異国の友

毎朝毎晩届く行政からの「地震への備えについて」の定時メール
テレビをつけたらテロップ
買い物に出かけても
ガラガラの棚に入荷未定の貼り紙
「水や米の入荷は未定です」を繰り返す店内放送

どうにも気が滅入る

色んな気持ちが入り混じって
なぜ気が滅入るかって言葉にするのは難しい

遠くに見えたひまわり畑は
青空を背負ってなんとも可愛らしい彩りだった
そろそろひまわりも種が熟してくるのか
皆頭をもたげ俯き加減

最近知り合った外国の友人が
ひまわりの種でペーストを作るととても美味しい
あなたもぜひ！と勧めてくれたが
まずひまわりの種をどうやって手に入れたら良いのかから考える
種をすってニンニクと混ぜて作るらしい
丁寧に作り方も教えてくれた
これからひまわりを見るたびに彼女のことを思い出すだろう

彼女は犬を3匹飼っていて
先日森に放したら
ある1匹が頭に蠍を乗せて帰ってきたと
小さな蠍を頭に乗せた犬の写真を送ってくれた

犬も蠍もかわいい

最初人間の頭かと思って驚いた

日本じゃ考えられないが
毒はそんなに無いの、猫も殺せない。ネズミを殺す程度だよ
と言っていた
どこまでが冗談なのか分からないけれど
あまり怖くは無いようだった

彼女の国も地震が多いらしい
日本よりもずっと自然に囲まれて生活しているようで
自然の強さや怖さも良く知っているし
それでいて癒しや優しさを受け取っていることに
心から感謝している
そんな彼女が
海の向こうから無事を祈っていますと言ってくれる

それはこちらの、体に気をつけて、のような
ご自愛ください、のような
そんな挨拶なのかもしれないが
相手に心を寄せる、という意味で
みんな同じなんだなとほっとする

見上げれば大きな雲が空に散らばり
セミが勢いよく鳴いている
今日も暑くなりそうだ

さぁ今日も一日がんばりますか

絵に描いたように大きな今朝の雲