町でイタリア料理を食べる」ということにテンションが上がり、結構なペースでワインを流し込んだ。


食事を済ませて市内をブラブラとしていたが、とにかく灯かりが少ない!


治安的にも日本と同様ではないということを肝に銘じ、気を張りなおすことに。


とかいいつつ、帰り道にサンタ・マリア・マッジョーレ教会近くでジェラート屋を発見し、吸い込まれるように店内へ。


ピスタチオ味をオーダーして食べたところ、あまりの美味しさに感動して冬空のローマの下、震えながら食べた。


ホテルが近いということもあって、この店にほぼ連日通うことになった。


後から友人から聞いたところ、ジェラート購入の際に店内で地元警察が一服しており、深夜にコーンロウの怪しい東洋人が入って来た途端にちょっと身構えていたらしい。


友人はその様子を見て、爆笑していた。
言えよ。拘束されるだろ。


ホテルへ帰り、シャワーを浴びて即寝落ちした。


ローマ散策&カウントダウン(12/31)

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目覚めた時、自分の部屋ではないことに違和感を覚えて飛び起きた。
「そうだ、今、イタリアに来てるんだ…」と、やっと実感が湧いてくる。


窓を開けて一服するが、地中海性気候のおかげか日が出ると凍えるほどの寒さではない。


朝食はホテル別室でビュッフェ方式。
と言ってもほとんどパンだったけど。


驚いたのは、パンが全て甘い菓子パンのようなものばかり。
所謂「ドルチェ」だった。


調べてみると、イタリアでは朝から甘いものを食べるのが定番らしい。


外国人旅行者のためか塩気のあるものも並んではいたものの、かなり売れ残っている状態だった。
ところ変われば…ってやつで結構びっくりした。


僕自身は甘いものが大好きで「朝から甘いものを食べれるし、コーヒーも飲み放題なんて最高だ!」と思っていたが、友人はあまり食が進んでいなかった。


ご飯を済ませて、ローマ市内散策&バチカン市国へ出発した。


ローマ市内散策

全ての道はローマに通ず
ローマは一日にしてならず


ことわざや色々な絵画・音楽・映画のモチーフになるローマは市内のそこら中が観光地だ。


前日にジェラートを食べたジェラート屋すぐ横のサンタ・マリア・マッジョーレ教会は歴史ある教会だし、市内に湧き出ている水道はローマ時代から続いているものも少なくない。


『ローマの休日』で有名なスペイン広場の階段はいつだって人で溢れて、誰もがジョーとアン王女になりきってポーズを決めている。


そんな観光名所だらけのローマを巡るのに欠かせないのが「Roma Pass」だ。


これがあれば大行列を作っている観光所でも並ばずに入ることができたり、料金も割安で入れる所が多々ある。


さらにはローマ市内の公共交通機関もフリーパスという至れり尽くせりなパスカード。
観光資源が豊富なだけあって、太っ腹だぁ。


時間もお金も節約できる、超お得なマストアイテムだ。


タバッキでの購入もできる(※2012年時点)し、日本国内での事前手配も可能とのことなのでローマ観光する方は絶対に持っておいた方が良い。


大事な事なのでもう一回言う。
絶対に持っておいた方が良い。
(※旅行期間に合わせての購入や各観光所での使用可否は各自要チェック!)


僕と友人はこのチケットを使って各所を巡り、一日目のローマ市内散策だけでヘトヘトになった…

というのも、地下鉄に乗ろうとするも行く先行く先に観光名所があり、芋づる式にズルズルと歩き回ってしまうのだ。
(歴史の街たる京都もそんな感じがする。)


しかし、ここでへたってしまう訳にはいかない。
この日最大のイベントは「ローマ市内でのカウントダウン」だ。


聞くところによると、ローマ市内でのカウントダウンはいたるところで花火が打ちあがり、みんなお祭り騒ぎで飲み歩くとのこと。


ローマに来たからには行くしかないでしょう。


バチカン市国でご説法を拝聴


ローマ市内散策で疲弊しながらも夕食を済ませ、バチカン市国へ。
当日昼に一度見たものの、夜にライトアップされた姿の荘厳さに絶句…していると嬉しいサプライズが。


何と、当時のローマ教皇ベネディクト16世のライブ(説法)があり、誰でも教会内に入って拝聴できるとのお触れが!


これは是が非でも行かねば!とミーハー心丸出しで列に並び(当然のようにローマパスは関係ない)、教皇のありがたいお言葉をいただきながら2013年を迎える準備を整えた。
※イタリア語初心者の耳では半分以上は何言ってるか聞き取れなかった。聞き取れる範囲だと「あなたがたに幸あれ~」とか「祝福します~」とか、そんな感じだったはず。罰当たりな書き方だけど…


さぁ、神聖な気持ちになったところでカウントダウン会場へ。


と言っても特定の会場なんてなく、何となく人が集まっている所へ流れていくだけ。


付いた場所は昼間見てそのデカさに感動したコロッセオ…の横の広場。
コロッセオは夜間入場禁止。当たり前だ。


もう、辺り一面人だかり。


ワイワイガヤガヤソワソワしていると、どこからともなくイタリア語でカウントダウンの開始。

Dieci!
Nove!
Otto!
Sette!
Sei!
Cinque!
Qattoro!
Tre!
Due!
Uno!

Buon Anno!!!(良い新年を!)


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新年の挨拶の大合唱と同時に、誰が準備したのか大量のロケット花火があちこちで打ちあがる。

酒や花火が服に当たって怒り出す人もいれば、驚いた犬が逃げ出してそれを追いかけるじーちゃんがいたり、塀(恐らく遺跡)の上で飛び跳ねてた群衆が将棋倒しのように雪崩れて来たり…幸い死傷者はいなかったらしい。すげぇな。

色々とメチャクチャなカウントダウンで、呆れたのを通り越して友人と爆笑してしまった。


二人でゲラゲラ笑っていると地元のにーちゃん達が気軽に「Felice Anno Nuovo! Buon Anno!(明けましておめでとう!よい新年を!)」といってハグと握手をしてくる。


何なんだこの熱量は。
こちらまでオープンな気持ちになる不思議な魅力に翻弄されながらも、挨拶を返し、すれ違う人達にハグや握手をしていく。


ポジティブな方向への感情の爆発って、こういうことなのかと今でもグッとくるものがある。


普段の生活だと「恥ずかしいから」「大人げないから」という言葉で自分を押し殺すところだけれど、ローマのカウントダウンはそんなことすらバカらしく思えてしまう不思議な魅力があった。


名残惜しいが、明日も続く市内散策のためにお祭りムードを離れてホテルへ戻る。


翌日の市内散策は

ポポロ広場
スペイン広場
サンタンジェロ城
トレビの泉
パンテオン
ディオクレティアヌス浴場跡
コロッセオ
アウグストゥス廟
コンスタンティヌス凱旋門

等々…とにかく歩けば観光施設に行き当たる。
手あたり次第に観光名所を巡り、本当に「修学」旅行の一環だった。


数千年の歴史を誇るローマの遺跡を見るなんて、地元ローマっ子でも一生かかっても無理なんじゃなかろうか。


各施設については僕の記事なんかよりもっと詳しい人がいると思うので、そちらを参考にされたい。


(その3へ続く)

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