見出し画像

九段理江『東京都同情塔』

九段理江『東京都同情塔』(2024)を一気読み。
そのままの勢いで、思いつくままパッと感想を。もう少し掘り下げて後日書き直すかも。

先週発表されたばかりの「第170回芥川賞」受賞作。



近未来の並行世界における東京(具体的には千駄ヶ谷〜新宿辺り)を舞台に、理想郷のような監獄塔を設計しようとする建築家。

同時に、物語が立脚しているのは紛れもなく私たちがいま生きている現実であり、作家もこの現在の空気を肺いっぱいに吸い込んでいる。

私の頭の中にも確かにその塔は建ち、想像を起こさせる力量は十分に感じた。

主題はむしろ「言葉」だとも思った。
言葉とは何なのか、どこまで言葉を信用できるのか、言葉は全てを定義できるのか、言葉を変えると中身も変わるのか、言葉が現実を作るのか。
徹頭徹尾、根本的な問いを投げかけてくる。

帯も受賞仕様の2刷

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?