見出し画像

2022年4月前半日記(映画「湖のランスロ」「モービウス」、競馬G1結果、「鏑木清方展」「シダネルとマルタン展」など)

4月×日
シネマカリテ新宿で「湖のランスロ」(ロベール・ブレッソン監督)
高名な監督だが、観るのは初めて。
いや、たしかにこれはスゴイ。
ランスロはランスロットのフランス語読み。
アーサー王伝説のランスロットとグィネヴィアの話である。

プロの俳優の演技を嫌い、ある時期以降は素人しか使わなかったことで有名な監督。
なのでその結果として、中世のコスチュームを着た棒立ちの素人がセリフを棒読みする場面が延々と続くことになる。
戦いのシーンものろのろとした動きでコントみたい。

しかし、いかにも本当っぽくしようとするための演技や説明を削ぎ落した結果、画面に映っている物と音そのものが際立ってくる。

あまり気軽に他人に勧められる様なものではないが、でも映画監督を目指している人とか、作る方じゃなくても映画ライターとかを目指している人には勧めたい。
映画にとって何が必要で何が必要じゃないのか、何が重要で何が重要じゃないのか。
そんなことを考えさせられる映画。

色々余計なものをそぎ落とした、ということなのだが、ランスロットと王妃との密会の場面に、戸外でさえずる小鳥のシーンがインサートされるのを見て、あ、そういうのは削ぎ落さないんだ、とちょっと面白かった。

4月×日
東京国立近代美術館で「没後50年 鏑木清方展」(2回目)
前回とても気に入った「夏の生活」「金沢絵日記」は場面が全部変わっていて、今回は小さな船に家族で乗って食事をしたり、歌舞伎を観に行ったり、カニが大量発生して道をふさいだり。

やっぱり楽しかった。

東京国立近代美術館と桜

4月×日
もちろんウクライナは「正義の味方」ではない。
また、ロシアを追い詰めた「西側のおごり」について指摘するのは意味のあることだと思う。ぼくはそこら辺のことをほとんど知らなかったので勉強になった。
でも、だからと言って現在の状況を「ロシアにはロシアの正義があり、ウクライナの正義とぶつかっている」と認識してしまう、というのがぼくにはちょっと理解できない。

そりゃまあ、ナチスドイツにもナチスドイツの正義があり、ポルポト派にもポルポト派の正義があり、陰謀論者にも陰謀論者の正義があり、いじめをする人間にもいじめをする人間の正義はあるんだろうけれども。

4月×日
新宿のSOMPO美術館で「シダネルとマルタン展」
どちらも全然知らなかった画家だが悪くなかった。
土曜日の昼過ぎなのに全然混んでいなかった。
わりと「日本人が好きな印象派」のイメージに近いと思うので、もっと人気があってもいいと思う。

6月26日まで

4月×日
春のG1シリーズ、高松宮記念、大阪杯、桜花賞、とそれぞれ8番人気ナランフレグ、8番人気ポタジェ、7番人気スターズオンアースが勝利、かなり荒れたレースが続いている。
そしてなんと、この3レースとも、私は勝った馬を本命(軸馬)にしていた!
天才ではないか!?
しかも!
3レースとも、馬券は1円も当たっていない!
て・・・天才ではないか!?

4月×日
新宿ピカデリーで「モービウス」(ダニエル・エスピノーサ監督)
物語としては非常に古典的。
「アベンジャーズ」とか、最近の「スパイダーマン」とかの、こねくり回したような話をあまり楽しめない(馬鹿馬鹿しくなってしまう)方なので、こういうシンプルな話は本来は好きなのだが・・・。
ビジュアル的にも面白いところがあるのだが・・・。
なんだろう、あまりひっかかりがない、というか、薄味と言うか・・・。
そういえばこの監督の「ライフ」って映画も面白くなりそうな話なのになんか引っかからない映画だった。

しかしこういう最新の映像技術を使った映画を観るにつけ、これも映画であり、「湖のランスロ」も映画である、というのがなんとも面白い。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?