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深夜ラジオの感覚でVTuberの配信を聴き、沼に浸かり始める。

最近、在宅ワーク中に流している音楽やラジオがVTuberの動画配信に置き換わり始めている。

VTuberというのは、バーチャルユーチューバーの略である。
2Dや3Dで描かれたグラフィックをアバターとして、YouTube配信や動画投稿を行う配信者のことだ。

そして私は今、そのVTuberの沼に浸かり始めているのだ。

正直なところ私はVTuberに限らず、ヒカキン氏のような生身のYouTuberでさえも興味を持って来なかったので、唯一VTuberに関する事として知っていたのはこのCMぐらいである。

(最近このCMを企画したクリエティブディレクターの講義を受けたのだが、アイデアの組み立て方が非常に面白かった。)

そんな私がなぜVTuberの配信を聴くようになったのかと言うと、あるポケモンの動画を見たことがキッカケである。

一度クリアをしたストーリー部分が再度見たくなり、色々動画を漁っていたところ、この配信動画に当たったのである。
最初は見たいところだけ見れば良かったのだが、ゲームプレーやストーリーの反応に対する共感から色々振り返って見るようになった。
そして、一通り見終えてようやく「この人は何者なんだろうか?」という今更な疑問を抱いたのである。

Google先生に訊ねると、ホロライブという女性VTuberグループに所属している有名な配信者だと教えてくれた。
彼女の他の配信も興味本位で見てみたのだが、そこからはさすが現代のインターネットアルゴリズムである。

それまで登山やサッカー、ポケモンなどに関する動画コンテンツが並んでいたのに、AIが余計な気を利かせて、レコメンドに様々なVTuberの配信動画を並べ始めたのだ。

最大の趣味であるサッカー関連の動画を追いやるYouTubeのアルゴリズム(苦笑)

別に「おい!ふざけるな!」ということでも無いので他の配信も見たのだが、個人的に面白いと感じたのが雑談配信である。
話のネタは近々にあった出来事やイベントの感想などが中心であるが、トーク力の高い人が多く、何だか昔の深夜ラジオを聴いているような感覚を覚えた。

私が学生時代に聴いていたラジオ番組は、夜遅くまで勉強したり寝落ちするまで掛けっぱなしにしていたオールナイトニッポンのような深夜ラジオだった。
本職とは違う一面を見せるパーソナリティのトークを毎晩楽しみにしていた。

社会人になると夜はしっかりと寝て休む時間になり遠ざかってしまったのだが、VTuberの雑談配信を見るとその頃の楽しさを思い出させてくれるようであった。

深夜ラジオだとネタを書いて投稿するハガキ職人という名物リスナー達がいて、彼らの投稿から話が膨らんで展開されていくのだが、それと同じような役割を動画配信ではチャット欄が担っている。
長々とした文章ではないが、小気味の良いテンポで書き込まれながら流れていき、それを配信者が拾ってさらに話を展開しているのだ。
私が聴いていた頃のラジオはハガキ以外にメールやFAXもあったが、チャット欄の方がリアルタイムでスピーディだと感じる。

YouTubeが動画配信サイトである以上は、可愛らしいお姿も含めて本来は楽しむのが一番なのかもしれないが、生活や仕事の時間軸とリアルタイム配信が合致しないため、仕事をしながらのアーカイブ聴取になってしまうのが申し訳ない限りではある。

まだまだ色々なVTuberを開拓中だが、割と最近聴いているのはこちらの3人。

戌神ころね
先に述べた通りVTuberを知るキッカケの方。ホロライブゲーマーズというユニットに所属しているため、雑談よりもゲーム配信が多い。子供の頃に遊んでいたゲームもよく配信しているので、雑談だけでなくそちらの方も懐かしい思いで時間がある時に視聴している。

白銀ノエル
YouTubeのAIが気を利かせてオススメしてきたVTuber。“バーチャル大分県出身“ということもあるのか、方言っぽいようなほんわかした話し方をされる。午前中、ゆっくりと脳のギアを上げながら仕事をするのに丁度良いテンポである。

宝鍾マリン
こちらもYouTubeが気を利かせてオススメしてきたVTuber。この世界を全く知らなかったので失礼な話だが、登録者数200万人を超える凄い配信者である。下ネタも含めてこの人が一番深夜ラジオの雰囲気に近い。
チャット欄のコメントと腹筋崩壊レベルのお笑いプロレスが急に始まることも多いため、書く仕事をする時に聴取するのは全く向かないが、シンプルに“トーク力お化け”なので面白い。

上記の3人だけでなく他にも色々な方々が所属していて日々配信をしている。
ちなみに雑談やゲーム配信をしているだけかと思っていたのだが、実はアイドルであり歌もリリースしていると知るのは、雑談を聴くようになってからさらに先のことである。

私の場合、歌は特定のアーティストのファンというわけではなく、自分の好みや気持ちに刺さった歌をプレイリストに入れてザッピングのように聴くため、ある意味ジャンルは広い。
J-POPも聴くし、海外アーティストやロックバンド、アニソン、アイドル曲、ゲームBGM、映画のサントラ、そしてフットボールチャントの音源も聴く。

なので変な偏見とか無く実際に色々聴いてみたのだが、かなりの衝撃を覚えた。

星街すいせい「Stellar Stellar」
最初に聞いた時に思った感想が「歌上手っ!」。ボーカルもバンドも音の感じがとても好み。一発撮りをコンセプトに配信されるTHE FIRST TAKEにVTuberとして初めて出演している。
最近、コラボレトルトカレーがイトーヨーカドーオンラインストアで予約販売されることになったのだが、アクセスが殺到して初日からサーバがダウンする事態になる程の人気を誇る。

こちらの2曲は不思議な歌詞や曲調だが、それぞれ歌い手の個性を上手く捉えながら言葉を歌詞にして置いているのがわかると非常に頭に残る楽曲だと思う。私自身は割と文章でも歌詞でも言葉遊びは好きである。

宝鐘マリン「Unison」

兎田ぺこら「ぺこらんだむぶれいん!」

正直、トークもゲームも上手くて、歌も上手いのかと頭がクラクラした。

いわゆる企業案件として大手企業とのコラボもしているので、VTuberというのは世の中的に当たり前の世界であり存在なのかもしれないが、全く触れて来なかった私としては強いカルチャーショックである。

ゲーム配信から入り、雑談を聴き、そして歌を楽しむ。
ここまで来るとVTuberの沼に浸かり始めているのではなく、腰ぐらいまで浸かっていると言える。

いわゆる“ガチ勢”のような熱量があるわけでもないので、そういうファンからすると「腰ではなく足首ぐらいの浸かり方」なのかもしれない。

暖簾の変なくぐり方をした人間ではあるが、それでも今後の配信や活動を楽しみにしながら聴いていきたいと思う。

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