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物流で使う印刷機は意外と寿命が短い

E-Commerce というよりは通販全般のお話です。

昔、健康食品の通販をおこなう会社におりまして、その際の会員数は 3,000 人程度。月の出荷数は 300 程度でした。社長が交代となり、新規事業としてオリジナル化粧品の開発と通販が始まりました。そこから半年で 会員数は 30万人に、月の出荷数は 30,000 ほどになりました。

この半年に何がおこったかというと、コールセンター、事務局、出荷体制、決済処理体制など、ほぼ全インフラが耐えられなくなりました。その当時社内SEは私1人で、「電気が流れてるものはすべてSEの仕事」というアバウト設定(その代わりに色々経験させていただきました!)だったので、物流倉庫の出荷体制の見直しも僕の仕事でした。

人員の数と配置、商品管理方法、入・出庫処理、ピッキング方法など、色々とテコ入れが必要な中、大きな出費となったのが 倉庫で使う印刷機手配 でした。出荷数が 100 倍になったことによって、それまで使っていた印刷機では印刷スピードが遅すぎて、1日1,000出荷は不可能な状態でした。そこで印刷機も刷新する必要性が出てきたわけです。印刷機も物流専用機があるのですが、非常に高価で、当時の会社では購入検討できない金額でした。

そのため、一般的な複合機を導入したのですが、その選定時に気にしたポイントが色々とあったのでまとめてみたいと思います。ECというよりは通販をはじめようとしているかたが知っておいて損はないことかなと思います。

印刷するもの

物流倉庫では色々と印刷するものがあります。

主なものは以下です。
ピッキングリスト
納品書
出荷伝票

サービス内容によっては
広告チラシ
挨拶状
などもあると思います。

1出荷ごとに上記を最低1枚ずつ印刷する必要があり、 これらが印刷できる機械 というのが最低限の必要要件です。また、出荷伝票はシールタイプだったりするので、そういう紙でも印刷可能なものを選ぶ必要があります。

印刷スピード

かつ、 倉庫稼働時間 運送業者の集荷時間 の関係から、印刷スピード が1日の出荷数に大きく影響してきます。↓こちらのサイト情報を見てみると2018年下旬では大手は秒間1枚以上の出力はできるようです。

当時(2010年頃)の会社で導入した富士ゼロックスの複合機も 70枚/分 くらいだったかと思いますが、紙の質や厚みの問題で最大スピードで連続印刷しているとスタックしてしまうことがちょくちょくありました。単純に 印刷スピード で判断したため、 印刷精度 も考慮すべきだったと反省したポイントです。

耐用年数耐用枚数

また 耐用年数耐用枚数 も重要です。機械自体安くない(数100万え)ので極力長く利用できて減価償却できるに越したことはありません。

耐用年数耐用枚数
通常、複合機には 耐用年数 と 耐用枚数 の両方が設定されています。どちらか先に到達したほうが耐用限界(寿命)という設定です。10万枚 や 1000万枚 など機種によって様々です。

たとえば、ピッキングリスト、納品書、出荷伝票を1出荷に対して1枚ずつ出力(1出荷3枚)。1,000出荷/日 で休みなく稼働した場合、耐用枚数 100万枚 の機種では 1年を待たず耐用枚数オーバーになってしまいます。 まあ1日1,000出荷を休みなく続けられていたら売り上げも相当数なので倉庫設備にもお金がかけられそうです。(商品単価にもよりますが)

当時選定した富士ゼロックスさんの各種耐用年数と耐用枚数は現在↓このような感じです。

ちなみにRISO 社の オルフィスシリーズは耐用枚数が非常に多いようです。

印刷コスト

さらに 印刷コスト も重要です。1枚あたりの印刷コストは極力抑えたいポイントです。トナーや印刷機の機構によりますが、モノクロ印刷1枚あたり 0.4円 とか 0.5円 とかです。 たとえば 600万出荷時点で 60万円 もコストとして差が出てきます。複合機のリースをしている企業もあり、その場合 1枚あたりのコストが設定されています。利用枚数が多いほど利益になっているはずなので、出荷数などから試算して、印刷コストは安くなるよう交渉したほうがいいでしょう。

まとめ

通販を始める上で意外と見えていないコストだったりすると思うので、
印刷スピード
耐用年数と耐用枚数
印刷コスト
に注目して、出荷量や受注単価と相談しつつ選定してみたほうがよいかなと思います。

以上、通販に興味がある人以外まったく不要な情報でした(汗)

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