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悪魔の囁き

「お前は存在を持つべきではなかった」耳元で囁いてくるのである。

「仕事を休んでしまった」、「職場に迷惑をかけているに違いない」、「同僚がうつ病になったら私の責任だ」、「臆病者と思われている」、「もう職場に戻ることはできない」・・・

延々と自責の念が続く。

それと同時に悪魔が囁いてくるのである。

「お前は何のために存在しているのだ」、「何の価値を会社に、社会に提供しているのだ」、「1日中横になっているお前は何の価値も提供していないだろう?」、「ほら、お前は誰の役にも立っていないのだよ。」、「そもそも、他の人間がお前の代わりに存在すればもっと社会は良くなってたはずだろう?そのことに自分でも気づいているだろ」、「目を逸らすなよ。その事実から」、「お前には存在価値はない。」

「お前はそもそもこの世に存在を持つべきではなかったのだよ。」

私は弁解する。

「いや、一応仕事はこなしてきたと思う」、「家族だっているし、家族に価値を提供している」、「ほら、何より病院にお金払って経済を回しているじゃないか」

悪魔はまた囁く。

「本当か?それは本当にそう思っているのか?」、「他の人の方がお前よりも優れているだろう?それに気づいているだろう?」

「他の人が代わりに存在すれば、会社、社会、家族はもっと幸せかもしれないぞ。ほら、気づいているだろう?その事実に。」、「お前は大した病状じゃないのに病院にかかるなんて、社会のお荷物だろ?」

「認めろよ、お前はそもそもこの世に存在を持つべきでなかったという事実を。」

「じゃあ、どうすれば?」
自死が頭によぎる。

しかし、自死は怖い、何より周囲の人間に迷惑をかける。
なにより、私が自死を選ぶことにより周囲の人間が私と同じような状況になってしまうかもしれない。
そうなってしまえばまた、私の罪は重くなる。
何もすべきでない、何もすべきでない、何もすべきでない。

私はこの囁き悪魔と闘いながら長い1日を今日もまた過ごすのであった。

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