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どこ?

夢なのか、現実なのか

どこ?

お昼のチャイム音が私に入力される。

iPhoneの画面を確認する。

12:00

そのような情報が私に入力される。

悪魔と悪夢に襲われた私の精神は夢と現実の区別がつかなくなった。
いや正確に表現すると、区別はついている。ついているのだが、現実に私が存在していることが信じがたいのである。

手を動かそうと思えば動く。
これは誰が動かしているのか。

言葉を発しようと思えば発することができる。
これは誰が発しているのか。

壁に触ろうと思えば触れられる。
これは誰がそのように指示を出しているのか。

分からない。

この現実と繋がっている人物は誰なのだ。

私とは身体なのか、それとも身体に指示を出している者なのか。
とてもではないが、私が身体に指示を出している者とは思えない。

しかし、身体それ自体が私とも思えない。

身体でも、身体に指示を出している者でもないなら、私はどこに存在しているのだ。
一体全体、私はどこに存在しているのだ。

夢の中か。
いや、違う。
これは紛れもなく現実だ。
私には現実の音が、現実の視覚情報が入力されている。

私はどこから現実の情報を手にしているのだ。

分からない。

平衡感覚を失ったまま、今日も長い1日が過ぎていく。



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