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田幡庸特集~耳の人生~

田幡庸

今日は田幡庸という僕の友人について書きたいと思います。田幡と僕は、小中高と同じ学校で過ごしました。小中はただの友達程度の付き合いでしたが、高校に入ってからはコンビを組んで漫才をする相方という存在になりました。10年以上そばで見てきたので、嫌なところもダサいところも知っていますが、なんだかんだ好きです。

ところが、他の人と話す際に彼の名前を口に出すと全員が「うるさくてたまにキレて、フラれ続ける変な人」みたいな印象を持っている気がします。彼の魅力が全然伝わっていない。そう感じたので今回、2時間以上に渡る電話インタビューを行い、彼の人生をまとめる事で魅力を発信したいと思いました。以下僕のNoteでは初の試みとなる個人にフォーカスした記事です。

幼少期

田幡庸~耳の人生~

2018年3月17日。僕たちは最後の舞台に向けてスタンバイしていた。一年先輩の田幡は今日で卒業。学校でやる漫才も、今日で最後だ。二人とも忙しくてまともにネタ合わせが出来ていない。正直、スベるのは確実だった。すのこで音をたてないように舞台袖に向かうと、ガラス越しに演奏しているバンドが聞こえてきた。

急にこれが最後だというのが寂しくなってきて「卒業したら、小さい漫才の大会とか出てみようよ」と言ってみた。卒業後に落語家を目指す事を決めていた彼は、曖昧な返事でそれを流す。さみしかったが、彼の意志は固いと再認識した。

彼の一番古い記憶は、風呂で溺れている自分を俯瞰で見ているというものらしい。小さい頃から活発で、木登りや鬼ごっこが大好きだった。耳が顔に対して大きいのもあって、凄くサルっぽかったのを覚えている。

一方で海外の冒険漫画タンタンとの出会いから漫画にはまり、小学校では毎日漫画を書きためて友人に見せていたインテリな一面も合わせ持つ。その数はA4ノート7冊以上になるが、熱心な読者だった友達が転校して書くのを止めてしまう。

そんな彼の人生におけるキーワードは、ラジオだ。たまに泊まりに行っていた祖父の家では、いつもラジオがかかっていた。泊まった日のチャンネル権は彼にあって、いつもガチャガチャ回していたそうだ。

いつものようにチャンネルを回していたある日、たまたまやっていた落語の放送に出会う。帰宅後その話を家でしたら、親の知り合いが子供用の落語本を送ってくれた。その後家でもラジオが聞けるようになった彼は、どんどんと落語にはまっていく。そのうち「この面白さを他の人と共有したい」と思い、自分でも落語を覚え始めるのだ。

そして同時にAMラジオばかり聞いていたせいか、好きな歌が演歌だらけという異様な少年時代を過ごすことになる。よくワイシャツを着ていたのもあって、小学生にして完全に「年老いキャラ」が定着してしまったそうだ。

中学生になってそんな年老いキャラから脱したいと考えた彼は、FMラジオにも手を出し始める。一時はラジオDJになりたいと思っていたほどだ。邦楽の途中に入る英語(アイラブユーとかフォーエバーとか)が嫌いすぎて洋楽ばかり聞いていたが、それが後に彼の人生に影響する。洋楽の中でもビートルズのファンになり、お小遣いを貯めてCDを買っていた。

CDを何度も聞き返すうちに日本語訳を見ないで歌詞を理解したいと思うようになり、自然に英語が上達していく。シャーロックホームズへの憧れもあって英国に行きたいと思うようになり、高校はイギリスに長期留学出来る所を選んだ。当時書道の授業の集大成として四字熟語を書くというのがあったのだが、彼が選んだ言葉は「奇人変人」。とにかく人と同じ事をやりたくなかったらしい。

イギリス留学は本当に充実していて「自分の知らない世界はまだまだある」と感じたそう(流れ的に奇人変人なコメントが欲しかった)。僕の記憶が正しければ、帰国後めちゃくちゃ猫背になっていた。高校三年生時には、小学生の頃から親しんできた落語の道へ進んで、落語家になろうと決めていたそうだ。

同時に弟子入り前にもう一度海外に行きたいと思うようになる。そこで卒業後はバイトをしてお金を貯め始めながら、師匠探しを始めた。お笑い芸人に興味を持ったのがきっかけで、深夜ラジオも聞き出した。高校ではテレビや映画に浮気をしていたが、もう一度ラジオに戻ってきたのだ。その年の12月から2ヶ月強の旅行に出かけ、帰国後の2019年5月落語家を目指して入門する。

数週間前、事情がありその師匠の元を離れることになり、現在は別の師匠に弟子入りしようとしている最中である。そんな中コロナウイルスによる外出自粛期間になってしまったが、何か行動を起こそうと自主ラジオ配信を開始した。冒頭でフラれるイメージを持っている人が多いと書いたが、現実は否、現在の彼女とはTwitterで出会い交際に発展した超令和な恋愛マスターだ。

人と違うことを目指してきた彼だが、自主ラジオにおいてはまだ方向が見えていないそうだ。自分独自の面白さを見つけられていないと語る。だからこそ、リスナー参加型のラジオを目指しているが、メールがなかなか来ないらしい。一日のリスナーが二人という日もあるらしいので(そのうち一人は僕)、是非みなさん聞いて見てほしい。



という事で、今回はウヨバタの為にならないラジオを配信している田幡庸の特集記事でした。長い取材の半分以上をカットしてしまいましたが、その中には彼がラジオで話した内容もあるので仕方がありません。自分も取材記事を書いてほしいという人も募集します。興味がある方は是非。↓ラジオのリンクです。

https://anchor.fm/yoh-tabata

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