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ヨモギ編:第七話 ぱつ子、大苦戦!?最大の壁!!

ヨモギが豪邸に住むようになってから1週間ほど経つ。
相変わらず岩のオブジェに隠れている。
正直、姿が見えないのはつまらない。
不満ではあったが、慣れるまでは仕方ないのかもしれない、と自分に言い聞かせた。
しかし、それ以上に頭を抱えていることがあった。
そう、餌だ。
餌を全く食べてくれない。
家にも慣れていないのに餌なんか食べるわけないじゃないか、と思われるかもしれない。
その通りなのだが、さすがに1ヵ月も食べないと心配だ。
カエルは生き餌しか食べない。
YouTubeを見ていると、飼い主がピンセットから人口餌をあげて、カエルが食いついている姿を見ることができるが、これはカエル飼育に慣れている人だからこそできることだ。
そして、どんな人でも最初は苦労したに違いない。
まずはピンセットに慣れさせることから始めないといけない。
なかなか骨が折れそうだ。
飼い主の手から食べることに憧れはあったものの、仕事の日は早朝に家を出て、遅くに帰宅という日々の中で、とてもそこまでの時間と体力の余裕はなかった。
手からあげることは諦めて、好きな時に食べられるようにエサ皿を買った。
生き餌となると気が進まなかったが仕方がない。
代表的な餌として、「コオロギ」「デュビア」「レッドローチ」「ミルワーム」「シルクワーム」がよくあげられていた。
カエルを飼うということは、必然的に生き餌も飼うことになる。
キャッチコピーを作るとしたら、
「カエルを飼うと、もれなく生き餌付いてくる♡」と言ったところだろうか。
この中で選ぶとしたら、コオロギがまだ平気ではあったが、餌をあげる際にピョンピョンと虫かごから出て行かれては困る。
というわけで却下。
消去法でいくと、ミルワームがまだその場でうねうねしているだけなのでマシか、と思いミルワームを買った。
エサ皿に数匹入れてケージの中に置いたが、何日経っても1匹も減っていない。
そもそも岩のオブジェから出てきてすらいないのではないか、と思い、ヨモギには申し訳ないがオブジェを撤去することにした。
以降はポトスに隠れるように身を潜めていたが、相変わらず餌は食べない。
ミルワームに気づいてない?と思い、小さい虫かごにヨモギとミルワームを入れて様子を見た。
食べるどころか、逃げるように壁に張りついたり、身体によじ登ってきたミルワームを手で掃いそのまま壁にたたきつけていた。
これには思わず吹いてしまった。
諦めてケージに戻す。
見た目としては、まだそこまで痩せていない。
1ヶ月くらい食べなくても死なない とも書かれていたが、これが2,3ヵ月と続いてくると話は別だ。
さらに調べていると、どうしても食べないときは強制給餌といって、カエルの口を開けて食べさせる方法が書いてあった。
動画にあがっていた通りにやってみるも、口を開けてくれない。
身をよじって手から脱出しようとしてくる。意外にも力が強かった。
ヨモギも必死なのだろう。
これ以上ストレスを与えるのも、寿命を短くしてしまう原因になりかねない。
残念ながら、強制給餌も断念した。
頭を抱える日々が続いた。
仕事をさしおいて、この時1番の悩みだった。
                      第八話へ続く
☆今日の豆知識☆
カエルの水分補給は口からではなく、お腹を水につけて皮膚から吸収するんだって!水はカルキ抜きをしておくと安心だよ!





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