見出し画像

歩み

いつも気付きやヒントをくれる、よしぱらさんの記事を読んでいて思い出したことがあった。

私は案外早く、自分の夢というものができていた。

漫画家

絵を描くことも好きだし、自分の作った物語を表現できる場として選んだ。

絵もぜんぜん未熟ながら、毎日毎日漫画を描き、寝る間を惜しんで描き続けた。楽しかったし、若かったから寝不足なんてものもなく夢中だった。

それが結果に繋がり、担当編集者がつき、アシスタントで勉強しながら、19歳の時に漫画家プロデビューした。

ここまでの私は夢に向かって一直線に進んでいたと思う。

いつか連載枠を勝ち取るべく、日々漫画を描いていた。

画像1

それが父が病気で亡くなったのを機に一変する。

私が働いて確実な収入を得られなければ生活できない状況に。

漫画を描く時間も減っていき、ただ寝に帰るような生活は結婚するまで続いた。

結果、漫画家は断念。それでもいつも「私はこのままでいいのか」という思いは消えずにいた。そんなふうに考えていても状況は何も変わらなかった。

そんな時、友人に言われた言葉

「日々努力をして成長できない人ってどうかと思う」

その時の私にはきつい言葉だった。

自分のやりたいことも出来ず、夢を諦めていた私への重い言葉だった。

しかし、その時の私は、すべてがギリギリだった。体力も精神的にも。若かったからそんな生活も出来ていたんだなと、今はつくづく思う。

その頃の私は「余裕があれば自分のやりたいこともやっている!」そう思い、友人に言われっぱなしのことが悔しくて、もどかしくて……。そんな日々を送っていた。

実生活の仕事では、その仕事の資格をとったり、長年働いていると責任者として働くことが多くなった。そのおかげで給料も良くなったが、責任者としての扱いになると、やはり仕事は忙しくなっていった。

「日々努力をして成長できない人ってどうかと思う」

その頃から「私は成長していないのか?」友人の言葉に疑問が生まれた。

確かにやりたい夢は断念してしまった。私より後に漫画家デビューした作家さんが売れるのを見て嫉妬もした。
ご両親も健在で住む家も、食べるものも普通にあって、漫画だけを描いて生きていける環境に妬みが生まれた。

でも、今の私は今の仕事で店を回せるだけの力も権限もある。それは何年もこの場所で働いて信頼を得たからだ。「成長していないなんて言わないでくれ」そう思い続けた。

がむしゃらに働いていた、あの頃は「楽しい」なんて言葉は見つけられなかったかもしれない。

とにかく生きていくだけで精一杯だった。

画像2

今の私の生活から過去を見ると、本当に遠回りなことばかりだった。

その時の私に「夢を叶える」なんて言葉は見つけられなかった。

それが今は嘘のようだ。

何度も遠回りをして、やっとここにたどり着けたのも、その過去があったからだ。

悔しい思いも、悲しい思いもたくさんした。

それがあるから、やっとここまできた。そう言える。

だから今やっと「夢を叶える」その言葉を口にすることができる。


「日々努力をして成長できない人ってどうかと思う」

そう言った友人は、仕事を始めたり、辞めたりを繰り返している。
追いかけていた「夢」についても「仕事が忙しくて、ぜんぜん暇がないんだよね」「ちょっと怪我して仕事も辞めたから、何も出来なくて」

そんな言い訳をしている。

あ、そうか。

友人にとって「夢」を諦めた昔の私は、言い訳をしているよう思われていたのか……。まあ、そう思われても仕方ない。

まるで昔の自分を見ているようだね。

でも今、私はその友人に返すよ

「日々努力をして成長できない人ってどうかと思う」

画像3

でもさ、どんなに遠回りしたって、道は続いていくんだな。

よしぱらさんの記事を読んで、私の進んでいる道は、どんなに遠回りしていても、私が願っていた道だと確信できた。

よしぱらさん、ありがとうございます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 夢だった小説家として、沢山の方に作品を読んでいただきたいです。いただいたサポートは活動費と保護犬、猫のボランティアの支援費として使わせていただきます。